今や「当たり前の存在」となった『色違いポケモン』。
しかし、かつては「ほとんど見ることのできない幻の存在」であり、そもそも存在さえも知らないプレイヤーもいたほどのものだった。
1996年に端を発した『ポケットモンスター』シリーズにおいて、1999年の『金・銀』で導入された「色違い(Shiny Pokémon)」という概念は、収集要素における究極の到達点として確立された。
2004年に発売された『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』(以下、FRLG)は、第一世代のリメイク作品でありながら、第三世代特有の厳格なアルゴリズムと「1/8192」という驚異的な旧確率設定を保持しており、現代のプレイヤーにとっても極めて高い挑戦権を突きつける作品となっている。
本記事では、FRLGにおける色違いについて解説して行こうと思う。
色違いポケモンという神秘の存在と出現の仕組み

色違いポケモンとは、1999年に発売された『ポケットモンスター 金・銀』で初めて導入された要素である。FRLGにおいては、全てのポケモンに通常色とは異なる「色違い」の姿が用意されており、遭遇した瞬間にキラキラとした星のようなエフェクトが周囲に広がるのが最大の特徴。
FRLGでの色違い出現確率は、内部的な計算に基づき1/8192と設定されている。この数値は、現代の作品における確率(1/4096)のちょうど半分であり、遭遇するためには膨大な試行回数と根気が必要とされる。
しかし、この「出にくさ」こそが、FRLGで色違いを手に入れた際の圧倒的な達成感と、他のプレイヤーに対する希少価値を生み出していると言える。
内部的なメカニズムに目を向けると、色違いの判定はプレイヤーが持つ「表ID」「裏ID」と、そのポケモンが個別に持つ「性格値」の組み合わせによって決定される。これらが特定の計算式(排他的論理和)を満たした時にのみ、色違いとして出現する仕組みとなっている。
効率的な厳選の基本:固定リセット法の極意
FRLGにおいて最も一般的であり、かつ特定のポケモンを狙い撃ちできる方法が「固定リセット」と呼ばれる手法である。
これは、あらかじめマップ上に配置されている伝説のポケモンや、人からもらうポケモンの前でレポートを書き、色違いが出るまでゲームを再起動(リセット)し続けるというものである。
伝説のポケモンと特別な遭遇
カントー地方には、フリーザー、サンダー、ファイヤーの「伝説の鳥ポケモン」や、最強のポケモンとして君臨するミュウツーが存在する。
これらのポケモンは、シンボルの前でAボタンを押すことで戦闘が開始されるため、固定リセットの絶好の対象となる。
特に注目すべきは、カントー地方の深部に潜むミュウツーである。ハナダの洞窟の最奥に鎮座するこのポケモンの色違いは、鮮やかな緑色の体色が特徴であり、多くのコレクターが憧れる存在となっている。
初期選択ポケモン(御三家)の厳選
ゲームを開始して最初にオーキド博士から受け取るフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメについても、固定リセットが可能である。これらは「御三家」と呼ばれ、物語を共にする最初の相棒となるため、色違いを粘るプレイヤーは非常に多い。
手順としては、オーキド研究所でポケモンが入ったモンスターボールを選ぶ直前でレポートを書く。その後、ポケモンを受け取り、手持ちのステータス画面を開いて色を確認する。
もし通常色であれば、GBAのソフトリセットコマンド(A+B+Start+Select)を同時押しして、タイトル画面へ戻りやり直すのである。
シンプルにこれを機に16,000回くらい続けると色違いが出る可能性がある(泣)
デオキシスという究極の挑戦
FRLGにおいて特筆すべき点は、幻のポケモン「デオキシス」の色違い厳選が可能な点である。
デオキシスの色違いを正規の手段で、かつ本編作品内で厳選できるのは、現時点でこのFRLGのみとなっており、非常に熱いポイントと言える。
期間限定の配布アイテム「オーロラチケット」が必要になるため、現在の環境ではハードルが高いが、もし挑戦できるのであれば、最も価値のある色違いの一つとなる。
景品交換による「まとめ買い」厳選
1匹ずつ遭遇してリセットする手法以外にも、FRLGには「一度に複数匹をチェックする」という効率的な厳選方法が存在する。
タマムシゲームコーナーの景品交換
タマムシシティにあるゲームコーナーでは、貯めたコインをポケモンと交換することができる。この景品交換を利用した厳選は、草むらを歩き回るよりも遥かに効率が良い場合がある 。
厳選の手順は以下の通り。
- コインを大量に用意する。
- 景品交換所の受付の前でレポートを書く。
- 交換できるだけのポケモンを一度に交換する。
- 色を一括で確認する。
- 全て通常色ならリセット。
この方法により、ケーシィやピッピといったポケモンを高速で厳選できる 。
ちなみに世代は違うが、筆者はかつてHGSSにてほぼ同条件でミニリュウの色違い厳選をし、23930匹目で色違いが出ました…😱

自然遭遇粘り:草むらと水上の歩き方
特定の場所を狙わない場合や、野生でしか出現しないポケモンを狙う場合は、ひたすら草むらや洞窟、水上を移動してポケモンと出会い続ける「自然遭遇粘り」が基本となる。
効率的な遭遇のためのテクニック
ただ歩き回るだけでなく、ゲーム内の仕様を理解することで、遭遇率をコントロールすることが可能である。
- スプレーの活用
- 狙いたいポケモンのレベルがそのエリアで高い場合、先頭のポケモンのレベルを調整し、「ゴールドスプレー」等を使用することで、不要な低レベルポケモンとの遭遇を完全に遮断できる。
- 特性の利用
- 先頭に特定の特性を持つポケモンを置くことで、遭遇率を変化させられる(ただしFRLGの仕様では「はっこう」などが有効。チョンチーやヒトデマン)。
- 場所の選定
- 狙いのポケモンが出現しやすいエリアを事前に図鑑や攻略情報で把握しておくことが、無駄な時間を減らす唯一の道である。
サファリゾーンのような特殊な場所では、歩かずに「その場で向きを変えるだけ」でもポケモンと遭遇判定が発生する。これにより、歩数制限を気にせずに遭遇回数を稼ぐことができるというテクニックも存在する。
サファリゾーンの恐怖:逃げられるリスクへの対策
多くのプレイヤーにとって、サファリゾーンでの色違い遭遇は「歓喜」と「恐怖」が同居する瞬間である。なぜなら、サファリゾーンのポケモンは自分の意思で「逃げ出す」可能性があるからである。
ここで色違いのラッキーを捕まえた人はほんっっっっとうにすごい。
捕獲のメカニズムと戦略
サファリゾーンでは、戦って弱らせることができない。「ボールを投げる」「エサを投げる」「いしを投げる」の3択で勝負が決まる。
- いしを投げる
- ポケモンが怒り、捕まえやすくなるが、逃げ出す確率も大幅に上がる 。
- エサを投げる
- ポケモンが食べ始め、逃げにくくなるが、捕まえにくくなる 。
専門家や長年のプレイヤーの間では、ラッキーやケンタロスのような超レア個体の色違いに出会った場合、「何もせず、ただサファリボールを投げ続ける」のが、最終的な捕獲確率を最も高める最善策であると結論付けられている。
変にエサや石を投げて「次のターンに逃げられる」リスクを負うよりは、毎ターンの微々たる捕獲判定に賭ける方が、トータルでの成功率が高いという分析である。
徘徊伝説の三聖獣:ライコウ・エンテイ・スイクンのバグに注意
FRLGの殿堂入り後、カントー地方を自由に飛び回るライコウ、エンテイ、スイクン(最初に選んだポケモンによって1種が出現)の厳選は、全ポケモン中で最も難易度が高いとされている。
これには、遭遇の難しさだけでなく、深刻なプログラムの不備(バグ)が関係している。
恐怖の「ほえる」消失バグ
徘徊しているこれらのポケモンは、戦闘中に技「ほえる」を使用することがある。もし彼らが「ほえる」を使って戦闘を強制終了させた場合、その個体はゲーム上から永久に消滅し、二度と出現しなくなるという致命的なバグが存在する 。
この最悪の事態を防ぐための対策は以下の通りである。
- 特性「ぼうおん」を活用
- マルマインやバリヤードなど、音の技を受けない特性を持つポケモンを先頭にする。これにより「ほえる」が無効化され、消滅を防ぐことができる。
- マスターボールを迷わず使う
- 色違いの徘徊伝説に遭遇した場合、迷っている暇はない。1ターン目にマスターボールを投げることが、バグや逃走を回避する最も確実な手段である。
- 個体値の制限
- 残念ながらFRLGの徘徊個体は、HP以外の個体値が極めて低くなる仕様も併発している。対戦用としては不向きだが、色違いのコレクションとしては最高峰の難易度と希少性を誇る。
捕獲のプロフェッショナル:理想の捕獲要員を育てる
せっかく出会った色違いポケモンを、誤って倒してしまったり、ボールが尽きて逃げられたりすることは、何としても避けなければならない。そのためには、完璧な「捕獲要員」の準備が不可欠である。
捕獲効率を最大化させるためには、相手のHPを1残す「みねうち」と、捕獲率を大幅に上げる「ねむり状態」にする技の両立が求められる。
| ポケモン | 習得すべき技 | 選出理由 |
|---|---|---|
| キノガッサ | みねうち キノコのほうし | 命中100%の眠り技を持つ最強の捕獲要員。 キノココのうちにLv40まで育てる必要がある。 |
| パラセクト | みねうち キノコのほうし | キノガッサより入手が容易で、同じく100%眠り技を扱える 。 |
| ドーブル | みねうち キノコのほうし くろいまなざし | スケッチにより、あらゆる状況に対応した理想の技構成を作れる。 |
| ストライク | みねうち | 攻撃力が高く、みねうちの威力が期待できる 。 |
ポケモンを捕まえる際、状態異常にすることで捕獲の成功率(捕獲補正)が変わる。「ねむり」や「こおり」は補正が大きく、最も捕まえやすくなる状態である。
一方で「どく」や「やけど」は、毎ターン相手にダメージを与えてしまい、色違いを倒してしまうリスクが非常に高いため、絶対に使用してはならない 。
FRLGにおいては「みねうち」のわざマシンは特定のイベントや配布ではなく、野生のポケモンが覚えているものを遺伝させたり、特定のポケモンを育てることで習得させる必要がある 。
あとがき
『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』での色違い厳選は楽な道が存在しない。しかし、その分だけ、画面が光り、通常とは違う色のポケモンが姿を現した時の感動は、他のどのゲームでも味わえない特別なものである。
本稿で紹介した知識やテクニックを武器に、ぜひあなたもカントー地方のどこかに眠る「1/8192の奇跡」を探す旅に出てみてほしい。
たった1匹の色違いポケモンとの出会いが、あなたのポケモンの世界をより彩り豊かなものに変えてくれるはずだ。準備を整え、お気に入りの捕獲要員を連れて、今日から草むらの一歩を踏み出してみよう。
筆者…..本作ではちょっと色違い厳選をやる気が起きないwwwww
