ポケモン史において『最初のライバル』と聞けば、真っ先に思い浮かぶのが——
あの生意気な坊ちゃん、グリーン。(もしくはプレイヤーが名付けた名前)
1996年。当時の私たちは、まだ「タイプ相性の暗記」にも慣れていないようなポケモン初心者だった。そんな中、突然現れる、紫の長袖シャツを着こなした11歳の少年。
そして開口一番の「ボンジュール!🇫🇷」である。なぜだ、なぜ日本語ゲームで急にフランス語なのか。子どもたちを混乱させた犯人、それがグリーンだ。
彼はいつも主人公の一歩前を歩き、勝てばドヤ顔、負けても「たまたまだよ」と強がるクソッタレである。
シルフカンパニーがロケット団に占領されている時ですら、彼にとっての関心事は主人公とのポケモン勝負のみ。ある意味、世界一ブレない男で、彼みたいな人に沼る人は沼る。
けれど、そんな「ウザい」とすら思える態度も子どもたちにとっては“ひでんのスパイス”だった。ライバルがいるからこそ、あの冒険は熱くなれたし、チャンピオンロードで彼と再び出会った時の胸の高鳴りは今でも忘れられない。
この記事では、そんな初代ライバル『グリーン』という少年の「性格」「キャラ像」「名セリフ」「裏話」「シリーズごとの変化」まで、懐かしさと豆知識たっぷりで振り返っていく。
もしあなたが初代ポケモン世代なら、きっと「あ〜こんなこと言ってたなぁ!」と笑いながら読めるはず。
そして新しい世代のプレイヤーにも、「初代のライバルってこんなに濃かったの!?😲」という驚きがあるだろう。
——さあ、行こう。
あのマサラタウンから始まったライバル物語へ。(毎度毎度、前置きが長すぎるねんww)
原点にして頂点!初代ライバル『グリーン』とは?

グリーンとは?初代『ポケモン赤・緑』のライバルキャラ
グリーンは、ゲーム『ポケットモンスター赤・緑』で主人公の前に立ち塞がる最初のライバル。
オーキド博士の孫で、マサラタウンに住む主人公の幼馴染でもある。ゲーム開始時に自分で名前を付けることができるが、後述するように公式には「グリーン」と呼ばれるようになった。(主人公は「レッド」)英語版では最初のバージョンが赤と青だったため、彼はBlue(ブルー)という名前で知られている。
幼い頃は主人公と仲良く遊んでいたものの、同い年で成績も似ている主人公を意識し始めてライバル心を燃やすようになったという設定がある。
そのためゲーム中の彼は常に主人公に対して上から目線で話し、プライドが高く生意気な性格として描かれている。
トゲのように逆立ったチャラい茶髪に、初代公式イラストでは紫の長袖シャツと黒ズボンという姿が特徴的 (リメイク版では後述のように衣装が変化)。
物語の中で彼は常に主人公の一歩先を進み、8つのジムバッジを集め四天王を倒した上で、なんと主人公より先にチャンピオンの座に就いてしまうのである。
各作品におけるグリーン
『ポケモン赤・緑』 – 性格と名セリフ
初代『赤・緑』でのグリーンは、その生意気さと挑発的な言動でプレイヤーに強烈な印象を残した。
彼はバトルに負けても素直に悔しがることはなく、「油断しただけ」などと言い訳しつつ去っていくため、「ウザいライバル」の代表格と語られることもあります(※もっとも、その憎たらしさ込みで愛されてもいる)。
また、11歳ながらやたら気取った挨拶をするのもグリーンの個性で、船上で「ボンジュール!🇫🇷」と唐突にフランス語で挨拶したり、別れ際に「バイビー!」と捨て台詞を吐いたりする。これらのセリフは当時の子どもには生意気に映り、強烈に記憶に残った名言である。
極め付けはチャンピオンになった直後の言葉で、グリーンは
このおれさまが世界で一番強いってことなんだよ!
とイキがる。自信満々に『おれ様』と自称するこの台詞は、ライバルキャラとしての彼の存在感を象徴する名セリフと言えるだろう。
グリーンのこうした尊大な態度は終始一貫している。道中では主人公と何度も戦うが、勝っても負けても彼は常に余裕しゃくしゃく。(基本的に余裕がある男は女性にモテる)
例えば、序盤に負けても「あそこでムキになっちゃってさ」程度に受け流し、中盤で負けても「たまたま油断しただけ」と強がります。(「余裕」と「強がり」は少しベクトルが違う)
プレイヤーとしては何度倒しても懲りずに偉そうな彼に、「今に見ていろよ!」と闘志を燃やした方も多いのではないだろうか。
また、シナリオ中盤のシルフカンパニー(ヤマブキシティ)ではロケット団がビルを占拠しているにも関わらず、グリーンはロケット団員たちを完全スルーして主人公とのポケモン勝負だけを仕掛けてくる場面がある。
世界の危機よりもまずライバルとの勝負を優先するあたり、彼の負けず嫌いで勝負一直線な性格がよく現れている(あるいは単にトラブルに首を突っ込みたくない性格なのかも…?「めんどくせっ」って)。
こうした行動も含め、グリーンは徹頭徹尾「主人公のライバル」として物語にしつこく絡んで来る。
物語のラストとチャンピオン戦での立ち位置
グリーンは初代『赤・緑』物語終盤、ポケモンリーグの頂点に君臨するチャンピオンとして主人公の前に立ちはだかる。先に四天王を倒してチャンピオンになっていたのが、他ならぬ幼馴染のグリーンだったという展開には驚かされたプレイヤーも多いだろう。(まぁ常に一歩前を行く彼だったので、当たり前っちゃ当たり前)
ポケモンジムの入り口の石像を調べると、必ず「グリーン」の名前が記されている。
彼はチャンピオン戦でも自信満々で、「世界で一番強いトレーナー」である自分に挑む主人公を迎え撃つ。その手持ちポケモンは主人公が選ばなかったタイプの最終進化形(フシギバナ、リザードン、カメックス)をエースに据え、ピジョットやサイドン、ナッシーなどバランスの取れた強力なメンバーを揃えていた。(後述)
しかしグリーンの栄光も束の間、主人公との最後の激闘に敗れてしまう。僅かな間とはいえチャンピオンに君臨した彼ですが、結局は主人公に王座を明け渡すことになり、まるで『明智光秀の三日天下(短期間の天下)🔥』と揶揄されることも…。
直後に駆けつけたオーキド博士からは、「ポケモンへの愛情が足りなかった」ことが敗因だと諭されてしまいる。これは裏を返せば主人公との差、すなわちグリーンが奢れる自信家であったがゆえの慢心を示唆しているのかもしれない。
悔しがるグリーンに対し、博士は孫である彼の名前を思い出せなかったり(ゲーム開始時にプレイヤーが名付けたせいですが)、せっかく呼び出していたのに「負けたからもう用はない」とばかりにあっさりスルーしたりと、冷静に見てみると扱いの酷さも相まってコミカルなシーンとなっている。
このように物語を通して生意気だったグリーンも、最後は敗北を喫し悔し涙をのむことで主人公の成長の踏み台となる、影の主人公的な役割を果たした。
ところで、チャンピオン戦のグリーンの手持ちポケモンには一部妙な点があることがファンに良くイジられている。例えばナッシーが覚えている技が3つしかなく1枠空いていたり、おまけに「ふみつけ」や「たまなげ」といった弱めの技しか使ってこなかったりと、最強のはずのチャンピオンにしては技構成がやけに貧弱なのである。
実はこれは初代ゲームの内部仕様上、NPCトレーナーはレベルアップで覚える技をそのまま使うために起きた現象で、当時のグリーンのポケモンは強力な技マシン技をあまり使ってこなかったのである。 (例外的にピジョットだけは「ゴッドバード」を使うが、溜めがている間に焼き鳥にされていた記憶しかない)。
このネタも含め、初代グリーンとの死闘は多くのプレイヤーの語り草となっていった。
『ポケモン金・銀』で再登場 – その後の成長
初代で早々に敗北したグリーンだが、3年後を描いた『ポケットモンスター金・銀』(第二世代)で再登場を果たす。この時グリーンは14歳に成長しており(初代時11歳+3年後) 、なんと故郷カントー地方のトキワジムのジムリーダーに就任しているのである。
『金・銀』ではプレイヤー(主人公)はジョウト地方を冒険した後、カントー地方にも渡るが、その最強最後のジムリーダーとして立ちはだかるのが他でもないグリーンだったのだ。この時の流れ感がめちゃくちゃ良いんだよな…
ジムリーダーとなったグリーンは肩書こそ変われど相変わらずの実力者である。彼のトキワジムは先代のサカキ(ロケット団ボス)が失踪した後を受け継いだ形で、他のジムと異なり特定のタイプに偏らない多彩なポケモンを使ってくるのが特徴だった。
手持ちにはピジョットやフーディンなどかつてのチャンピオンメンバーも名を連ねており、「カントー最強のジムリーダー」として主人公(プレイヤー)の前に立ちはだかる。
かつて自信過剰だった彼も、ジムリーダーとして再戦する際にはどこか落ち着いた貫禄を漂わせており、再登場に胸を熱くした当時のプレイヤーも多かったようだ。「グリーンバッジ」という彼の名前を冠したジムバッジを貰えるのも胸アツなポイントだった。
『金・銀』当時はゲーム内で彼の名前が「グリーン」と固定表示されたため、以降公式設定でも彼はグリーンと呼ばれるようになる(初代では名前入力制だったため固有名がなかった)。
余談だが、この名前「グリーン」は初代『赤』版でのライバル名候補の一つであり 、もう一つの候補「シゲル」はアニメ版ライバルの名前に採用されている。ちなみにこの「シゲル」というデフォルト名は、『スーパーマリオ』や『ゼルダの伝説』を生み出した任天堂のレジェンド・宮本茂氏から取ったとされている。
グリーンはその後のシリーズ作品にも度々登場し、ファンを喜ばせている。ニンテンドーDS版リメイク『ハートゴールド・ソウルシルバー』でも引き続きトキワジムリーダーとして登場し、勝利するとグリーンバッジに加えて技マシン92『トリックルーム』をくれる。
リメイクに伴い衣装も黒ジャケットにベージュのズボンという少し大人びた装いになり(上の公式イラスト参照)、エースポケモンもピジョットに変更されている。ピジョットはグリーンが初めて自分で捕まえたポケモンと言われており、それが相棒として格上げされた演出かもしれない。
いずれにせよ、再登場時のグリーンは初代の生意気少年から一歩成長した頼れる強敵へと変化を遂げており、宿敵の成長を実感できる粋なファンサービスとなっている。
リメイク版『ファイアレッド・リーフグリーン』

初代のリメイク作品『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』(2004年)でも、グリーンは当然ライバルキャラとして登場する。基本的なストーリー展開はオリジナル版と同様だが、グリーンのデザインは現代風に一新された。
紫長袖から黒の半袖シャツ+紫ズボンというコーディネートに変わり、よりスタイリッシュな印象を受ける。年齢設定は相変わらず主人公と同じ11歳だが、グラフィックや台詞回しは若干マイルドになった部分もあり、「ウザさ」は初代より抑えめになったとも言われている(感じ方には個人差がありますが…)。
とはいえ根本的な性格は変わっておらず、チャンピオン戦まで相変わらずプレイヤーを煽ってくる宿敵ぶりを見せてくれる。
『FRLG』ではゲームシステムの刷新に伴い、グリーンとのバトルもダブルバトル要素の追加(ポケモンタワーでのイベント)や再戦時の手持ちレベル上昇など、細かい変更点がある。
また、殿堂入り後に挑める四天王の強化周回においても再びチャンピオングリーンが立ちはだかり、エンディング後も何度でも戦えるようになった。これにより、プレイヤーは何度でも因縁のライバルと腕試しができるようになり、育成ややり込みの面でも楽しませてくれる。
更に『FRLG』では、プレイヤーキャラクターとして初めて女性主人公(リーフ)を選ぶことが可能になった。もし女性主人公を選んだ場合でもライバルは当然グリーン(♂)のままだが、少年少女の幼馴染ライバル関係という新鮮な組み合わせになる。
この組み合わせが公式に描かれたのは後にも先にもFRLGのみで、ある意味レアな構図と言える。
『Let’s Go! ピカチュウ・イーブイ』– レジェンドトレーナーの再登場
2018年に発売されたシリーズ初代再リメイク的作品『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・イーブイ』(以下『ピカブイ』)でも、グリーンがスペシャルゲスト的に登場する。『ピカブイ』の主人公とライバルは新キャラクターであり、グリーン(およびレッド)は伝説の先輩トレーナー的な立ち位置で物語に関わって行く。
物語序盤、ニビシティのジムをクリアしてジムから出たところで、不意に声をかけてくる青年こそがグリーンである。彼は主人公(プレイヤー)の名前を既に知っており、オーキド博士から話を聞いて駆けつけてくれた様子。
彼曰く「俺らの頃はポケモン図鑑なんて無くてさ…」と語っており、自分たち(レッドとグリーン)が活躍した世界とはパラレルワールド的な位置付けであることが示唆されている。図鑑完成は託されていない風だ、と自身で言っているのは興味深い点だ。
グリーンは相変わらず少しキザで自信家な雰囲気を漂わせているが、基本的には親切で、初対面の主人公に対してスーパーボールを数個プレゼントしてくれる。
偉そうではあるが根は悪い人間ではないという、年長トレーナーらしい余裕も感じさせる。「相変わらずキザというか、ヤバい奴」だけど「悪いやつではない!」という当時のプレイヤーの感想そのままに、往年のキャラをうまく現在風にアップデートして再現しているのが印象的である。
物語中盤以降、グリーンは要所で主人公たちをサポートする立場で現れる。ロケット団との決戦後、トキワジムの後始末(ジムリーダーの不在)を引き受けて新たなトキワジムリーダーに就任する展開も描かれた。
これは初代では描かれなかった部分で、「ロケット団ボス・サカキの後任としてグリーンがジムを継いだ」という『金・銀』への伏線を、ピカブイの時点で回収した形になる。
その他の作品でのグリーン – サン・ムーンでの再登場など

グリーンは上記の他にもシリーズ作品や関連作に登場し、そのたびにファンを喜ばせている。
ニンテンドーDS『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』(2012)ではポケモンワールドトーナメント(PWT)に歴代チャンピオンの一人として参戦し、懐かしの手持ちを引き連れてプレイヤーとトーナメントバトルを繰り広げた。
また、ニンテンドー3DS『サン・ムーン』(2016)では成長した大人の姿で登場し、アローラ地方のバトルツリーにレッドと共に現れる。バトルツリー初到達時にはレッドかグリーンのどちらか好きな方と戦うことができ、年齢を重ねた二人との夢の対決が実現した。
見た目も少年の面影を残しつつ精悍な青年となっており、月日の流れを感じさせられる。
ちなみに公式イラストでは黒のシャツに緑のハーフパンツ姿でサングラスを手に掛けるという南国スタイルで、どことなく余裕たっぷりの「大人グリーン」を演出している。レッドとは長年のライバル同士らしく、アローラでも行動を共にしているようで、互いに良き友人兼ライバルとして切磋琢磨している様子が描かれた。
グリーンにまつわる豆知識・裏話あれこれ
『グリーン』というキャラクターに関するトリビアや都市伝説・裏話をいくつか紹介しよう。
名前の由来と公式名称の確立
前述の通り、初代ゲームではライバルの名前はプレイヤーが自由に決められた。
しかしデフォルト候補の中に「グリーン」という名前があり、『金・銀』で公式に「グリーン」という名前が設定されたことで現在ではこの名前が定着している。
一方アニメ版ではオーキド博士の孫は「シゲル(英語名Gary)」と呼ばれており、これはゲーム版デフォルト名候補の一つ「シゲル」に由来する。前述したが、「シゲル」は宮本茂氏(任天堂のゲームクリエイター)から、主人公「サトシ」は田尻智氏(ポケモン生みの親)自身から取られたとも言われており、ゲームとアニメで微妙に事情が異なるのは興味深い点である。
ラッタ死亡説
初代でグリーンが使うポケモンの中にラッタ(コラッタの進化系)がいるが、あるバトルを境に彼はラッタを手持ちから外している。
ハナダシティやサント・アンヌ号での対戦ではラッタ(ハナダではコラッタ)を繰り出してくるものの、その後のポケモンタワー戦からラッタは登場しない。
ポケモンタワーがポケモンのお墓であることから、「もしかしてグリーンのラッタはサント・アンヌ号で負傷し、そのまま死んでしまったのでは…?」という都市伝説的な噂がファンの間で生まれた。ゲーム内で明言されているわけではなく真相は定かでないが、当時この説を信じてライバルに同情したプレイヤーもいたようだ。
真面目に考察するなら、おそらく「チャンピオンの手持ちにラッタがいる」という迫力のなさという理由から、制作者側がリストラさせたのだろう…。
ちなみに序盤のラッタは鬼強い。
オーキド博士との関係
グリーンはオーキド博士の孫だが、ゲーム冒頭で博士が孫の名前をド忘れしていたり、チャンピオンになった孫より主人公を露骨に贔屓したりと、孫に対する扱いが雑である。
こうした演出もあってか、「グリーンがひねくれ者になったのはじいさん(博士)の愛情不足では?」なんて冗談も囁かれている。かまってちゃんの可能性あり。
もっともゲーム本編の最後には博士から敗因を諭されるなど、それなりに愛情あるフォローも見せるのでご安心を。
ちなみに『ピカブイ』では、グリーンが博士から図鑑完成の使命を受けていないことを匂わせるセリフがある。おそらく彼自身もトレーナーとして修行の旅をしている途中なのだろう。
XYではモブNPCの会話で「オーキド博士の孫がカロス地方に留学していた」という裏設定も語られ 、各地で研鑽を積んでいる様子がうかがえる。そう考えると、グリーンは根っからのポケモン好きであり、決してポケモンへの愛情が無いわけではない。
チャンピオン経験「ゼロ人説」
以前一部ファンの間で、「そもそも四天王を倒した時点でチャンピオン不在だったから、グリーンが初のチャンピオンになれただけでは?」という説が語られたことがある。
確かに初代ではワタル(四天王の最後の一人)が豪華な部屋にいたり特別扱いされており、ワタルが事実上のトップだったのではとも考えられていた。しかし公式的にはグリーンが先に四天王を打ち破ったことでチャンピオンになった、という扱いになっている。
彼は「リーグ制覇後すぐ敗退した元チャンピオン」という珍しい経歴の持ち主とも言える(のちのシリーズでもチャンピオン戦後に交代した例はいくつかあるが、ここまで短命なのは彼くらいだろう)。
最初のポケモン
グリーンは冒険の旅立ちに際し、主人公とは別の御三家ポケモンを選ぶ。
プレイヤーがヒトカゲを選ぶとグリーンはゼニガメ、プレイヤーがフシギダネならヒトカゲ…という具合に、主人公の苦手タイプとなるポケモンをちゃっかり選び抜け目の無さを見せた。(ポケモン初めてポケモンを手にする前から知識が豊富であり、その点でも主人公の一歩前を行っていたとも言える)
この「ライバルは有利タイプを取る」というお約束は、その後のポケモンシリーズでもたびたび踏襲されていたが、初代グリーンが元祖である。
彼が最初に手にしたポケモン(最終的にリザードン・カメックス・フシギバナのいずれか)は、エンディング直前のチャンピオン戦でもエースとして登場し、最後の壁になる。
また『ピカチュウバージョン』では主人公がピカチュウを与えられる関係で、グリーンは代わりにイーブイが初期ポケモンとなる。イーブイは進化先が複数あるポケモンだが、ライバルのイーブイはゲーム中のイベント戦績によってシャワーズ・サンダース・ブースターのどれかに進化する特殊な仕様だった。こうした細かな設定もライバル戦を盛り上げる演出として話題になった。
最後に

以上、初代『ポケモン赤・緑』のライバルキャラクター「グリーン」について、性格や名セリフ、物語での役割から後年の再登場に至るまで詳しく解説しました。
生意気で憎たらしい存在だったグリーンですが、その存在があったからこそ主人公(プレイヤー)は燃え上がり、物語がより一層盛り上がったと言える。
チャンピオンの座に君臨するも束の間で退いた彼の姿は、多くのゲームファンの記憶に刻まれている。後年の作品で見せた成長した姿や、変わらぬライバル魂には思わずニヤリとさせられた。
グリーンはポケモン史上初のライバルとして、その後のライバル像にも大きな影響を与えた。彼の「嫌なやつ」ぶりも含めて、ゲームを彩る重要なキャラクターと言える。
豆知識や裏話を知ると、より一層グリーンという人物が立体的に感じられ、愛着も湧いてきませんか?
ぜひ皆さんも改めて初代ポケモンをプレイして、グリーンとのバトルを楽しんでみてほしい。
きっと彼が口にする
おまえがポケモンリーグ 新チャンピオンだ…!認めたくねーけど
なんて台詞も、懐かしく微笑ましく聞こえてくることだろう。

























