⚠️このページは、筆者の熱が入りすぎて文字数がトータル16,000字もございます。ご注意ください(笑)執筆時間:13時間
『ドラゴンボール 神龍の謎』1986年にバンダイからファミリーコンピュータ用に発売されたアクションアドベンチャーゲーム。
週刊少年ジャンプで連載中だった鳥山明の漫画『ドラゴンボール』を原作とし、ファミコン向けでは初の『ドラゴンボール』ゲーム作品となった。
発売当時はアニメ第1作目がまさに放送中というタイミングであり、原作・アニメ人気の追い風を受けて国内で100万本以上(出荷本数約120万本)という大ヒットを記録している。 (資料によれば総販売本数は150万本に達したともされている )
本記事では、この昭和レトロゲームの概要から開発秘話、ゲームシステム、原作との関係、当時の話題・豆知識、そして現代での評価まで、幅広い世代が楽しめるよう徹底解説していく。
ドラゴンボール 神龍の謎 – レトロゲームの魅力を全世代へ解説

- 発売日:1986年11月27日
- プラットフォーム:ファミリーコンピュータ
- ジャンル:アクションアドベンチャー
- 開発:トーセ
- 発売:バンダイ
- 価格:5,300円
第1章:ゲームの概要:基本情報と発売当時の状況

バンダイ×トーセによる開発体制
発売元は玩具メーカー大手のバンダイで、開発は『ドラゴンクエストモンスターズシリーズ』や『伝説のスタフィー』で有名なトーセが担当。
トーセは当時、ゲームにクレジットされない隠れた開発請負会社として多数のキャラクターゲーム制作を手掛けており、本作を含めファミコンで発売された『ドラゴンボール』ゲームは全てトーセが開発したとされている。(裏では他作品の資産を使い回したという噂もあった) 。
ファミコン前期のキャラゲー(キャラクターゲーム)ブームの中で生まれたタイトルであり、同年にはバンダイから『キン肉マン』や『聖闘士星矢』など人気漫画のゲーム化作品も次々リリースされて行った。
当時は「とりあえずアクションゲームにしてしまう」傾向が強く、原作人気に支えられて売れる一方でゲーム内容の出来は玉石混交というのが通例だった。(ハッキリ言ってしまうとクソゲー…みたいな…笑)
本作『神龍の謎』もまさにそんな時代の産物であり、原作ファンの子どもたちは多少ゲームの理不尽さに首をひねりつつも「ひとえに原作への愛」で夢中で遊んだと振り返られている。
ゲームストーリーの概略としては、原作漫画の最序盤である「ドラゴンボール探しの旅」から始まり、天下一武道会(ゲーム中は「カンフー大会」)を経て、ゲームオリジナルの敵「MB軍」との戦いにまで展開している。
タイトルにある『神龍の謎』とは、「7つ集めるとどんな願いも叶うドラゴンボール」の秘密に迫る物語であることを指している。実際にゲーム中でもステージ6と最終ステージ14でドラゴンボールが7つ揃い、神龍を召喚して願い事を選択するイベントが用意されている。
プレイヤーは物語の節目で自ら願いを選べるという演出によって、ドラゴンボールの世界観をゲーム的に体験できる仕掛けである。

発売当時のプロモーションとして、テレビCMも放映されている。ナレーションは渋い声で知られる声優・来宮良子さんが担当。
パッケージイラストには鳥山明先生の描く悟空たちが躍動し、当時最新のアニメ主題歌「魔訶不思議アドベンチャー!」の歌詞そのままに、「家でこんな大冒険が楽しめるなんて、ホントいい時代に生まれたよね」といったコピーが躍っている。
発売日は奇しくも1986年11月27日で、(この記事を書いている今日と同じ日付です!)ちょうど〇〇周年の記念日にもあたる。(筆者、ただ狙って記事を公開しただけやろ?!笑)
そんな運命的なタイミングでリリースされた本作は、当時のゲームキッズにとってクリスマス商戦目前の目玉商品であった。(CMでもクリスマスを匂わせている)
販売状況について補足すると、国内売上本数は120~150万本とバンダイのキャラゲーの中でも群を抜くヒットとなった。その後もシリーズが毎年のように続くきっかけを作った存在であり、実は2015年に『ドラゴンボール ゼノバース』が出るまで、歴代ドラゴンボールゲームの中で売上1位の座を保持していたほどである。
人気の高さから1991年には「完全復刻版」として異例の再販も行われている。復刻版はファミコン末期だったため出荷数が極めて少なく、現在では箱・説明書付き完品にプレミア価格が付くほどのレア物 (外箱に貼られた「完全復刻!」シールが目印だが、偽造シールまで出回るという逸話も… )。
こうしたエピソードからも、本作が当時いかに大勢の子供たちの手に渡り、思い出深い作品となったかがうかがえる。
第2章:開発秘話・制作の背景と業界事情

キャラゲーブーム×ドラゴンボール人気
制作の背景には、1980年代半ばのゲーム業界と漫画原作ブームの事情が色濃く反映されている。開発を担ったトーセは、任天堂やバンダイなど大手メーカーから下請けとしてゲーム制作を請け負う専門会社で、表には名前が出ない「縁の下の力持ち」的存在だった。
ファミコン黎明期には、人気漫画やアニメのゲーム化企画が次々と持ち上がり、限られた期間で手堅く作るために「既存のアクションゲームの枠組みに原作キャラを当てはめる」手法がよく取られていた。
本作もその例に漏れず、ゲームデザイン自体はオーソドックスなトップビューのアクションに基づいているが、その分「原作のどこまでをゲームにするか」で工夫と苦労があったようだ。
原作アニメ放送と同時期に生まれた作品
まず、発売時期がアニメ放送とほぼ同時進行だったため、原作の進行状況に制約があった。1986年11月時点で『ドラゴンボール』原作はレッドリボン軍編の途中、アニメは悟空がレッドリボン軍と戦っている辺りだった。
そのため、本作に登場する原作準拠のキャラクターやイベントは「牛魔王」や「メタリック軍曹」あたりまでという中途半端な範囲で、後半はどうしてもオリジナル要素が強くならざるを得なかった。
当初からゲームオリジナル展開を織り込む前提で企画が進められ、第3部(ステージ11~14)では鳥山明先生がゲーム用に描き下ろした敵キャラクターまで登場する。

例えば、宇宙一の殺し屋と恐れられるボス「クリリアン」や謎の軍団「M・B軍」の将軍は鳥山先生のオリジナルデザインで、本作のために用意された新キャラ。ユニークなのは、第3部に出てくる雑魚キャラの一部も鳥山先生自身の自画像(漫画家としての鳥山先生がよく描く簡略キャラ)をモチーフにしている点で、原作者自らがゲーム制作に協力して世界観を広げたという意味ではかなり贅沢な試みであった。
開発当時の逸話としては、ゲーム内容に対する集英社(原作サイド)の監修があったこともうかがえる。後年の座談会で語られた話だが、週刊少年ジャンプの名物編集者・鳥嶋和彦氏(鳥山明の担当編集)が初期のドラゴンボールゲームの出来に苦言を呈し、「作り直しに近い監修」を行った結果、発売が遅れたというエピソードがある。
それによってクオリティが上がり、原作出版社・東映アニメーションとのコラボも実現したとのことだが、この話はおそらく後年のPS2『ドラゴンボールZ』(2003年発売)の例を指しており、ファミコン時代の本作とは直接関係ないとか??
しかし、原作者サイドがゲームの品質向上に口を出す流れは既にこの頃から芽生えていたのかもしれない。実際、『神龍の謎』の発売が当初予定から延びたかどうかは定かでないものの、鳥山先生が自らキャラデザインを寄稿した点からも、原作愛に対するこだわりや監修の意向が感じ取れる。
また、本作の開発スケジュールや難易度調整にも触れておこう。
当時はファミコンソフト1本の開発期間が極めて短く、数か月程度で完成させることも珍しくなかった。そのためゲームバランスの細かなテストが十分でないケースもあり、特にキャラゲーでは「原作人気で売れるから多少難しくてもOK」という暗黙の了解すらあったと言われている。
『神龍の謎』も例に漏れず、想定プレイヤー(子供層)に対して難易度が高すぎた感があると現代のライターにも指摘されている。この理不尽な難しさについては後ほど詳述するが、裏を返せば「子供にそう簡単にクリアされたら悔しいから難しくした」という開発者の声(?)も当時のゲームにはままあり、本作もそんな“底意地の悪さ”を感じさせる部分がある。
いずれにせよ、原作の魅力をゲームで再現しつつ、自社の過去作品(あるいは他社のヒットゲーム)のエッセンスを借用して短期間で仕上げるというのが本作の開発コンセプトだった。
実際にプレイすると、「あ、このシステムどこかで見たことが…」と感じる場面もあるかもしれない。しかしそれを補って余りあるのが、鳥山明ワールドへのリスペクト。原作初期の冒険活劇のノリ、ギャグやお色気も含めた演出、コミカルなアイテム設定など、ファン心をくすぐる要素が随所に散りばめられており、当時の開発スタッフたちのサービス精神と遊び心が垣間見える。

余談だが、北米では本作は『Dragon Power』というタイトルで発売された。当時、北米では『ドラゴンボール』の知名度が低く商標上の問題もあったため、あえて原作色を隠したローカライズが行われた。
パッケージも悟空ではなくカンフー服の少年のイラストに差し替えられ、ゲーム内容もキャラクター名やグラフィックが別物に変更されている。例えば孫悟空はただの『Monkey Boy(猿の少年)』扱いになり、「パンティー」アイテムはサンドイッチに変更されるなど(さすがに海外でパンツを集める設定はマズいと思われたのだろう)、ユニークな改変が加えられた。
いわばドラゴンボールの皮を被った何かとして海外に出て行ったわけだが、その奇妙な内容は後に欧米のレトロゲーマーにもネタとして語り継がれることになる。このように本作の開発・発売には様々な舞台裏や時代背景があり、それらを知るとゲームへの見方もまた一段と深まる。
第3章:ゲームシステム・ジャンル・ステージ構成・操作と特色


トップビュー×サイドビューのハイブリッド構成
『神龍の謎』のゲームシステムは、一言で言えば、見下ろし型アクションRPG風のアクションゲーム。主人公の孫悟空を操作し、フィールド上で敵を倒しながら進んでいくトップビュー(俯瞰視点)のアクションステージが基本となり、各章の最後にはボス戦が待ち受けている。
特徴的なのは、ボス戦など特定の場面でサイドビュー(横スクロール)の格闘シーンに切り替わること。これはステージによって画面構成が変化する凝った演出で、当時のファミコンゲームでは『ゼルダの伝説』的な見下ろし探索と、『スーパーマリオブラザーズ』的な横アクションを組み合わせたような贅沢な作りだった。
説明書では各画面をユニークな呼称で分類しており、トップビューの移動シーンを「大移動的遊戯場面」、隠し通路の謎解き部屋を「神隠的秘密場面」、会話イベント画面を「漫画的会話場面」、ボス戦などのサイドビューを「大活劇的格闘場面」と中国風に称している。漫画の世界をゲーム内で再現する意気込みが、こうした言葉遣いからも伝わって来る。
3部構成のステージ展開

本作は全14ステージから成り、大きく3つの部(パート)に分かれている。各ステージは原作のエピソードになぞらえた章タイトルが付けられ、物語仕立てで進行して行く。
第1部「孫悟空と仲間たち」(ステージ1~6)
原作コミックス第1巻・第2巻に相当する最初のドラゴンボール探しの旅。
ステージ1「亀仙人との出会い」から始まり、ウーロン退治、ヤムチャとの遭遇、フライパン山での牛魔王、ウサギ団(兎人参化)との対決、そしてステージ6「ピラフ大王の野望」で最初のクライマックスを迎える。
ここでドラゴンボール7個が揃い神龍が出現。プレイヤーは用意された4つの願いの中から1つを選択できる。(※例えば「最大体力アップ」などゲーム進行を有利にする願い事ができ、これが後半の攻略に影響する。)。
原作ではここでウーロンが横入りして「ギャルのパンティーをくれ!」と願うオチだったが、ゲームではプレイヤーの選択に委ねられる形でオリジナル要素となっている。もっとも、願いの選択肢の中に「パンティーが欲しい」があったかどうか…それはプレイして確かめてみてください…(笑)
第2部「カンフー大会」(ステージ7~10)
悟空がカンフー大会に出場するという設定で、原作の第21回天下一武道会をモチーフにしている。ただし大会名や舞台は微妙に架空のものに置き換えられており、敵として登場する顔ぶれも独特。
ステージ7~10の各試合で悟空が戦う相手は、クリリン、ヤムチャまでは原作キャラだが、残り2名はなんとレッドリボン軍編のメタリック軍曹とブヨンが乱入している。(なぜ?!)
武道大会なのにロボット兵士や怪物がリング外で待ち構えるというむちゃくちゃぶりで、原作再現というよりゲーム的なお祭り展開。(お祭りゲーが好きな人には良いかも!)
特にブヨンは、本来は北の怪物・マッスルタワー内の敵だが、多林寺の会場に雪もないのに氷漬けで倒すという原作通りの攻略法を要求される。
ゲーム中にヒントは一切無いため、原作を知るファンほど「なぜ倒せたのか意味不明」と首をかしげる理不尽な演出だった。「天下一武道会の舞台なのにルール無用かよ!」と当時ツッコんだプレイヤーも多かったとか。それでもヤムチャやクリリンと対戦できるのはファンにとって胸アツで、第2部は武闘会編の雰囲気とゲームならではの意外性が楽しめる構成である。
第3部「MB軍総攻撃」(ステージ11~14)
ここからは完全オリジナルストーリーの幕開け。ピラフ一味との戦いから1年後、悟空は亡き祖父の四星球(スーシンチュウ)を探して宇宙へ旅立つ。
行く先々で襲い来るのが謎の軍団「MB軍」だが、その正体や目的はゲーム内でも詳細不明でまさに“謎”に包まれている。開発陣の遊び心なのか、MB軍の兵士には鳥山キャラらしいコミカルな敵が多数登場する。
宇宙クラゲのように泡をまとった甲殻類型の「バブラー」、インディアン風の恰好をした「ジャングル王ビンボ」など、どこか憎めないネーミングである (ビンボって…貧乏?)。
ステージ14で対峙するMB軍総帥との最終決戦は熱い戦いだが、クリアすると再びドラゴンボールが7つ揃い、エンディングで神龍に願いを叶えてもらって物語は大団円となる。
このように、本作は原作序盤の追体験(第1部・第2部)からゲームオリジナルのif展開(第3部)へと流れていく構成になっている。これは当時のファミコン漫画ゲーでは珍しく、原作に追いついてしまう問題への苦肉の策でもあったが、結果的に「1本で3本分のおもしろさ!(3部構成)」とうたわれるボリュームになった。
実際、14ステージをクリアするには相当の時間とテクニックが必要で、ファミコン初期の作品としては遊び応え十分。開発スタッフも「何が登場するかは、㊙️(ヒミツ)!!」と第3部の内容を伏せて宣伝しており 、当時のプレイヤーはワクワクしながらディープな後半ステージに挑んだことだろう。(筆者はリアルタイム世代を知らない)
基本アクションと戦闘システム

プレイヤーは主人公・孫悟空を8方向に操作し、攻撃の基本はパンチで。Aボタンで拳を繰り出し、目の前の敵を殴って倒して行く。
ただし悟空は素手だとリーチが極端に短く、何も考えず連打すると敵の反撃を食らいやすいクセのある仕様。そこで重要になるのが各種パワーアップアイテムの活用。
敵を倒すと時々ホイポイカプセルがポロッと落ちる。このカプセルに触れると中からアイテムが出現し、悟空がそれを取ることで様々な効果を得られる。アイテムの種類と効果は以下の通り。
- パワー・フード(骨付き肉/ケーキ)
- 体力回復アイテム。骨付き肉でパワー(HP)20ポイント、ケーキなら100ポイント回復します 。なぜケーキの方が肉より回復量が多いのか謎ですが、開発スタッフの好物だったのかもしれない…悟空の大好物といえば満月に変身する前のウサギ饅頭…ではなく満腹になるまでご飯!だが、さすがにご飯グラフィックは用意されず肉とケーキになったようだ。
- 如意棒(赤/黄)
- 悟空の代表的な武器である伸縮自在の棒。取得するとパンチが如意棒攻撃にパワーアップし、攻撃範囲が飛躍的に伸びる。赤い如意棒は攻撃力2倍&長リーチの強力な棒術となり、黄の如意棒では「棒術からまん棒」と呼ばれる回転攻撃が可能になる。
- ただし残念ながら次のステージへは持ち越せない消耗品扱いで、せっかく手に入れてもステージクリアすると素手に戻ってしまう(第2部では持ち越し例外あり )。
- なお、説明書では赤棒と黄棒の効果が逆に書かれていたりと若干混乱もあるが、ゲーム内では上記の通りと覚えておけばOK。
- かめはめ波(かめマーク黄/赤)
- 悟空の必殺技「かめはめ波」が撃てるようになるアイテム。亀マーク(甲羅の絵)の黄を取るとかめはめ波の弾数が3発分補充され、遠距離攻撃が可能になる。
- 赤い亀マークだと3連発のスーパーかめはめ波にパワーアップ 。スーパーかめはめ波は素手の20倍の威力で大抵の雑魚を一掃できる超火力だが、その状態だとかめはめ波の追加補充(黄マーク取得)ができなくなる制約もある。
- 緑の亀マーク=「パーフェクトかめはめ波」も説明書には載っているが、ゲーム中では特定イベント(カプセルハウス)で習得する扱いで直接ドロップしない。
- 筋斗雲(きんとうん)
- 天空を駆ける移動(ワープ)アイテム。取るとそのステージの後半エリアまで一気にワープできる。ただし出現場所が隠し部屋限定かつランダムなのでお目にかかる機会は少なく、さらにある条件下ではアラレちゃんが乱入してくるお楽しみ演出もある(詳しくは後述の裏技コーナーで)。
- パンティ
- 本作でもっとも有名(?)なアイテム。取ると一定時間悟空の移動スピードがアップ。画面上では悟空の足が残像で分身する「漫画走り」状態になり、爽快に駆け回れる。しかし、なぜパンツを拾うと速く走れるのか?原作ファンなら誰しもツッコミたくなる謎仕様で、「悟空はウーロン(変身能力でパンツ化できるブタ)の真似でもしてるのか?」なんて冗談も言われたという。
- ゲーム中の亀仙人が「アイツも隅におけんわい」と意味深にコメントしているが、真相は開発陣のみぞ知るところ。
- なお海外版『Dragon Power』ではさすがにマズいと判断されたのか、このパンティがサンドイッチに置き換えられている。白い三角パンツがひっくり返された形のサンドイッチ…と指摘されており、ローカライズ担当者も苦肉の策だったのだろう。
- いずれにせよ「パンツを取ると足が速くなる」のは本作オリジナル設定であり、のちのDBゲームには引き継がれなかった謎要素。
ライフ(パワー)制と難易度
時間経過でHPが減り続ける独特仕様
本作では残機(プレイヤー数)制ではなく、体力(ライフ)制が採用されている。画面上部に表示される「POWER」が悟空のライフで、初期値100・最大150(条件次第で最大250まで延長可能)。敵の攻撃を受けるごとにパワーが減少し、0になるとゲームオーバー。
ここまでは普通だが、本作の特徴は時間経過でも徐々にパワーが減っていく点。これは原作で「腹が減って力が出ねぇ…」と嘆く悟空の描写を取り入れたものらしく、常に空腹による体力減少と隣り合わせというスリリングな設定になっている。
つまりノーダメージで進んでいてもボヤボヤしていると餓死(?)してしまうため、回復アイテムの肉やケーキを運良く拾い続けないといけない。
難易度が高いと言われる理由
このライフ減少&ランダム回復システムが本作の難易度を大きく左右している。敵が必ずしも回復アイテムを落とすとは限らず、隠し部屋に配置されたカプセルからも敵が飛び出すハズレが混じっている。地形に隠されたホイポイカプセル部屋は場所を知らないと探すのが大変だが、見つけないとまずクリアは困難という重要度。
しかも運が悪いと隠し部屋でも肉すら出ず、ケーキなんて滅多にお目にかかれない……なんてこともあり得る。プレイヤーは常に「早く進まねば!でも回復出てくれ!」と焦燥感に駆られるため、スリル満点でありながら運頼みという独特のゲームバランスになっている。
ステージ11以降の鬼畜仕様とは?
極めつけは第3部(ステージ11以降)。舞台が宇宙空間に移るや否や、「酸素がないから」という理由でパワー減少速度が2倍になる。代わりに酸素ボンベなる回復アイテムが配置されるが、回復量は微々たるもので焼け石に水 。おまけに敵がカプセルを落とす確率も激減し、隠し部屋も少なく、出ても肉すら滅多に出ないという鬼仕様。さらにさらに、第3部ではコンティニュー(ゲーム中断からの再開)が制限される。
本作にはバッテリーバックアップやパスワードによるセーブ機能は存在しない。しかしゲームオーバー時にコンティニュー選択が可能で、ステージの最初からやり直すことで続きに挑める。
ただしステージ11~14でゲームオーバーになると、コンティニュー時は強制的にステージ11(第3部の冒頭)から再開となる。つまり11面以降はどこでやられても毎回ステージ11から出直しで、しかもライフ初期値100・最大150にリセットされてしまう(仮に神龍の願いでライフ上限を250にしていても戻る)。
さらに冒頭のステージ11では、先述の一撃死攻撃を持つ兎人参化がボスとして立ちはだかるため、コンティニューする度にヤツをまた倒さねばならないというおまけ付き 。まとめると、「ただでさえ回復出ない・体力減りまくりの後半で、最大HP減った状態に戻され、また鬼ボスからやり直し」という、開発者は「子供にクリアさせる気が無いのでは?😡」と思われかねない仕様になっている。
実際、この難関ぶりから当時「クリアできた人0人説」なんて冗談も飛び交ったほどだったとか? (もちろん実際には攻略した強者ゲーマーもいますが)。とある昔話では、ファミコンソフトの貸し借りをしていた子供同士で「お前どこまで行けた?」と攻略進捗自慢が盛り上がったとも言われる。
なにせセーブもパスワードも無いゲームだから、当時のプレイヤー達は自力で行けたステージ=腕前の証だった。現代の感覚で言えば鬼畜だが、こうした歯ごたえ抜群の難易度も当時のレトロゲームらしい味わいと言える。
とはいえ、序盤~中盤はアイテムも比較的出やすく、難易度カーブは緩やか。最初の壁とされるのはステージ3のヤムチャ戦が有名。ヤムチャは狼牙風風拳のコンボ(ジャンプキック→パンチ→キック)を高速で繰り出し、食らうと大ダメージな上に攻撃判定が残り続けるという強敵。さらにこのステージではヤムチャがドラゴンボールを盗んで蜂の巣だらけの部屋に隠す、2回来襲して妨害する、自分の部屋のカギまで隠す…と意地悪盛りだくさんで、ステージ1・2に比べて難易度が跳ね上がる。
原作で悟空(空腹状態)が初めて手こずった相手がヤムチャだったことを踏まえ「ゲームでも本気で潰しに来たな…」と感じた子も多かったはず。
しかし逆に言えば、次々現れる試練を試行錯誤で乗り越える楽しさが本作にはあると個人的には思う。ヤムチャ戦なら「素手では分が悪い→如意棒かかめはめ波を用意しよう」、兎人参化戦なら「触れたらダメ→離れて攻撃しよう」といった具合に、プレイヤーは自然と戦略を学んでいく。
厳しいパワー管理も、「隠し部屋の場所を覚えて肉を確保しよう」「神龍に願って最大体力を増やしておこう」など、何度も挑戦するうちに攻略法が見えてくる。まさに行けるところまで行くから一気に最後までクリアするへ成長していく過程が味わえるゲームであり、難しいながらも中毒性がある、と現在でも再評価されている。
第4章:原作「ドラゴンボール」との関連・再現度と相違点

どの原作範囲を扱っている?
本作は原作漫画『ドラゴンボール』の世界観・エピソードをベースにしているが、ゲーム独自の脚色や変更点も数多く存在する。ここでは原作とのつながりや違いについて見ていこう。
まず、カバーしている原作範囲は前述の通り第1巻~第4巻相当+α 。具体的には、悟空とブルマの出会いから始まる最初のドラゴンボール探索(ピラフ大王編の完結)までと、第21回天下一武道会序盤(クリリン初登場)あたりまでがゲーム内に登場する。
原作連載中の時点で利用可能なエピソードを一通り盛り込みつつ、足りない部分はオリジナルで補った形になっている。例えば、原作では悟空たちは最初の神龍召喚後、一年の修行を経て天下一武道会に参加するが、本作ではプレイヤーがそのまま大会編(第2部)に突入。ブルマやウーロンといった仲間も大会に引き続き同行している設定で、原作とは異なるメンバー構成で話が進む。
このような原作ストーリーの再構成は、当時の子供向けゲームではよく見られた手法で、遊びやすさ優先でエピソードをつなぎ合わせている。
キャラクターの再現度に関しては、グラフィックや演出の面白い違いが見受けられる。ファミコンというハード性能上、キャラの色数やドットは限られているが、悟空やブルマ、亀仙人など主要キャラは意外と特徴を捉えている。
特に亀仙人はドット絵再現度が高く、禿頭にヒゲ、亀甲羅姿がしっかり描き込まれて登場する。ただしミスもあり、亀仙人のグラフィックで本来首に下げているはずのドラゴンボール(三星球)が描かれておらず、ブルマが「あのドラゴンボール(四星球)、おじいちゃんの形見なの!」と訴える場面が意味不明になるというお茶目な抜けも… 。
カットされた名シーン/改変された設定
原作の名シーンの再現については、微笑ましいアレンジが随所にある。例えば、悟空一行がフライパン山で消火活動の見返りに亀仙人から「ブルマのパンツを見せてくれ」と要求される場面。漫画ではブルマがノーパンだったハプニングも相まって読者の性の目覚めを誘った(?)名場面だが、ゲーム版ではさすがに映像化できず、代わりに「6つのパンティーが亀仙人の周りを舞う」という超シュールな演出に差し替えられている。
要するに亀仙人の願い(パンティー見せろ→パンティー6枚召喚)を叶えたという体裁だが、子供心に「あのお色気シーンが何かおかしいぞ?」と感じた人も多かったはず。さらにその後のパフパフ(胸を使ったご奉仕)も、ゲームではテキストで「○○してあげた」程度にお茶を濁すのみで、ビジュアル的な表現は回避されている。このようにお色気要素や過激な部分はマイルドに改変されており、親御さんも安心(?)の内容になっている。
他にも、ブルマのキャラクター描写はゲーム独自のコミカルな演出が加えられている。会話シーンでブルマの顔グラフィックは表情豊かにコロコロ変化し、(^O^)と大笑いしたり(゚o゚)と驚いたりする様子が可愛らしく描かれている。
極めつけはあるステージで、ブルマを助けにボス部屋に向かう際に時間をかけすぎると、ブルマが勝手にマシンガンを乱射して敵を蜂の巣にした上に悟空のHPまで削ってくるという場面。原作には無いオリジナルギャグだが、「足手まといヒロインと思いきやキレると怖いブルマ」をうまく表現していて、小学生たちは爆笑すると同時にビックリしたとか。
なお肝心のブルマの恋路については、ゲーム中では「彼氏を作る」という願望も語られず、ヤムチャとの恋仲エピソードも特に触れられていない。ストーリー進行上省略されたのか、プレイヤー悟空の活躍を主軸に据えるため余計な要素は入れなかったのだろう。
敵キャラクターの扱いにも細かな違いがある。原作序盤の悪役であるピラフ大王は、第1部のラストボスとしてしっかり登場。しかし結末は原作と異なり、ピラフが神龍に願う前に悟空が倒してしまう形に。
原作ではウーロンがパンティーを願って神龍消滅→大猿悟空で城破壊という流れだったが、ゲームでは神龍召喚=プレイヤーの願いイベントになるので、ウーロンの活躍はカットされている。そのウーロン自身も、ゲーム中では一応ステージ2のボス(ウーロン退治)で登場する他は、ストーリー上ほぼ空気。
ちなみにウーロンがいなくてもパンティーが大量に出てくるゲームなので、ある意味ウーロンの役目はアイテムに取って代わられたのかも…?(合掌)。
クリリンについては原作では悟空の親友であり天下一武道会で初合流するが、本作では大会編ステージ7の対戦相手として戦うことになふ。しかも「クリリアン」なるクリリンに似た名前の殺し屋が第3部に出てくるため、初見時は子供たちも「クリリンが敵になったの!?」と混乱したとか。実際はクリリアン=鳥山先生デザインのオリジナル敵であり、クリリン本人とは無関係。名前が似ているのはシャレでしょうが、ネーミングの真意も含めて謎であった。
最後に、本作最大のオリジナル要素であるMB軍について触れよう。MB軍とは一体何なのか?結局ゲーム中で明かされることはない。ネット上では「Mysterious Brigade(謎の部隊)」の略ではとか、「Monster Band」かも?など憶測もあるが、確証はない。
強いて言えばピラフ軍やレッドリボン軍に続く第三の敵勢力として、当時の子供に新鮮な驚きを与えた存在だった。鳥山先生のデザインしたM・B軍将軍は、どことなくピラフと桃白白を足して割ったような風貌で、一度見たら忘れないインパクトがある。
原作漫画でも後にフリーザ軍や宇宙の戦士たちが出て来るが、本作はそれに先駆けて悟空を宇宙で戦わせる展開をやってのけた点で、ある意味先見の明(?)があったのかもしれない。
総じて、本作は原作へのリスペクトとゲーム独自アレンジのバランスが取られた作品と言える。主要なエピソードはなぞりつつ、ゲームならではの展開やギミックでユーザーを飽きさせない工夫が凝らされている。
原作ファンからすれば「こんなの原作じゃありえない!」という展開も、当時は「ゲームだから仕方ない」と受け入れつつ楽しんでいた。むしろ鳥山明が描いた幻の敵キャラに会えるのはゲームだけの特権であり、子供心に「これはこれで公式の番外編だ!」と胸を躍らせたものである。
第5章:ユーモア・裏技・当時の話題、知っておくと楽しい豆知識集
本作には、当時話題になったユーモラスな要素や隠しネタがたくさんある。このセクションでは、当時のファンの間で語られた裏技や小ネタ、パッケージ・CMにまつわるトリビアを紹介しよう!
パンティー7枚でアラレちゃん乱入?!

まずは有名なアラレちゃん出現の裏技です。これは当時コロコロコミックなどでも紹介された小ネタで、『Dr.スランプ』の則巻アラレがゲーム中にカメオ出演する。
やり方は簡単、パンティーを7枚集めてから筋斗雲に乗るだけ 。うまく筋斗雲の出る隠しカプセルを引き当て(これも運だが…)、乗ってワープすると、なんと画面後方からアラレちゃんが雲に乗って追い抜いてい来るのだ。
彼女はあっという間に画面外へ去って行くが、その無邪気な笑顔とともに「キーン!💨」という効果音まで鳴る演出に、当時プレイした子供たちは大興奮したという。
原作ドラゴンボールでもアラレちゃんはペンギン村で悟空と共演しており、「心の清い良い子だから筋斗雲にも乗れる」設定がある。まさにそれを踏まえたファンサービス的な裏技と言える。
パンティー=7枚=ドラゴンボール7個をもじった遊び心もニヤリとさせられる。当時はまだ攻略本やネットもない時代、この情報を友達から聞いて実際にアラレちゃんを見たときの感動はひとしおだったのだろう。
その他の隠し要素とテクニック
裏技として他にも、ポーズ中に特定コマンド入力でライフ全快といった隠しコマンドが存在する。これは近年発売された『ニンテンドークラシックミニ ファミコン 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン』に収録された際に公式公開されたもので、いわゆる「カカロットコマンド」と呼ばれる入力を行うと、回数限定で悟空の体力を満タンにできる救済技。
当時のROMには既に仕込まれていた未使用コマンドらしく、制作者側も「さすがに難しすぎたか」と内心思っていたのかもしれない。現代ではエミュレータや復刻版でこうした封印されていた裏技が発掘されるのも面白い。
他にスコア表示をバグらせる技や隠し部屋の特殊パターンなどマニアックな小ネタも報告されているが、文章量の都合で割愛。(既に13,000字超えの大ボリューム)いずれにせよ本作は隠し要素の宝庫であり、遊び倒したファンほど語れるネタが豊富だった。
パッケージや特典、CMの豆知識

パッケージについてのトリビアも存在する。
箱絵には悟空が幼少期の青い道着(亀仙流に入る前の服)姿で描かれているが、ゲーム中の悟空の服はオレンジ色。しかも背中の亀マークも無いオリジナル衣装という微妙な違いがある。
これはゲーム開発中に悟空の公式コスチューム(亀仙人の道着)が決まっていなかったためとも言われいるが、実際のところは不明。結果としてパッケージとゲーム画面で悟空の色が違うというちょっとした矛盾が生まれた。子供の中には「なんでパッケージの悟空は青いの?」と疑問に思った人もいたようだ。

また、発売当時の特典キャンペーンもユニークだった。ゲームに封入されたチラシに応募券が付いており、第1部6章(ステージ6)の最後に登場する神龍の写真を撮って送ると、抽選で2000名に「ドラゴンボールマル秘巻物攻略本」がプレゼントされるという企画があった模様。題して「神龍を探せ!!キャンペーン」 。
これは第3部の攻略が載った巻物型の非売品ガイドブックだったようで、当たった子は大喜びだったことだろう。当時は今と違い画面写真を撮るのもひと苦労(インスタントカメラでテレビを撮影?)であったと推測できるが、親に頼んで頑張って応募したファンもいたかもしれない。こうした企画一つとっても、子供心をくすぐるワクワク感があったと言える。
テレビCMに関しては先ほど触れたが、余談としてナレーションを務めた来宮良子さんは『ゲゲゲの鬼太郎』などでも有名な女優・声優で、当時ファミコンCMでは常連の一人だった。彼女の重厚な語り口がゲーム映像と相まって、短いCMながら妙に印象に残る出来栄えでした。
YouTubeなどで検索すると当時のCM映像が見れるので興味があればチェックしてみると良いだろう(悟空役の野沢雅子さんによる「か~め~は~め~波~!」のボイスも入っていて必聴です)。
当時の論争・噂話
発売当時、子供たちの間では本作をめぐっていくつかの噂話や論争もあった。例えば「MB軍って何の略?」問題。
前述の通り答えは出ていないのだが、「もしかしてマッスルボール軍(筋肉玉?)とか?」「鳥山明だからマンガ・ボンバー軍だ!」なんてトンデモ推理が学校の校庭や屋上で飛び交ったとか。
また「クリリアンはクリリンの兄弟?」説も子供の想像をかき立てた。実際は宇宙人の殺し屋なので無関係なのだが、「クリリンの親戚が敵になるなんてひどい!」と本気で思った子もいたようだ。こうした自由すぎる子供の会話も、当時ならではの微笑ましい光景である。
もう一つ、本作の難易度の高さは当時から話題だったようで、ファミコン名物の高橋名人(連射名人で有名なあの人)も雑誌か何かで「かなり手強い」とコメントしていたという逸話がある。
真偽は定かではないが、少なくとも「クリアした」「してない」論争はクラスでしばしば発生したという。ある子は「自力で最後まで行った」と豪語し、別の子は「ウソだ!11面から無理だろ」とツッコミ、証拠にエンディングの写真(もちろん撮れないので口頭の内容説明)を求める…なんてやりとりも。当時のゲーム少年たちにとって、本作攻略は一種のステータスだったとも言える。
さらに、大人の間でも少し論争があったようだ。それは「漫画原作ゲームの難易度調整」に関する意見で、「子供向けなのに難しすぎるのは問題では」という批評も一部雑誌に載ったとか。
しかし一方で「これくらい歯応えがある方が燃える」というポジティブ派もいて、評価が割れていた側面がある。
結局、次回作『ドラゴンボール 大魔王復活』(1988年)はジャンルをボードゲームRPG風に変え、難易度もマイルドになっていく。その背景には「『神龍の謎』への反省点があったんだろう」と現代の分析記事でも推測されている。
例えば、ファミコンの性能ではドラゴンボールの超高速バトルをアクションで再現するのは難しく、無理にアクションにこだわらずカードゲーム方式に舵を切ったのでは…という指摘。確かに、悟空の如意棒アクションやかめはめ波を当時の技術で表現するには限界があり、ゲーム性と原作再現のジレンマがあったのかも??本作はその試行錯誤の第一歩だったのかもしれない。
第6章:現代の評価、レトロゲームファンからの視点
発売から約40年近く経った現在、本作はレトロゲームの名作(迷作?)としてどのように評価されているのでしょうか。結論から言えば、評価は賛否両論である。しかしそれは決してネガティブな意味ではなく、記事やSNSを見ると「思い出補正込みで愛すべき作品」というニュアンスが強いように感じる。
まず、当時子供だった世代にとっては、本作は青春の一ページであり懐かしさ満点のタイトル。レトロゲーム好きが集まる掲示板や動画配信では、「あの頃クリアできなかったけど今リベンジしたい」「オープニングの曲を聞くとワクワクが蘇る」といった声が多く見られる。
とりわけ音楽や効果音に懐かしさを覚える人が多く、ファミコン独特のピコピコ音で奏でられるドラゴンボールの世界は、今聞いても味わい深い。
実は後年の『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』(ニンテンドーDSリメイク版)などにも、本作のBGMがアレンジされて隠し曲として収録されるなど、サウンド面はひそかに評価されている。
一方で、ゲームそのものの完成度についてはやはり辛口な意見もある。例えば、レトロゲームのレビューサイトでは「総合評価: 普通(平均点付近)」という位置づけで、名作とも言い難いが駄作とも言い難い…とされている。
具体的な指摘としては、「キャラゲーによくある運任せ要素がストレス」「後半の難易度がバランス崩壊気味」「原作知らない若い人には理不尽に感じるだろう」といったものである。特にライフ減少と回復運ゲーのシステムは、現代のユーザーには厳しく映るようで、「開発者がクリアさせる気ないだろこれ!😡」という声も冗談まじりによく聞かれる。
またグラフィックもさすがに今の基準で見るとチープで、悟空の髪型一つとっても「カニみたいで珍妙」とツッコまれたりする。
しかし、現代だからこそ楽しめるポイントもある。それは本作が持つレトロならではの味。例えば上述のパンティーやお色気ネタは、現在のゲームではまずお目にかかれないゆるさで、「こんなユルくて大丈夫か!?」と逆に新鮮に映るかもしれない。
実況系の配信者が本作をプレイすると、そういった昭和的ギャグ要素に突っ込みを入れたり、容赦ない難易度にリアクション芸を見せたりして、視聴者と一緒に盛り上がるのがお約束。実際、ニコニコ動画やYouTubeには「運が悪ければ即死ゲー」「未だに謎な神龍の謎」といったタイトルで本作をネタにした動画が投稿され、数十万回再生された例もある。(この記事を書く際に検索しまくった笑)
また、レトロゲームコレクターの間では前述の復刻版なども含め、本作は今なお注目のアイテム。幸いゲーム自体はそんなに長くない(慣れれば1~2時間程度で全クリ可能)ので、週末に腰を据えて挑戦するレトロゲーとして程よいボリュームかもしれない。
総合すると、現代の評価は「ドラゴンボールゲーム史の原点として価値ある一本」という位置づけである。確かに粗削りで難しい部分は多々あるが、それ以上に原作愛と当時のゲーム魂が感じられる佳作であり、ドラゴンボールファンなら一度は体験して損はない。
何より、本作がなければ後の『大魔王復活』や数々のドラゴンボールゲームシリーズは生まれなかったわけで、その功績は計り知れないものがある。
実際、発売から30年以上経った2020年代になっても公式コラボTシャツやピンズが発売されたり 、雑誌のレトロゲーム特集で取り上げられたりと、その名前がちらほら表に出てくるのを見ると、ファンから愛され続けていることが分かる。
あとがき
最後に、本記事を読んで興味を持たれた方へ。もし機会があれば、ぜひ実際にプレイして欲しい。
今のゲームにはない不便さや大雑把さもあるが、それらも含めて「これが80年代のゲームか!」と楽しめるはず。
悟空を操作して最初のドラゴンボールを手に入れた瞬間、きっとあなたも子供の頃の冒険心を思い出すことでしょう。そして、できれば隣にパンティーを7枚並べておき、筋斗雲ゲットに備えてみてください。画面に現れるアラレちゃんを見たとき、きっと思わずニヤリとしてしまうはずだ。


