オーキド博士(オーキドはかせ)は、初代『ポケットモンスター赤・緑』から登場するポケモン研究の権威であり、マサラタウンに住むポケモン博士。
ゲーム冒頭では『ポケモン博士』として皆から慕われる存在と紹介されており 、ポケモン世界で知らぬ者はいない有名人。
穏やかな笑顔と白衣がトレードマークの老人で、一見すると物知りで頼もしい祖父的キャラクターだが、物語を進めるにつれてどこか抜けた愛嬌やプレイヤーをクスッとさせる言動も垣間見える。
この記事では、そんなオーキド博士の人物像やゲーム・アニメでの役割、続編シリーズでの活躍、さらにファンから愛される理由やユーモラスなエピソードまで詳しく解説して行く!
『オーキド博士』とはどんな人?

人物像・性格と役割
オーキド博士はカントー地方マサラタウンの「オーキド研究所」にてポケモンの研究をしており、その分野で世界的に名を知られた第一人者。過去にポケモンのタイプ別分類法を提唱したとされ、学会でも高く評価される権威でもある。
ゲーム中の設定では「ポケモンのことなら何でも知っている」かのように語られる存在で、実際に彼自身もハイテクな携帯図鑑『ポケモン図鑑』の発明者として知られている。
また若い頃には自身で各地を旅してポケモン図鑑の完成を目指した元ポケモントレーナーでもあり、生涯の夢はすべてのポケモンを記録した完璧な図鑑を作ることだった。
そのため初代『赤・緑』では主人公たち少年少女に自らの夢を託し、図鑑の完成を依頼する重要人物となっている。
もっとも、人柄は終始真面目一辺倒というわけではなく、年相応のお茶目さや天然ボケも持ち合わせている。実はオーキド博士、シリーズ冒頭で威厳たっぷりに世界観を語る一方で、身内のこととなるとポンコツ気味。なんと自分の孫の名前すらど忘れしてしまう場面があるのだ。
えーっと、名前(孫の)はなんだったかな?
プレイヤーがライバル(孫)の名前を入力できるゲーム上の都合とはいえ、「ポケモンの権威」と言われる博士がお孫さんの名前を忘れるというギャップには、多くの子ども達が当時ツッコミを入れたことだろう。
もっとも本人は飄々としており、「まあまあ、そういうこともあるじゃろう」とでも言いたげなマイペースさです。この抜けている部分もオーキド博士の愛されるゆえんなのかもしれない。
そんなユーモラスな一面もあるが、基本的には好奇心旺盛で優しい人格者である。研究者としては冷静沈着で洞察力が鋭く、ポケモンやトレーナーを見る目は確か。実際、カントー四天王のキクコとは若き日につばぜり合ったライバル関係であり 、かつてはかなりの腕前を持つポケモントレーナーだったことが示唆されている。
またオーキド博士は各地方の研究者達とも親交が深く、シンオウ地方のナナカマド博士はオーキドの先輩、ジョウト地方のウツギ博士は元助手という設定もある。
このように人脈も広く顔が利くことから、ゲーム内外で「ポケモン界の生き字引」的な立ち位置を確立している。
『ポケットモンスター 赤・緑』での役割

ゲーム初代『赤・緑』(1996年発売)において、オーキド博士は物語の案内役兼冒険の後見人として登場。物語開始直後、プレイヤーは博士からこの世界がポケモンという不思議な生き物でいっぱいであることを教えられ、簡単な操作説明を受ける。
続いてプレイヤー自身とライバル(博士の孫)の名前を聞かれるが、ここで前述の通り博士は孫の名前を「ど忘れした」という体でプレイヤーに名付けさせるのがお約束。
マサラタウンで主人公が草むらへ出ようとすると突然現れ、ポケモンに襲われる危険を説いて自宅兼研究所へ誘導する。そして主人公とライバルの二人に対し、3匹の中から最初のポケモンを1匹ずつ選ばせてプレゼントする。ここで貰えるフシギダネ・ヒトカゲ・ゼニガメ(『ピカチュウ』版ではピカチュウ)の3匹はいわゆる『御三家』と呼ばれ、以降のシリーズでも恒例となる要素となった。
(筆者はいつもヒトカゲを選んでおりました…お前たちは?!)
ポケモンを渡したオーキド博士は更に、自ら発明した『ポケモン図鑑』を主人公とライバルに託し、「見つけたポケモンのデータが自動で記録されページが埋まっていく」最新ガジェットだと説明する。
数々の有名なセリフ集
そして有名なセリフ、
これはポケモンの歴史に残る偉大な仕事じゃー!
と共に、図鑑完成という偉業に挑むことを二人に提案する。いわば博士は冒険の目的(図鑑完成)を与える使命を担っており、主人公は「ポケモン研究のため世界中のポケモンを集める」という大義名分のもと旅立つことになる。
プレイヤーにとっては物語の師匠ポジションと言える。
その後、主人公がゲーム中でオーキド博士と直接会う機会は多くはない。博士自身は基本的にマサラタウンの研究所からいっっっさい外に出ないのだ。
しかしプレイヤーがパソコンを使うと、図鑑の完成度に応じて博士がコメントしてくれるというユニークな演出もあり、いつでも陰ながら成長を見守ってくれている存在である。
またゲーム中「たいせつなもの」を誤って使用しようとすると、突然「オーキドの声」が頭の中に響き、
こういうものには使いどきがあるのじゃ!
と注意される演出も初代から有名。いついかなる時も孫弟子の行動を監視し指南してくれる(?)博士の姿に、「テレパシーでも使えるのか」「やっぱり只者ではない」と子ども心に驚かされたものである(同時に「放っておいてくれ!」とツッコミを入れたプレイヤーも多いかもだが…)。
物語終盤、ポケモンリーグでのチャンピオン戦にてライバル(グリーン)を打ち破ると、そこにオーキド博士本人が駆けつけて来る。チャンピオンの座に就いたばかりの孫が負けて悔しがる中、博士は彼に対して、
お前はポケモンへの愛情が足りなかった
ことが敗因だと静かに諭す。
孫にとっては図星を突かれた格好だが、一方で博士は主人公のポケモンたちを労い、その健闘を称えて殿堂入りの手続きをしてくれる。
バトルに敗北した孫に「負けたからもう用はない」と言わんばかりのあっさりスルーぶりも相まって、孫に対する扱いの雑さはプレイヤーから見てもコミカルなシーンが見れる。
孫のグリーンにとっては踏んだり蹴ったりだが、そんな厳しさと飄々とした態度も含めてオーキド博士という人物のキャラクター性が強く刻まれた場面と言える。
こうしてゲーム本編を通じて主人公を陰ながら支え、時に導いてくれたオーキド博士だが、彼の果たした役割は単に初代のストーリー内に留まらない。
オーキド博士が確立した「冒険のはじまりに博士からポケモンと図鑑を託される」というフォーマットは、その後のシリーズ作品全般の定番テンプレートとなった。
以降の続編でも各地方ごとに新たなポケモン博士が登場し、主人公に最初のポケモンと図鑑を与えるのが通例となっている。言うなれば、オーキド博士は全ポケモンシリーズの「物語の父」的存在であり、この人物無くしてはプレイヤーの冒険が始まらないと言っても過言ではない。
幻の『オーキドせんせい』
ちなみに開発上の余談として、初代『赤・緑』のゲームデータには本編中で戦う機会のない「オーキドせんせい」という没データのトレーナーが存在していることが後年判明している。
そこにはオーキド博士本人のドット絵と共に、主人公とライバルが選ばなかったポケモン(御三家の残り1匹)など高レベルの手持ちが設定されており、隠しボスのようなデータが仕込まれていた。
公式に陽の目を見ることはなかったが、「もしかするとチャンピオン撃破後、真の最後の試練として博士と戦う構想もあったのでは?」とファンの間で噂される興味深いトリビアである。もし実現していれば、老練な博士がどんなバトルを見せてくれたのか想像が膨らむ。
続編シリーズでのオーキド博士
初代『赤・緑』で強烈な印象を残したオーキド博士は、その後のシリーズ作品にも様々な形で登場したり言及されたりしている。
直接主人公に関わる立場からは退くが、カントー地方の大御所研究者として各作品に顔を出し、存在感を示している。ここでは主な続編ゲームにおけるオーキド博士の描写を振り返ってみよう!
第2世代『金・銀・クリスタル』

舞台がジョウト地方に移った本作でも、オーキド博士は序盤から健在。
ゲーム開始直後、突然現れて時刻設定や主人公の名前登録に付き合ってくれる。
その後、新人研究者のウツギ博士(オーキドの元助手)が主人公にポケモンを渡すが、『ポケモン図鑑』は引き続きオーキド博士から託される展開になっている。
主人公が図鑑を受け取った後、博士は「これからラジオ番組の収録がある」と言って一旦去っていく。実は『金・銀』ではカントーに戻った後に、オーキド博士がパーソナリティを務めるラジオ番組『📻オーキドはかせのポケモン講座』を聴くことができ、ゲーム内で博士の声が流れる演出が盛り込まれていた。
筆者が子供の頃、このラジオの要素がリアルで非常に好きで、同じ内容の繰り返しなんだけど、ずっと聞いておりました…笑
物語終盤には、カントー地方のジムバッジをすべて集めた主人公に対し、博士がマサラタウンで「シロガネやまへの道」を開通させてくれる。
これは最強のボス「レッド」(前作主人公)への挑戦権を与える重要なイベントであり、シリーズを通して博士が陰ながら主人公の成長を支えてくれていることを感じさせる場面だった。
また、本編では明言されていないが、ジョウト地方で新種のポケモンが100種発見されたことに伴い、オーキド博士がかつて「ポケモンは150種類いる」と学会で発表していたというエピソードも語られている。
彼が予想した以上にポケモンは奥深く、新種は次々見つかる──そんなポケモン学の発展を、自らの予測のアップデートという形で体現したのも興味深い。
第3世代リメイク『ファイアレッド・リーフグリーン』

初代『赤・緑』のリメイク作品でも、もちろんオーキド博士が冒険の案内役を務める。
基本的な役割・台詞はオリジナルと同じだが、新たに殿堂入り後のイベントが追加された。全国図鑑モードへのアップグレードである。
カントー図鑑(初代ポケモン150種)完成後、博士に報告すると「最近になって新しいポケモンが続々発見されている」と教えられ、図鑑が全国版に拡張される。
これは当時すでに第3世代までで386種のポケモンが存在していたための措置だが、物語内でも博士自ら新発見を認めて図鑑を更新してくれる流れは、研究者としての柔軟さと情熱を感じさせるものである。
「まだ見ぬポケモンは世界にいくらでもいる」という博士の言葉は、当時のプレイヤーにとって新たな冒険へのワクワクを掻き立ててくれた。
第5世代『ブラック・ホワイト』
これらの作品では、それぞれホウエン地方、イッシュ地方が舞台となり、現地の新しい博士(オダマキ博士、アララギ博士など)が主人公を導くため、オーキド博士本人は直接登場しない。
しかし彼の存在が忘れられたわけではなく、NPC(モブキャラ)の会話中で「カントーのオーキド博士」の名前が出たり 、本編に登場しない代わりにカードゲームやイベントで顔を見せるなど、その知名度はシリーズを通して健在。
例えば『ブラック2・ホワイト2』では殿堂入り後に博士から図鑑評価のメールが届いたり、クリア後要素で登場する過去作キャラクター達から名前が言及されたりしている。各地方の博士が代替わりしていっても、「ポケモン博士と言えばオーキド」のイメージはプレイヤーの中で根強く残り続けた。
第4世代『ダイヤモンド・パール・プラチナ』

シンオウ地方が舞台の本作では、オーキド博士はある条件を満たすと姿を現す。シンオウのナナカマド博士(オーキドの後輩という設定)の研究を手伝うため、ゲームクリア後に主人公と対面しに来る。
具体的には全国図鑑入手後、ハクタイシティで話しかけると図鑑完成度を評価してくれたり、通信交換に必要な道具「アップグレード」を譲ってくれたりする。
また当時配信イベントだった「オーキドのてがみ」を受け取ることで、伝説のポケモン・シェイミに出会う特別なシナリオも用意された。
ゲーム内の図鑑説明では「“ポケモンのいるところオーキドあり”と謳われる世界的に有名な博士」との言及もあり 、カントー以外でも彼の名声が知れ渡っていることが伺える。シリーズを超えて世界を飛び回る大物研究者として、存在感を示した例と言える。
第7世代『サン・ムーン』

アローラ地方が舞台の本作には、オーキド博士本人は登場しないものの瓜二つの人物が登場する。
その名も「ナリヤ・オーキド」。ユキナリ(オーキド博士)とは従兄弟の関係で、肌が日焼けして南国風になった彼はアローラ地方でリージョンフォーム(地方変種)のポケモン研究をしている。
喋り方や容姿もまるでオーキド博士本人が南国出張に来たかのようで、ファンサービス的なキャラクターだった。アニメ版ではスクール校長を務めている。
声優もオーキド博士と同じだったため、日本のファンには「中身まで同一人物なのでは?」とツッコミを入れられたほど。ナリヤ博士の登場は、シリーズ20周年を迎えた作品で改めてオーキド博士の存在を想起させる演出でもあり、長年のファンには思わずニヤリとさせられる要素だった。
その他では、対戦ゲーム『ポケモンスタジアム』シリーズ(64版)では研究所モードでナビゲーターを務めたり、コミュニケーションソフト『ポケモンスナップ』では主人公トオルにポケモン写真撮影を依頼する研究者として登場し、写真の評価も行っていた。
『ポケモンマスターズ』に関しては知らん!笑
アニメでの活躍

テレビアニメ『ポケットモンスター』シリーズ(1997年開始)第1話「ポケモン!きみにきめた!」から登場。主人公サトシがマサラタウンで旅立つ際にピカチュウを託した恩人であり、以降もサトシの良きアドバイザー兼マスコット的存在としてシリーズを通して登場。
アニメ版のオーキド博士はゲーム以上に親しみやすくユーモア溢れるキャラクターとして描かれており、声を担当した石塚運昇さんの名演も相まって、多くのファンに強い印象を残した。
アニメで特筆すべきは、エンディングやアイキャッチで挿入される「オーキド博士のポケモン講座(ポケモン川柳)」だろう。毎回オーキド博士が登場して、あるポケモンにちなんだ五七五の川柳(せんりゅう)を披露するミニコーナーは、当時のお茶の間を和ませる名物コーナーだった。
「〇〇じゃよ~」という語尾の柔らかい口調とともに繰り出されるダジャレや川柳は、博士の茶目っ気とサービス精神が存分に発揮された場面である。真面目な学者でありながらお笑いも忘れないこのキャラクター付けに、子どもながら「博士って面白い!」と思った視聴者も多かったはずです。
筆者は今、この記事を書きながら懐かしくなりすぎて号泣しそうである笑
物語本編においても、オーキド博士はサトシの師匠兼後援者として描かれている。基本的にはマサラタウンの研究所に常駐し、ビデオ電話や通信越しにサトシへアドバイスを送ることが多いがシリーズによっては博士自身が各地に赴くこともある。
例えばジョウト編以降、ポケモン交換システムの解説役で他地方を訪れたり、劇場版や特別編では若き日のオーキド博士(ユキナリ少年)が冒険するエピソードも描かれた。
中でも印象的なのは、サトシの母・ハナコ(花子)との交流が示唆される場面だろう。BWシリーズ開始前には、サトシとハナコ、オーキド博士の3人で一緒にイッシュ地方へ旅行していたという設定があり(第1話で飛行機から降り立つシーン) 、視聴者から「いつもサトシのママと一緒にいる博士」という目で見られることもあった。
実際ネット上でも「なぜかサトシの母親といつも行動を共にしている」とネタにされることがあり 、このあたりも含めてアニメ版オーキド博士はどこか人間くさくコミカルなキャラクターとして親しまれている。
アニメの設定ではオーキド博士は55歳とされている。(2011年の映画舞台挨拶で声優の石塚氏がコメント)。ゲームのイメージより若干若い印象だが、確かに白髪とはいえ眉毛は黒く、老け込み過ぎていない雰囲気もある。
年齢設定に関しては諸説あるが、少なくとも50代半ばであれだけ精力的に研究し全国を飛び回っているのは驚異的。サトシの旅立ち当初から今までほとんど容姿が変わらないあたり、フィジカルも含めてタフな人物と言える。
ちなみにアニメ版での孫は「シゲル」と名付けられており、これはゲーム版のデフォルト名候補「シゲル」に由来している(任天堂の宮本茂氏の名前から取られたとも言われます)。
ゲームでプレイヤーが自由に名付けたライバルに対し、アニメではちゃんと固有名が設定されたことで、ゲームとはまたひと味違う孫と祖父の関係性が描かれている。
ツッコミどころ満載!?オーキド博士のユーモア

孫の名前を忘れる事件
なんと言っても有名なのがこれ。初代ゲーム冒頭で博士は自分の孫を紹介しようとして「えーっと、こいつの名前は…なんだっけ?」と真顔で忘れてしまう。
プレイヤーにとってはライバルの命名イベントだが、作中の見た目上は祖父が実の孫の名前をド忘れしているシュールなシーンである。
当然子ども心にもツッコミ不可避で、ネット上でも「ボケてるやろこいつ」 とネタにされているが、それでいて博士本人は全く悪びれる様子もなく、マイペースに孫の未来を託してくるのですから、その図太さ(?)に逆に大物感すら漂っている。
図鑑の権威なのに情報が古い?
オーキド博士は初代当時「世界には150種類のポケモンが存在する」と公言していた。しかしその後ジョウトで新種が見つかり、さらに各地方で次々発見が相次いだ結果、現在判明しているポケモンは1000種類を優に超える。
「150種類」という博士の発表は良くも悪くも外れてしまったわけだが、ファンの間では「まあ当時は未知が多かったし仕方ない」と擁護する声もあれば、「カントーのおじいちゃんはカントーのポケモンしか知らなかったんだな」とイジる声もある。
いずれにせよ、後続シリーズで世界が広がるにつれ初代設定との齟齬が生まれてしまったのはご愛敬。博士自身は新発見を否定せず受け入れているため、むしろ柔軟な学者と言えるが、それでも「151匹目のミュウを知らなかったのは研究不足では?」などとネタにされたりもする。
性別すら見分けられない?
第1世代当時、ポケモンにはオスメスの概念がなく(第2世代で追加された設定)、ピカチュウの尻尾の形の違いなど性差による見た目の違いも知られていなかった。
そのためファンからは「博士はポケモンのオスメスの違いも分からなかったのでは?」とからかわれることもある。
もっとも初代で唯一オスメスが区別されていたニドラン♂・♀については別種扱いしており、「他のポケモンも性差があるとは考えず別種と判断したのか」とツッコまれる始末。
こうした揚げ足取りも含め、シリーズ黎明期ゆえの知識不足や認識の甘さをファンからネタにされてしまうのもオーキド博士の宿命かもしれない。
「博士」と呼ばれるけど本当は…?
そもそも「オーキド博士」と敬称で呼ばれているが、学位や職位について公式設定は明確ではない。
関連書籍では「タマムシ大学・携帯獣学部の教授」なる経歴も書かれたことがあるが、ゲーム本編に大学は登場しないため詳細は不明。
ただ少なくともカントー地方で博士号を持つ研究者であることは確かで、各地のジムリーダー達やポケモントレーナーから一目置かれる存在ではある。
たまにSNSなどで「博士って言うけど、この人ほとんどフィールドワークせずに人に仕事押し付けてない?」とツッコまれることもあるが、それを言っては身も蓋もない。権威というものは往々にして実働部隊が支えているかもだし(?)、優秀な人材を見極め託すのも研究者の手腕と言える。
11歳の少年少女に世界一周の旅をさせる豪胆さも含め、ある意味懐が深く度量の大きい人物とも言えるかもしれない。
以上のように枚挙に暇がないオーキド博士のユーモラスなエピソードだが、どれもファンにとっては愛すべき思い出である。
ネット上の反応を見ても、「ボケ老人かと思いきやポケモン学の権威なんだよな…」「まあレジェンドだし多少はね」といった声が混在しており 、みんな内心では博士をリスペクトしつつも遠慮なくイジって楽しんでいる様子が伺える。
そんなネタ扱いすらも包み込んでしまう懐の深さこそ、オーキド博士というキャラクターの魅力なのではないだろうか。
豆知識・トリビア
ポケモンシリーズ黎明期から登場し続けるオーキド博士は、20年以上経った現在でも多くのファンに愛されている。
その存在はゲーム・アニメを越えてポップカルチャーの一部となっており、様々な形で言及・パロディ化されてきた。
“オーキド”という名前について
まず何より、「ポケモン博士=○○(樹木名)」という命名ルールを広めたのはオーキド博士の功績である。
英語版で彼が「Professor Oak(オーク=樫)」と名付けられて以降、シリーズ恒例で各世代の博士はElm(ニレ)、Birch(白樺)、Rowan(ナナカマド)など樹木や植物名が付けられるようになった。
日本版でもオーキドを嚆矢として、ウツギ(空木)、オダマキ(苧環)、アララギ(楡)と植物にちなんだ名前が踏襲されている。つまりオーキド博士は「ポケモン博士=植物の名前」という文化を作った張本人でもあるのです。ゲーム業界におけるネーミングのお約束を1つ築いた点でも、その影響力は計り知れない。
ポケモンカード(ポケカ)ではめちゃくちゃ強い
また、オーキド博士自身のキャラクター商品やカードゲームでの活躍も見逃せない。
ポケモンカードゲーム初期のトレーナーカード「オーキドはかせ」は、手札を全部捨てて7枚引き直すという強力な効果でプレイヤーに重用された。これは当時のデッキ構築で必須級となった。
スマートフォンアプリ『Pokemon TRADING CARD GAME Pocket』でも「博士の研究」として登場し、手札を2枚引くというシンプルな効果ながら非常に強力で、デッキでの採用率は100%。
最後に

オーキド博士はポケモン世界の案内人にして、生き字引のような存在である。
初代からプレイしている方にとっては「ポケモンと言えばまずオーキド博士を思い出す」という人も多いだろう。少なくとも筆者はそう。
偉大な研究者でありながらどこか抜けていて愛嬌がある──そんなキャラクター像は、歳月を経ても色褪せることなく、むしろ味わいを増して私たちの記憶に刻まれている。
もし久しぶりに初代ポケモンを起動する機会があれば、ぜひマサラタウンの研究所に立ち寄ってみて欲しい。
きっとオーキド博士が昔と変わらぬ笑顔でこう言ってくれるはずです。「どうじゃ、ポケモン図鑑の調子は?」と。そして、プレイヤーであるあなた自身の心にも、あの頃と変わらぬ冒険心が蘇ってくることだろう。
では――「ポケモンの世界」へ案内してくれた偉大なじいさんに、改めて感謝を込めて…ありがとう、オーキド博士!!!!

