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【FEエンゲージ】フィレネ王城奪還戦|ストーリー解説⑤

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ファイアーエムブレム エンゲージ — ストーリーガイド⑤

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第5章 王城奪還

あらすじ:襲われたフィレネ城の救出戦

四狗・セピア

フィレネ城に到着したリュール一行を待っていたのは、信じ難い光景だった。普段は明るい城都が静まり返り、不穏な空気に包まれていた。

なんと先行していたイルシオン軍がフィレネ王城を急襲し、城内を占拠していた。フィレネ女王イヴは城の広間で敵将に囚われ、《慈愛の王女の指輪》(セリカの指輪)の在りかを執拗に問い詰められていた。

女王は気丈にも敵に屈せず指輪の所在を明かさずにいるが、護衛の兵たちは倒され絶体絶命。

ちょうどその時、リュールたち救援部隊が駆けつけ、フィレネ王族の安否に間一髪で間に合う。敵将セピアはリュールを見るなり嘲笑し、「邪竜ソンブルが既に復活した」ことを一行に告げる。それはフィレネのみならず世界にとって衝撃的な事実だったが、動揺する間もなく救出戦が始まった。

城内マップでの戦闘が展開し、主人公たちは手分けして敵兵を撃破しながら玉座の間を目指す。敵は多数配置されており、宝箱を狙う盗賊が紛れているなど混乱を極めた。

初めて出現する復活の石持ちのボス(HPゲージが2本ある敵)にも苦戦を強いられる。このボスは手斧を振るうアクスファイターで、一度倒しても蘇生し、再度立ちはだかる。

それでも仲間たちの協力と紋章士の力でついに敵将を撃破し、イルシオン軍は城から撤退していきます。リュールたちは急いで王座の間へと駆け込み、女王イヴと再会を果たす。

幸い女王は傷一つなく無事であり、一同は安堵する。女王イヴはアルフレッドやセリーヌの無事に喜び、命がけで救援に来てくれたリュールたちに深く感謝した。

そして彼女の口から、フィレネ王国にはもう一つ指輪が隠されていることが明かされた。それは城の外れにある祠(ほこら)に封印してあったそうだが、既に敵が狙っている可能性がある。

リュール一行は次なる目的地をその指輪の祠に定め、女王に別れを告げる。女王は「どうか指輪を託します。邪竜から世界を守って」とリュールに祈りを込めて送り出し、アルフレッドとセリーヌも国に残ることを申し出る母に「自分たちも使命を果たします」と決意を新たにした。かくして主人公たちは王城を後にし、聖なる祠へ向け旅立って行く。


戦闘後の探索パートでは、一時的に静まり返った城内を歩き回ることができる。民衆は敵襲で避難した後なのか誰もおらず、荒らされた城の廊下からは戦火の生々しさが伝わって来た。

また、城で出会った商人たちがリュール軍への協力を申し出てくれる。これにより次章以降、ソラネル拠点に武器屋・道具屋に加えて、後に錬成屋・アクセサリー屋といった施設が新たにオープンし、軍備を整えられるようになる。

フィレネ王城での激戦は多くの課題を残したが、一行はひとまず王都を救った達成感と女王からの信頼を胸に、次なる冒険へと踏み出していく。

世界観と戦争の背景:邪竜復活とイルシオンの侵攻

第5章で描かれたフィレネ城襲撃は、邪竜ソンブル復活が現実の脅威となったことを象徴している。イルシオン軍が他国の王城を直接攻め落とすという暴挙に出たのは、明らかに邪竜復活という“後ろ盾”を得て勢いづいているからである。

実際、敵将自らがソンブルの復活を宣言したことは各陣営に衝撃を与えた。フィレネは平和国家ゆえ今まで戦争と無縁だったが、この侵攻によって否応なく戦火に巻き込まれたのである。

邪竜ソンブルは1000年前に神竜と紋章士たちに封印された存在だが、その崇拝者はイルシオン国内に根強く残っていた。イルシオン王国は宗教国家として魔道の研究も盛んで、邪竜信仰にもとづく狂信的な勢力が密かに力を蓄えていたようだ。

統治者ハイアシンス王自身がどこまで関与していたかは定かでないものの、第一王女アイビーもまた邪竜に心酔し各地の紋章士の指輪を求めて暗躍していたと伝えられている。イルシオンがここまで露骨に侵略行為に出た背景には、ソンブル復活により「今こそ宿敵に打ち勝つ時」と士気が高まったこと、そして紋章士の指輪を集めるという明確な目的があるのだろう。他国の指輪を奪取し邪竜に捧げることで、さらなる力を得ようと企んでいる。

フィレネ王国が狙われたのも、その目的故。フィレネには《慈愛の王女の指輪》ともう一つ、《暁の巫女の指輪》が保管されていることが判明。イルシオン軍はまずセリカの指輪を求め城を襲撃したが、幸いにもセリーヌ王女が指輪を所持し城外で難を逃れていたため、敵は目的を達せず撤退することになる(敵将が女王に執拗に問い質していたのはこのため)。

結果的にフィレネは最悪の事態(指輪強奪と女王殺害)を免れたが、国力的にも精神的にも大きな痛手を被った。非戦を旨としてきたフィレネにとって、自国が侵略された事実は衝撃であり、今後は否応なく戦いへの備えを強めねばならない転換点となる。

また、この章では戦争の残酷さや被害も描かれている。城下町の住民は突然の襲撃に逃げ惑い、多くの兵士たちが傷つき命を落とした。優しい女王イヴはそんな現実に心を痛めつつも、民を鼓舞するため毅然と振る舞う。

彼女はリュールたちに「この国を救ってくれてありがとう。皆のおかげで希望が繋がりました」と感謝し、悲しみを押し殺して笑みを見せた。その姿は平和を愛する統治者として立派であり、子供たち(アルフレッドとセリーヌ)にも「民を守る覚悟」を示すものだったはず。

戦争の背景にはこうした各国君主や王族の信念・苦悩も存在し、第5章ではフィレネ王族が直面する試練としてドラマが展開した。

そして邪竜ソンブルの完全復活という事実は、物語全体の緊張感を一気に高めた。ソンブルは封印中もなお人々に恐れられていた存在で、それが解き放たれた以上、今後エレオス大陸は再び大戦の時代に突入することになる。

ここでプレイヤーは「時間との戦い」であることを悟ります。敵が指輪を集め邪竜軍を強化する前に、こちらも一刻も早く指輪を集め仲間を増やさねばならない。フィレネでの戦いはほんの序章であり、次にどの国が狙われるのか…プレイヤーとリュール一行は嫌でも危機感を共有することとなる。

キャラクター描写:フィレネ王族の勇気と神竜の使命

第5章では主にフィレネ王族のキャラクター性と成長がクローズアップされた。アルフレッド王子とセリーヌ王女は、愛する母である女王イヴと祖国フィレネを守るため、懸命に戦う。

侵攻前、二人はそれぞれ民の前では平和と友好の象徴のように振る舞っていたが、いざ祖国が危機に陥ると率先して剣を執り最前線に立った。

アルフレッド

アルフレッド王子は元々明るく屈託のない青年だが、城が静まり返る異常事態に直面した際は険しい表情を見せた。幼い頃の病弱さを克服し強くあろうと努力してきた彼にとって、愛する国を荒らす敵への怒りと、早く救わねばという焦燥があったのだろう。

敵将から邪竜復活を告げられた時、アルフレッドは驚愕しつつもすぐに剣を握り直し、「たとえ相手が邪竜でも僕たちは負けない」と自らを鼓舞した。

彼の筋肉鍛錬好きという一面(ソラネルで解禁される筋トレミニゲームにも反映)は、単なる趣味以上に「国を守る力を付けたい」という切実な想いの表れでもある。

戦闘中も彼は平民をかばいながら果敢に突撃し、リュールに「僕が囮になります!」と盾役を買って出る場面もあった。王子として民を守る責任感と、仲間を信頼する素直さが感じられるエピソードである。

セリーヌ

セリーヌ王女もまた、この章で大きな決意を示す。平和主義の彼女にとって戦いは本意ではないものの、城に踏み込んだ際「この光景は絶対に許せません…!」と静かな怒りを露わにした。

敵兵に囲まれた母を目の前にし、セリーヌは震える手で細剣を握りしめる。「私はフィレネ王女、母上と国民を傷つける者は決して見過ごせません」と宣言するシーンは、彼女の中で何かが吹っ切れた瞬間だった。

平和を守るため自らも戦う覚悟——それを最愛の母の前で示したことは、セリーヌの成長を象徴している。女王イヴも娘の瞳に強い意志を見て取り、うなずきながら指輪の情報を伝え託す。この母娘の信頼の瞬間は、短いながらも胸を打つ場面である。

イヴ

女王イヴ自身の人物像もここである程度描かれている。

彼女は博愛の君主として非戦を掲げてきたが、民や家族を守るため決して臆してはいなかった。敵将に囲まれても毅然と立ち振る舞い、「指輪の在り処など知りません」と嘘をついてでも抵抗する強さを持っている(実際は娘セリーヌが所持していることを悟られぬよう守った) 。

救出後、彼女はリュールに深く頭を下げ「このご恩は一生忘れません」と礼を述べる。さらに「世界を救えるのは神竜様だけです。アルフレッドたちを頼みました」と、自らの子を旅立たせる決断も下した。

辛い胸中を押し隠し、笑顔で送り出す女王の姿には気高さと愛が溢れている。イヴ女王は直接戦うことはできないが、彼女の揺るぎない信念が王子・王女たちを支えていることが読み取れる。

リュール

主人公リュールについても言及しておこう。リュールはこの戦いで初めて本格的な国同士の戦争を目の当たりにした。それまで記憶喪失の中目覚め、自分が神竜だという自覚も半ば手探りだった彼だが、フィレネ城の惨状を見て「自分が皆を守らねば」という神竜としての使命に目覚めて行く。

敵将に邪竜復活を知らされた際、リュールは動揺で言葉を失う。しかし女王やアルフレッドたちの必死の姿を見て、「今は目の前の人々を救おう」と奮起した。その後、女王から指輪の在処を託された瞬間は、リュールが改めて旅の使命を自覚する転機である。

大陸の平和という途方もない課題に臨む不安もあるだろうが、リュールは「自分がやらねば誰がやる」と覚悟を固め、仲間たちに「行こう、指輪を守りに」と力強く呼びかけた。仲間の信頼も増しつつあり、皆も「神竜様について行きます!」と士気は高まって行く。

第5章まででリュールは悲しみを乗り越えリーダーシップを発揮し始めており、この先の物語での成長を予感させる。

演出と考察:絶体絶命の城内戦とドラマチックな復活演出

フィレネ王城戦は、ゲーム的にも物語的にも緊張感を高める演出が随所に光る。まず、マップ上で初登場した復活持ちボス(HPゲージ2本持ち)の存在は、プレイヤーに新たな驚きを与えた。

ボスを倒したと思ったら不敵に笑って立ち上がり、もう一度戦わねばならない展開は、「邪竜軍の脅威は並ではない」ことを実感させる。

物語的にも、邪竜の加護を受けた狂信者たちは常識を超えた力を得ている暗示とも取れる。初見では「何故生き返るのか?」と不思議に思うところだが、邪竜ソンブルの復活と関連付けて考えれば、敵もまた邪竜の力で強化されているのだろうと想像できる。

倒しても蘇る執念深さは、邪竜軍の不死性・不気味さをプレイヤーに印象付け、今後の戦いへの恐れを抱かせる効果があった。

また、城内マップという閉鎖空間での戦いは臨場感に溢れている。玉座目前で女王が囚われているという緊迫した状況下、プレイヤーは急いで駆けつけたい気持ちと、しかし敵を各個倒していかなければならない現実との板挟みになる。

制限時間こそ明示されないが、心理的には「一刻も早く助けなければ女王が危ない!」という焦燥感が煽られる場面である。この演出は物語上も効果的で、プレイヤー自身がアルフレッドやセリーヌの心情にシンクロし、より没入してゲームを進めることになった。

演出面でもう一つ注目すべきは、敵将の台詞と態度である。彼は女王に対し「城は占拠した」「邪竜が復活した」と傲慢に宣告し、高笑いしてみせる。彼の狂信的な歓喜ぶりは、邪竜信奉者の歪んだ価値観を象徴していた。

フィレネ側から見れば憎むべき侵略者ですが、敵側から見れば「長年待ち望んだ邪竜復活」の祝祭のようなもの。この温度差が物語に深みを与えている。つまり単純な勧善懲悪ではなく、邪竜を神と信じる者たちにとってはこれが正義の戦いなのだという相対的な構図と言える。

もっとも敵将個人は卑劣漢として描かれ、純粋な信仰者というよりは力に酔った俗物だったが、その背後にあるイルシオンの宗教観は垣間見える形だった。

フィレネ王城奪還というタイトルどおり、一度陥落した城を取り戻すカタルシスもこの章の醍醐味である。プレイヤーは敵を全滅させ王座を奪還した瞬間、大きな達成感を得る。

同時に物語上でも王城が解放され、女王が救われ、ようやく一息つける展開となった。女王と王族の再会シーンは音楽も穏やかで、緊迫した戦闘パートとの落差がドラマチックである。戦闘前後の緩急ある演出により、物語は起伏に富んだものになっている。

さらに、フィレネにはまだ隠された指輪があるという新情報の開示タイミングも巧妙だった。ただ勝利するだけでなく、「次の目的地」がここで提示されることで、物語はスムーズに次章へと繋がる。

女王から「祠に指輪があります」と告げられると、プレイヤーも「次はそこへ行こう」と自然に思える流れ。ゲーム上もこのタイミングでワールドマップが解禁され 、プレイヤー自身が行き先を選べるようになる。

第5章終了は、線路型だった序盤から物語が一気に広がりを見せる転機でもあり、その意味でも「王城奪還」という大きな節目となった。

最後に、支援会話やサブイベントの視点で第5章周辺を振り返ると、フィレネ勢の心情がより細やかに理解できる。

例えばアルフレッドとブシュロン(フィレネ王国騎士)の支援会話では、アルフレッドが「自分はまだ未熟で母上や国を守りきれるか不安だ」と漏らす場面がある。それに対しブシュロンが「王子は十分立派です。皆あなたについて行きたいと思っています」と励ます。

このように王子が弱音を吐けるのは平時の支援会話ならではで、本編ストーリーで見せない内面を補完している。またセリーヌとクロエの支援会話では、セリーヌが「戦うたび心が痛むけれど、兄上や皆のおかげで前を向けます」と明かし、クロエが「姫様が前を見る限り私も飛び続けます」と返す心温まるやり取りがありる。

これらは本編中には直接描かれないが、王城奪還という試練を経た彼らの絆がより強くなったことを示唆していると言えるだろう。プレイヤーにとっても、キャラクターのこういった一面を知ることで物語全体に対する思い入れが深まり、第5章のドラマも一層感慨深く感じられるはず。

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