署長秘書の日記A

4月6日
偶然、2Fに置いてある石像を動かしてしまった。
たったそれだけなのに、それを見つけた署長は「この石像に二度と触るな!」と凄いケンマクで私を怒鳴りつけた。
そんな大切なものなら、あんな所に置かなければいいのに・・・
4月7日
噂によると、署長が大切にしている美術品のコレクションはどれもだいたい何百万、何千万もする高価な物らしい。
どこからあんな趣味の悪いものを持ってくるのか、それよりも、どこにそんなお金があるのか不思議で仕方ない。
5月10日
いつものように、大きな額縁を抱えて、署長が帰ってきた。今回の絵は全裸の女性が吊るされている悪趣味な絵だった。
署長はうれしそうにじっとその絵を眺めている。
一体、こんな絵のどこに芸術性があるというのだろうか。
考察
署内2F待合室に無造作に置かれた日記。
署長のキャラクターとしての深掘り
署長が高価な美術品を多数所有し、しかもその内容が通常の警察署員の趣味とは思えないものであるという秘書の証言がある。
これが単なる嗜好の問題か、それとも権力・資金・秘密を伴ったコレクションなのか、そのあたりが読者・プレイヤーに“疑問”を抱かせる、署長の異常性が少し垣間見える。
署長という存在が単なる“上司”ではなく、異常な趣味・裏の顔を持つ“闇をはらんだ権力者”として浮かび上がります。秘書の日記を通じて、読者は署長の表と裏を感じ取ることができます。
秘書の視点としての“警戒”
秘書は署長の行動・態度に対して「理解できない」「怖い」と感じている。
職場スタッフとしての距離が近いためこそ“顕在化していない何か”に敏感になっており、その感覚が文章から伝わって来る。
アート/オブジェクトが持つ象徴的役割
石像、絵画、コレクションという“物”が単なる装飾ではなく、署長の権力・秘密・異常性を象徴する手がかりとして扱われている。
秘書が「なぜこんな場所に石像を置くのか」「絵の何が“芸術”なのか分からない」と記していることから、これらの物はゲーム中のギミック(例えば“赤い宝石”や“彫像の仕掛け”)ともリンクさせている。
腐敗・裏金・怪しい資金の示唆
「何百万ドルの価値」「どこにそんなお金があるのか」という発言は、署長が合法的な警察署長としての収入以上の資金を持っているという暗示である。
これは“警察署内における腐敗”や“闇取引”“隠された組織関係”の伏線とも解釈できる。
警察署という“安全・秩序の象徴”でさえ、このような“美術コレクション”“資金源の裏”を抱えていることを示すことで、世界そのものが“歪んでいる”という印象を強める。
プレイヤーへの暗示
石像や絵画がプレイヤーの手がかり(謎解きアイテム)になるヒントになっている。
日記による言及がそのギミックへの導線になっており、秘書が石像を動かしてしまったり、絵画を不快と感じたりしているのは、単なる場面描写以上の意味を持つ。
逆に「石像を動かす事で何かが起こる」というプレイヤーへの暗示と言える。



























