ジョージの日記

8月11日
久しぶりに青空を仰ぐ事が出来たが、気分は良くない。仕事をさぼって立ち入り禁止になっている3Fの時計台に居た事がばれてお咎めをくらったからだ。しかも署長直々に。しかしどうも腑に落ちない点がある。
署長は、仕事をさぼっていた事より「時計台に居た事」を非常に気にしていた。そもそも何故立ち入り禁止なのだろうか?
9月5日
ひょんなことからある老人と知り合いになった。名はトーマス。裏の処理場で働いている老人だ。
話してみると気のいいじいさんで、非常にチェスが好きらしく、処理場の一角の扉の鍵までチェスの形をあしらったものにしたらしい。
明日の夜、一緒にチェスをする約束をした。どれほどの腕前か楽しみだ。
ただ、皮膚病なのかしきりに身体をばりばりと掻いていたのが気にかかる。
9月9日
思っていた以上だ。自分自身チェスは強い方だと思っていたが、それが思い上がりだと知らされた。
しかしチェスの強さもさる事ながら食欲旺盛な老人だ。対戦中も腹が減ったとぼやき続けていた。ただ、言葉とは裏腹に酷く体調が悪いように見受けられたが大丈夫だろうか?
9月12日
チェスを楽しみにしていたが、トーマスの身体の具合が悪いようだったので中止になった。残念だ。
彼の方から訪ねて来てくれたのだが、土気色の顔をしてまるで死人のようだったのであわてて帰したのだ。何とも無いと言っていたが、きっと無理をしていたのだろう。
そういえば俺も今日は調子が悪い。
考察
読み取れる背景・含意
「久しぶりに青空を仰ぐ事が出来た」という記載がある事から、夜勤の仕事に就いている者だと思われる。
海外版でのファイル名は「Watchman’s Diary」すなわち「警備員の日記」である。
トーマス”という接点と感染の兆候
トーマスという老人とのチェス対戦の記述は、日記の後半で不穏さを増す。
鍵の装飾(チェス駒)・身体を掻く挙動・“死人のよう”という描写は、ただの奇妙な老齢者ではなく「何かがうまく機能していない」「内部に変化が起きている」ことを暗示している。
さらに「私自身も体調が悪い」という記述から、読者は“彼もまたバイオハザードに巻き込まれている”というゾンビ/ウイルス的な脅威が進行しているという推測を抱きやすくなる。
署/警察組織の“異変”の縮図
この小さな記録が示しているのは、警察署という“安心・秩序の場”でさえ、異常が進行しているということ。
時計台、処理場、老人の体調…すべてが「秩序が壊れ始めている証拠」として機能しています。
プレイヤーにとっては、探索の動機・この場が“安全ではない”という演出を補強する役割を果たしている。



























