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【FEエンゲージ】奪われた紋章士の指輪|ストーリー解説⑥

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ファイアーエムブレム エンゲージ — ストーリーガイド⑥

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第6章:奪われた指輪

あらすじ:祠への道中で出会った盗賊と指輪奪還作戦

ユナカ

フィレネ女王から明かされた第二の指輪を求めて、リュール一行は祠(ほこら)へ向かう旅を開始する。第5章終了後、周辺にフリーの遭遇戦や外伝マップも出現したが、一行は準備と小休止を挟みつつ目的地へ急ぐ。

祠は王都から離れた山中にひっそりと存在し、指輪を安置する隠し場所として選ばれた場所。夜闇が迫る頃、その祠の近くに差し掛かったリュールたちは、一人の怪しげな若い女性と遭遇する。

赤い髪に紫と黒の装束をまとった彼女は名をユナカと名乗り、ひとりで森をうろついていた。

闇夜の森で出会ったユナカは、人懐こい笑顔で自己紹介する。「あぁ、わたくしめはユナカと申す者です。お二人とも、よろぴっぴ!」と独特の軽い口調で挨拶し、リュールやアルフレッドを煙に巻いた。

一行が目的の祠について尋ねると、ユナカは「ああ、実は声を発する指輪を拾ったんだけど…盗賊に襲われて落としてしまったの!」と話す。どうやら彼女は偶然にも祠の指輪を発見したものの、その途中で盗賊団に襲われ指輪を奪われてしまったようだ。

ユナカの話す「声の出る指輪」というのは、明らかに紋章士が宿る指輪のこと。リュールたちは驚きつつも、それが自分たちの探している指輪だと確信する。こうして急遽、ユナカの協力を得て指輪奪還作戦が始まった。

ユナカが盗賊に襲われた地点まで引き返すと、そこは荒れ果てた廃墟の村だった。夜の闇に包まれ視界が悪い中、盗賊たちが松明を照らしながらうごめいている。

どうやら盗賊団のリーダーが既にその指輪を手に入れたらしく、部下たちに「珍しい高価な宝だ、逃がすな」と命じていた。リュールはユナカに「一緒に取り戻そう」と呼びかけ、二手に分かれて奇襲をかける作戦を立てる。

戦闘が始まると、リュールとユナカは少数別働隊として敵陣の背後から出撃した。ユナカは盗賊の隙を突いて指輪を奪還し、すかさずリュールがその指輪に手を触れる。

紋章士ミカヤ

すると指輪から暖かな光があふれ出し、紋章士ミカヤの力が解放される。紋章士ミカヤは慈愛深い巫女であり、その力を得たことでリュール軍は周囲の暗闇を照らし出す。

リュールは即座にミカヤの加護をユナカに託し、ユナカとミカヤがエンゲージすることで光魔法と杖の力を行使できるようにした。ユナカは得意の短剣と新たに使える杖を駆使し、毒で敵を弱らせ仲間を回復しながら巧みに戦って行く。

一方、神竜軍本隊(アルフレッドやセリーヌたち)は松明や篝火を用いて視界を確保しつつ慎重に進軍して行く。暗闇のマップでは敵が見えないマスには進めず、少しずつ前進するスリルがある。

しかしミカヤのエンゲージ技「シャイン」(光魔法)を使えば、その着弾地点を中心に周囲が照らされ視界を確保できるという新たな戦術が判明。プレイヤーは暗闇を裂く光の演出に希望を感じつつ、敵盗賊団を各個撃破していく。

盗賊団のボスは教会跡に陣取る大柄な男で、指輪を手に不敵に笑っていた。彼もまた一度倒されても立ち上がるしぶとい敵で、床に描かれた魔法陣のような場所(回復床)から動かず持久戦を強いて来る。

それでも最後は総攻撃で打ち破り、盗賊団を壊滅させることに成功。かくしてフィレネに伝わる二つ目の指輪「暁の巫女の指輪」はリュール一行の手に取り戻された。

戦闘後、ユナカは安堵した様子を見せつつもどこか浮かない表情。彼女はリュールに「ごめんなさい、実は…」と切り出し、驚きの事実を告白した。

なんとユナカは当初「指輪を王城に届けに行く途中で落とした」と話していたが、それは真っ赤な偽りで、本当は指輪を売りさばこうとしていた盗賊だったというのだ。

彼女は盗賊団とは別行動のいわばフリーの盗賊(行商人志望)で、偶然指輪を拾った際「高く売れるお宝だ」と欲を出してしまったという。しかし指輪から語りかける紋章士ミカヤの優しい声に触れ、「このまま売り飛ばすのは良くない、持ち主に返さなければ」という気持ちが湧いてきたのだと明かした。

そこで王城へ届けようとした矢先に本物の盗賊団に襲われ、あわや命を落としかけたところをリュール達に助けられたという流れだった。

ユナカは「嘘をついてごめんなさい!」と頭を下げ、自分の行いを恥じて涙ぐむ。リュールたちは驚きつつも、彼女が指輪を取り戻すため身を挺して戦ってくれた事実を重く受け止めた。

セリーヌは「あなたが思い直してくれて良かった。勇気を出して告白してくれてありがとう」と優しく微笑む。アルフレッドも「君がいなければ指輪は奪い返せなかった、一緒に戦えて嬉しかったよ」と声をかけた。

リュールは少し考えた後、「ユナカ…あなたには償いの機会が必要ですね」と切り出す。一瞬ユナカが怯えた表情を見せると、リュールはにこっと笑い「これから私たち神竜軍の一員として力を貸してください」と宣言した。アルフレッドも「大歓迎さ!」と賛同し、こうしてユナカは罰として神竜軍に加勢する形で正式な仲間となった。

指輪も無事手に入ったことで、もはや祠に立ち寄る必要はなくなった。女王イヴへの報告をセリーヌが手紙で済ませると、一行は次なる目的地をブロディア王国へと定める。

ブロディアはフィレネの同盟国であり、複数の紋章士の指輪を所持していると伝わっていた(実際ブロディア王国は軍事大国ゆえ、他国より多くの指輪を預かっていたようだ。)。

邪竜軍の次の狙いは恐らくブロディアであろうとの予想と、ブロディア国王への協力要請も兼ねて、一行は北西へ向かうことになった。

森を抜けブロディアへの峠道を進む途中、リュールは再びヴェイルと思しき少女に遭遇する。暗い森の中で佇む彼女に話しかけると、「また会いましたね…ヴィイルはこの辺りに住んでいるのですか?」と穏やかに微笑んだ。

どうやらヴェイルも「大切な人を探して旅をしている」と言い、正体は依然として掴めない。この時、前回は気付かなかったある異変にリュールたちはハッとする。

ヴェイルは両足に鎖が繋がれており、さらには裸足姿という明らかに不自然な状態であった。この状態で旅を続けていたからか、足に深い怪我を負っており、リュールは包帯を巻いて手当てをしてあげた。

リュールはヴェイルに違和感を抱きつつも特に言及することはなく、ヴェイルと別れ、各々はまた新たな旅へと出て行く。

戦闘後の探索パートでは、先程の盗賊たちが荒らしていた村を調べることができる。既に村人の姿は無く、廃墟と化した家屋や物悲しいBGMが流れ、戦いの虚しさを実感させる。

ただ一つの救いは、村に取り残されていた動物たちです。鶏や猫、犬などが所在なげに佇んでいたため、一行はこれら動物をソラネルに保護することにした。ゲーム的には動物を拠点で飼える新要素の解禁だが、物語的には「戦火で行き場を失った命を救う」という優しい余韻を残す。

戦乱の世界観:指輪争奪戦と各国の思惑

第6章では、紋章士の指輪がいかに争奪戦の火種となっているかが描かれた。フィレネ祠に秘匿されていた暁の巫女の指輪(ミカヤの指輪)は本来極秘の存在だっだが、それを盗賊までもが嗅ぎ付け盗みに来ていたことが判明する。

これは戦乱による治安悪化も一因だろうが、何より指輪そのものが莫大な価値を持つことを示している。一介の盗賊ですら「高く売れる宝」と認識するほど、紋章士の指輪はこの世界において貴重で強大なアイテム。

実際、指輪を持つ者は古の英雄の力を借りられるため、小国が大国に対抗し得る切り札ともなりえる(顕現はできないが)。そのため歴史的にも各国で厳重に保管され、戦争の火種とならないよう配慮されて来た。

しかし邪竜復活の混乱に乗じて、こうしたバランスが崩れつつある。今回のように盗賊団が指輪を奪おうとする事件は序章にすぎず、今後もっと大規模な指輪争奪戦が展開することは想像に難くない。

実際、ブロディア王国とイルシオン王国は邪竜復活前から既に指輪を巡って緊張が走っており、第一王女アイビー率いるイルシオン軍がブロディア領内へ侵攻したという情報も伝わっている。各国の思惑が交錯する中、リュール一行は一刻も早く友好国と協力し邪竜軍に対抗せねばならない。

フィレネ王国は第5章で一応の平和を取り戻したが、女王イヴからの依頼もあってアルフレッドとセリーヌはそのまま旅に同行して行く。女王不在のフィレネは一時的に宰相らが治めていることだろう。

幸い同盟国ブロディアが軍事的支援を約束してくれたため、当面の防衛は問題ないと判断された(※厳密な描写はないが、同盟国ゆえに援軍や物資支援が考えられる)。

王子と王女を旅立たせたのは、女王が「世界の未来」を優先したからこそ。フィレネがいくら平和を愛しても、世界が滅びては元も子もない。ゆえに勇敢な若者たちにすべてを託し、女王自身は国を立て直す役目に徹したのだろう。

一方で旅の行き先であるブロディア王国についても触れておこう。ブロディアはエレオス大陸北西の軍事国家で、覇王モリオンが治める強国。富国強兵を掲げ、誇りと力を重んじる気風から、隣国イルシオンとはたびたび小競り合いが起きていまた。

邪竜信仰を嫌うブロディアは、長年イルシオンの野心を警戒し自国の防衛を固めて来た。その甲斐あってか、邪竜復活後もイルシオン軍の侵攻をなんとか食い止めていたようだ。

ただしイルシオン側も本腰を入れて指輪奪取に乗り出しており、両国の国境に架かる大橋では既に大規模な戦闘が発生しているとの報せも届く。こうした情報は第6章終了時点で具体的に描かれないが、次章以降リュールたちはブロディア領内で現実に直面することになるだろう。

ユナカという異色の新キャラクターの加入もまた、戦乱の世相を映している。彼女は平民中の平民であり、生きるため盗賊まがいのことにも手を染めざるを得なかった人物である。

もともと行商人見習いだったユナカは貧しい境遇で、戦争が始まったことで安全な商売もままならず、ついに裏稼業に足を踏み入れてしまったのだろう(支援会話等では彼女の過去についてさらに踏み込んだ内容が語られるが、第6章時点では詳しく触れられていない)。

彼女が言う「高く売れそうなお宝を求めて各国を歩いていた」というセリフからも、戦乱で荒れる世を逆手に取って一儲けしようとする逞しさが伺える。しかし本来のユナカは根っからの悪人ではなく、ミカヤの指輪が発する清らかな声に触れて心を動かされたように、善性を失わない女性だった。

戦争は人々を狂わせ悪事に走らせもするが、一方で英雄(紋章士)の存在が人の良心を呼び覚ますこともある——ユナカのエピソードはそんなメッセージを感じさせる。

キャラクター深掘り:ユナカの素顔と仲間との信頼

ユナカ

第6章の中心人物は何と言ってもユナカである。彼女はこれまでの仲間とは異なり王族でも騎士でもなく、素性もはっきりしない謎多き少女だった。

初登場時のユナカは明るく砕けた口調で「よろぴっぴ!」などと冗談めかして見せ 、リュールやアルフレッドを少々面食らわせる。人懐っこく愛嬌があるが、どこか芝居じみた言動に「何か裏があるのでは」とプレイヤーにも勘ぐらせるキャラクター。

実際、彼女は嘘の身の上話をしていたわけだが、その裏には大きな葛藤があった。ユナカは戦闘終了後のイベントで涙ながらに真実を打ち明け、自らの過ちを悔い改める。このシーンで初めて、彼女の本来の性格が垣間見えた。

すなわち根は善良で真面目であり、罪を見過ごせない正義感も持っている女性だったのだ。盗賊団に襲われた際、ユナカが命懸けで指輪を守ろうとしたのも、途中から「これは私利私欲のためのものではない、大事なものなんだ」という認識に変わったからだろう。紋章士ミカヤは慈愛の象徴たる存在であり、その声を聞いたユナカが改心したのは偶然ではなく、彼女自身に元々善性が備わっていた証である。

リュールたちとのやり取りからも、ユナカの人柄が見えて来る。嘘を告白した際、普通なら裏切り者として責められてもおかしくはない。しかしユナカは自ら進んで真実を語り、素直に謝罪した。

その姿に心を打たれた仲間たちは、誰一人彼女を非難しなかった。特にリュールは「償いのチャンスを与える」と寛大な対応を示し 、アルフレッドたちもユナカの勇気を称えている。この瞬間、ユナカは初めて「誰かに受け入れられた」喜びを味わったのではないだろうか。

支援会話によれば、彼女は人を信用することが苦手で孤独に生きてきた背景がある。しかし神竜軍という温かい集団に迎え入れられたことで、彼女の閉ざされていた心も次第に開かれていくのである。

ユナカのキャラクター造形は、物語における多様性を表現している。王族・騎士・神竜といった華やかな顔ぶれに、突然現れた下町育ちの元盗賊という異色の仲間――このギャップがパーティに彩りを添える。

ユナカは砕けた口調で皆を和ませるムードメーカーとなり、早速第6章終了時点でもアルフレッドにあだ名を考えて提案したり(「アルちゃん」と呼んでいい?等)、セリーヌのお姫様然とした振る舞いに「すごい、高貴っすね…!」と目を輝かせたりする微笑ましい場面が見られた。

そんな庶民派の彼女に他の仲間もすぐ打ち解け、セリーヌは「ユナカさんのお茶の趣味、とてもユニークで刺激的ですわ」と興味を示し、ブシュロンは彼女に読書を勧めるなど、人間関係が広がっていく。

ユナカ自身、徐々に「自分は仲間の役に立てている」という実感を得て、笑顔に真の明るさが戻って来る。第6章での加入は彼女にとって人生の転機であり、プレイヤーから見ても盗賊から仲間へという胸熱な成長劇となった。

なお、ユナカの過去にはまだ秘密が隠されている。支援会話を進めると、実は彼女は幼い頃とある事情で殺し屋稼業をしていたこと、ユナカという名も偽名であることなどが明かされる(本編ストーリーでは描かれない裏設定です)。

そうした暗い闇を抱えた彼女が、ミカヤという光の巫女の力を得て再出発を図る展開は寓話的でもある。まさに「闇に生きた者が光に救われる」という構図であり、物語テーマの一つである赦しと再生を体現しているキャラクターと言えるだろう。

第6章終了時点ではそこまで明示されていないが、ユナカの態度や言葉の端々に時折陰が差す様子から、「彼女には何か過去がありそうだ」と察するプレイヤーも少なくないだろう。

例えば戦闘開始時の掛け声で「やっちまおう!…って、昔みたいに言ってちゃダメだよね」などと呟く場面がある。これらは彼女の内面の傷を示唆しており、仲間として迎えられた今後、その傷が癒されていくことを期待させる。

ヴェイル

ヴェイルについても第6章で再登場したが、依然として謎は深まるばかり。今回彼女は人探しをしているとだけ語ったが、その人物が誰なのかは不明。

しかしプレイヤー視点では、彼女が探しているのは邪竜か神竜に関係する相手ではないかと推測できる。ヴェイルの足枷の痕跡という新情報から、彼女が何者かに幽閉されていたこと、さらには人外の存在(例えば邪竜に仕える者)であった可能性が浮上した。

仲間たちは彼女を不審に思いつつも、二度も自分たちを助けてくれた恩人でもあるため強く詮索はできません。ただアルフレッドは「この戦乱の中、あの少女が一人で旅するのは危険だ。保護すべきでは?」と提案もしたが、既に姿を消した後だった。

リュールは漠然とした胸騒ぎを覚えつつ、「きっとまた会える気がする」と呟く。ヴェイルの存在は今後物語に大きな影響を与える伏線であり、第6章時点ではプレイヤーに考察の余地を残している。

暗闇マップの演出と物語の意図

第6章の戦闘マップはシリーズおなじみの暗闇(索敵)マップだった。これは物語演出としても巧みに活かされている。真夜中の廃村で盗賊と駆け引きをする状況は緊迫感があり、プレイヤー自身が「見えない恐怖」を疑似体験することになる。

物語的にも、リュール一行は未知の土地で不意打ちを食らった形であり、先の見えない不安を抱えながら進むさまが暗闇で表現されている。

プレイヤーが手探りで敵を探す感覚は、そのままキャラクターたちの心情と重なります。「指輪はどこだ?」「盗賊はまだ潜んでいるのでは?」といった焦燥を感じさせ、ストーリーへの没入感を高めた。

その暗闇を打ち破るのが紋章士ミカヤの力である。ミカヤのエンゲージ技「シャイン」で光源を作り出すと、一気に視界が開け周囲の状況が判明する。

これはゲーム上の攻略法であると同時に、光が闇を払うという物語上の象徴的な演出でもある。ユナカという闇の過去を持つ人物がミカヤ(光)を宿した途端、周囲を照らし味方を回復させることが可能になるというのは寓意的。

また、第6章のクライマックスでユナカが嘘を告白するシーンは、夜明け前の静けさの中で行われた。戦闘後、暗かった空は少しずつ白み始め、遠くで鳥のさえずりが聞こえる。

ユナカが真実を語り終えた頃、東の空には朝日が差し込んだ。それはまるで、彼女の心から闇が払われたことを表すかのよう。仲間たちに受け入れられ、ユナカが新しい朝を迎えた演出に、プレイヤーも胸が熱くなる。

細かな演出としては、ヴェイルと再会する場面での“不気味さ”も際立っている。例えばヴェイルが立ち去った直後、森の奥からフクロウが鳴く声や木の葉のざわめきが一瞬強まる演出が入り、仲間たちがはっと周囲を見回す描写があった。

まるで彼女が去った後にもまだ誰かがこちらを伺っているかのような余韻で、第6章は終わる。実際プレイヤーには、この後暗転して次章へのマップ移動となるのだが、不安を完全には拭えない状態で物語が続く。これは章の区切りとして「ここから先、波乱が起きる」という予感を与える巧みな手法と言える。

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