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【特集】スクウェア・エニックスの歴史を総まとめ|スクウェアとエニックスはなぜ合併したのか

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コウ
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皆さんは、「スクウェア・エニックス」という企業をご存じですか?

通称『スクエニ』と呼ばれる国内メーカーは、数々の名作RPGを世に送り出し、日本だけに留まらず、そのシェアは世界規模にまで拡大している。

しかし、『スクウェア・エニックス』としての歴史はまだまだ浅く、様々な苦悩な末に今に至る。本稿では、「いかにしてスクエニが誕生したのか」を詳しく解説して行く!

コウ
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筆者は幼少期の頃からスクエニのタイトルを遊んで育って来ており、「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」「キングダムハーツ」を昔から遊び続け、最近は今更ながら「ロマンシング・サガ」シリーズに大ハマりし、新作の「オクトパストラベラー」もプラチナトロフィーを獲得するまでハマってしまったくらいに、本社のゲームは無くてはならない存在である。

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沿革 – スクウェア・エニックスの歩み

スクウェア創設から成功まで

スクウェア社のロゴデザイン

スクウェア(旧スクウェア)は、1983年電友社という電力関連企業内のゲーム事業部門としてスタートした。若き創業者・宮本雅史氏のもと、当時は珍しかったチーム制によるゲーム開発を導入し、小さな美容院の跡地オフィスで情熱的な開発が行われた。

社名「SQUARE」にはゴルフ用語の「スクエアスタンス」や、人々が集まる「広場(スクエア)」の意味が込められ、社の大きな志を表している。しかし初期の作品はヒットに恵まれず、親会社の業績も傾き始め、「ゲーム事業から撤退」の空気が漂う状況だった。

そうした中、若手ディレクターだった坂口博信氏が最後の勝負として企画したのが、ファミコン向けRPGファイナルファンタジー』(1987年発売)だった。社運を懸け“最後”を意味するタイトルを冠した本作は奇跡的な大成功を収め、以降スクウェアは『ファイナルファンタジー(FF)』シリーズの開発で一躍有名になる。

『FF』シリーズは高品質な映像や音楽、重厚なストーリーで国内外に多くのファンを獲得し、スクウェアの屋台骨となった。また1990年代には『聖剣伝説』『サガ』シリーズなどの人気RPGや、『クロノ・トリガー』など他社と協力した話題作も手掛けている。

しかし2001年、スクウェアはハリウッド映画製作『ファイナルファンタジー』の失敗で巨額の損失を出し、創業以来初の赤字に転落した。この責任をとる形で、FFの生みの親で副社長だった坂口博信氏が同年2月に退任する事態となる。経営再建のため和田洋一氏が社長に就任し、スクウェアは苦境からの立て直しを図った。

エニックス創設と「ドラクエ」の誕生

エニックス社のロゴデザイン

エニックス(旧エニックス)は、1975年に「営団社募集サービスセンター」として創業し、1982年に社名をエニックスに変更。創業者の福嶋康博氏は、当初は不動産情報誌発行などを手掛けていたが、この事業が行き詰まると新たな柱を求める。

エニックスはゲーム公募コンテストというユニークな手法で新進のゲーム開発者を発掘し、自社のゲーム事業に取り込む戦略を採った。

1982年に開催された第1回コンテストには全国から才能あるプログラマーが集い、入賞作品の市販化と開発者の囲い込みに成功する。このコンテストをきっかけに縁が生まれたのが、後に「ドラゴンクエスト」シリーズを生み出す堀井雄二氏(当時は雑誌ライター兼ゲーム好き)と、天才プログラマー中村光一氏だった。(両名ともエニックス所属ではない)

エニックスは彼らと組み、1986年に家庭用RPGドラゴンクエスト』(DQ)を発売。鳥山明氏のキャラクターデザインやすぎやまこういち氏の音楽も相まって、『DQ』は国民的RPGとして大ヒット。

発売日の学校では多くの子供が欠席してゲームショップに行列を作ったという伝説的エピソードも生まれています。以降『ドラゴンクエスト』シリーズは続編ごとに社会現象を巻き起こし、エニックスの看板IPとして成長した。エニックスは開発を外部スタジオに委託しつつ、自社は企画・プロデュースに専念するビジネスモデルを確立し、他にも『スターオーシャン』『ヴァルキリープロファイル』などの人気タイトルを輩出した。

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エニックス社のロゴは「テリーのワンダーランド」でデカく表示されていたのが印象的。

ライバルから合併へ – 奇跡の統合

合併記者会見の様子

1990年代日本を代表する二大RPGと言えばスクウェアの『FF』シリーズとエニックスの『DQ』シリーズだった。両社は長らく互いに競い合うライバル関係にあり、それぞれ独立した会社からゲームを発売していたのである。そんな2社が手を組むというニュースは業界中を驚かせた。

2002年11月、スクウェアとエニックスは翌年の経営統合を電撃発表。発表当日はメディアもパニックになるほど衝撃的な出来事で、当時この知らせを聞いたゲームファンは「FFとDQが同じ会社になるなんて信じられない!」と胸を躍らせた。

合併の背景には、スクウェア側の経営危機とエニックス側の将来戦略があった。映画事業失敗で傾いていたスクウェアを立て直すには外部資本や協力が必要であり、一方エニックス側も市場拡大やゲーム開発力強化のため、競合であるスクウェアとの合併にメリットを見出したのである。

もっともスクウェアの赤字が表面化した2001年頃にはエニックス側が慎重姿勢を示し、一度交渉が停滞した。しかしスクウェアがオンラインゲーム『FFXI』の成功や経営改善を果たしたことで交渉が再開し、遂に統合が実現した。

2003年4月1日株式会社スクウェア・エニックスが正式に誕生する(法律上はエニックスを存続会社としスクウェアを吸収合併する形)。新会社の社名は両ブランドをそのまま繋げたもので、互いの強みを活かす意志が込められた。合併により『FF』と『DQ』という日本RPG界の両巨頭が一つ屋根の下に揃い、ゲームファンにとっては夢のような統合となった。

合併後の展開とグローバル化

FFⅪ

合併後、スクウェア・エニックス(以下スクエニ)は日本有数のゲーム企業としてさらなる発展を遂げます。まずオンラインゲーム分野では、合併直前の2002年に日本初の大規模MMORPG『ファイナルファンタジーXI』を発売し、自社サービス「PlayOnline」とともにオンライン事業に参入しました。

その後、2010年には『ファイナルファンタジーXIV』で再びMMORPGに挑戦し、トラブルを乗り越えた改良版が世界的成功を収めるなど、オンラインゲームの分野でもグローバルなファンコミュニティを築きました。

事業拡大の面では、国内外で積極的な投資と提携が行われる。2003年以降、本社を東京・代々木に統合移転し(旧スクウェア本社とエニックス出版部門を集約)、2004年には北米・欧州子会社の社名を「Square Enix」に改称してグローバルブランドを統一した。

また、2005年には老舗ゲーム会社タイトーを子会社化し、アーケードゲームや遊園施設事業にも乗り出します。2009年にはイギリスのEidos社を買収し、『トゥームレイダー』『ヒットマン』『デウスエクス』など海外人気IPを傘下に収めた。このEidos買収により欧米に開発拠点を築いたことは、スクエニのグローバル展開を象徴する出来事だった。

以降もスクエニは世界市場を意識した展開を加速させ、北米・欧州・アジア各地に開発スタジオや子会社を設立する。例えば、中国(北京)やインドに現地法人を設立し新興市場を開拓し、2018年には自社スタジオ「Luminous Productions」を発足させ最新技術による大作開発に挑戦するなど、常に新たなチャレンジを続けている。

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主な事業内容 – 多角的なエンターテインメント展開

スクウェア・エニックスは現在、ゲームを中心に4つの事業セグメントを持っています。それぞれの概要は以下のとおり。

デジタルエンタテインメント事業(ゲーム開発・販売)

FF7リメイク(2020年)

デジタルエンタテインメント事業はスクエニの中核で、家庭用ゲームソフトやPCゲーム、モバイルゲームの企画・開発・販売・運営を行っている。国内外に配置した開発拠点と国際的な事業体制を活かし、RPGをはじめ多彩なデジタルコンテンツを世界中のユーザーに提供している。

具体的には、高精細な家庭用ゲーム(HDゲーム)から大規模オンラインゲーム、スマートフォン向けゲーム、ブラウザゲームに至るまで、時代やユーザーの嗜好に合わせた様々なタイトルを手掛けている。

この事業から生まれた代表的シリーズとして、『ファイナルファンタジー』『ドラゴンクエスト』『キングダムハーツ』などが挙げられ、世界観豊かな高品質ゲームで数多くのヒット作を世に送り出している。

また他社IPを用いたゲームや、海外スタジオと協力した作品(例:『ジャストコーズ』シリーズ)も展開し、グローバルなラインナップを持つ総合ゲームメーカーとして成長を続けている。

アミューズメント事業(ゲームセンター運営など)

スクエニカフェ

アミューズメント事業では、アーケードゲーム機の開発・製造や、ゲームセンターの運営などを手がけている。2005年にタイトーをグループに迎えたことで、この領域にも本格参入した。タイトーは『スペースインベーダー』に代表されるアーケード黎明期からの老舗であり、スクエニはそのリソースを活用してゲームセンター向け筐体やプライズゲーム(クレーンゲームの商品化)などリアル店舗向けエンターテインメントを展開している。

現在、直営のゲームセンター施設や遊戯設備の提供を通じて、デジタルとリアルが融合した娯楽の提供にも力を入れています。また近年はテーマカフェ「ARTNIA」や「スクウェア・エニックス カフェ」といったブランド発信拠点も運営し、ファンが交流できる場作りも行っている。

出版事業(漫画・書籍出版)

少年ガンガン

出版事業はエニックス時代から続くもう一つの柱である。自社で漫画雑誌や単行本、ライトノベルを刊行しており、代表的な雑誌に月刊『少年ガンガン』がある。

またウェブ漫画誌「ガンガンONLINE」やスマホ向け漫画アプリ「マンガUP!」を運営し、デジタル配信にも対応しています。コミック出版で人気作品を育てつつ、それらのアニメ化・舞台化・グッズ展開まで視野に入れたクロスメディア戦略を取っているのが特徴。

エニックス発祥の雑誌『ガンガン』からは『鋼の錬金術師』『ソウルイーター』など数々のヒット漫画が生まれました。さらにスクエニはゲーム攻略本などの書籍出版にも強みを持ち、『アルティマニア』シリーズに代表される公式攻略本や設定資料集はコアなファンにも支持されています。このように出版事業では、紙媒体からデジタルまで幅広くコンテンツを発信し、自社IPの世界観を書籍でも届けている。

ライツ・プロパティ等事業(ライセンス・グッズ展開)

プレイアーツ

ライツ・プロパティ等事業では、自社および他社IPのコンテンツに関する二次著作物の企画・制作・販売およびライセンス管理を行っている。具体的には、人気ゲームのキャラクターを使ったフィギュア、玩具、アクセサリー、アパレル、日用品といった各種グッズの企画製造を手掛けるほか、音楽CDや映像など周辺コンテンツの制作・販売も含まれる。

スクエニ公式ショップ(オンラインストア)では、精巧なコレクター向けフィギュアから日常で使える雑貨まで多彩な商品が展開されており、国内外のファンが自分の好きな作品のグッズを入手できるようになっている。

またグループ企業としてゲーム音楽専門レーベルを運営し、サウンドトラックCDや配信によってゲーム音楽を提供するビジネスも展開しています。東京・新宿には公式グッズショップ兼カフェ「ARTNIA(アルトニア)」が設置され、ここで限定グッズ販売やコラボカフェメニュー提供などファン交流の場ともなっている。

ライツ事業の強化により、ゲームという枠を超えてスクエニのIPが様々な形で生活者の接点に広がっており、近年はキャラクターグッズの売上が急成長していることも伝えられている。

コウ
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筆者もクラウドのプレイアームを所持してますが、値段の割に精巧にできてて、気軽に手が出せるフィギュアと評価されている。

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代表的なゲームシリーズ

スクウェア・エニックスは数多くのゲーム作品を世に送り出してきたが、中でも世界的に知られる代表的シリーズとして以下が挙げられる。

ファイナルファンタジー(FINAL FANTASY)

初代『ファイナルファンタジー

ファイナルファンタジー』シリーズ(FFシリーズ)は、スクウェアが生んだ長編RPGシリーズで、1987年の第1作以来、ナンバリングタイトルは現在第16作(2023年発売)まで続く超大作。クリスタルを巡る冒険から始まった本シリーズは、一作ごとに異なる物語・世界観・キャラクターを描きつつ、圧倒的な映像美と音楽、ドラマチックなストーリーで国内外のファンを魅了してきた。

特に『FFVII(1997年)』は全世界で大ヒットし、日本製RPGをグローバルに知らしめるターニングポイントとなった。以来、FFシリーズは世界的ブランドとなり、総ゲーム販売本数は累計1.8億本を超えるとも言われる。

剣と魔法が織りなすファンタジー世界を舞台にしながらも、毎回ゲームシステムに新機軸を取り入れる革新性も特徴で、ATB(アクティブタイムバトル)や召喚獣、ジョブチェンジなどRPGの定番要素を数多く生み出した。

スクエニにとってFFシリーズは最重要IPであり、近年も『FFXV』(2016年)や『FFⅦ リメイク』(2020年)、『FFⅩⅥ』(2023年)など大型タイトルを投入し続けている。またオンライン作品『FFXI』『FFXIV』は長期運営に成功し、『FFXIV』は世界で2500万人以上の登録プレイヤーを抱える人気MMORPGとなっている(2023年時点)。

FFシリーズの魅力は“常に最先端”であることであり、その動向は世界中のゲームファンから注目を集めている。

ドラゴンクエスト(Dragon Quest)

初代『ドラゴンクエスト

ドラゴンクエスト』シリーズ(DQシリーズ)は、エニックスが送り出した日本RPGの金字塔。1986年の第1作発売以来、“勇者が魔王を倒す”という王道ファンタジーを基調とした物語と、シンプルかつ奥深いゲーム性で老若男女に親しまれて来た。

鳥山明氏デザインの親しみやすいキャラクターやモンスター、堀井雄二氏が生み出すユーモアと冒険心あふれるシナリオ、そしてすぎやまこういち氏の耳に残る音楽という黄金の組み合わせが国民的RPGとしての地位を確立した。

特に『ドラゴンクエストIII』(1988年)は社会現象となり、発売当日には学校をずる休みする子供が続出してニュースになるほどであった。

DQシリーズは現在まで本編11作(ナンバリング最新作は『XI』(2017年))が発売されており、累計出荷・ダウンロード数は全世界で8,500万本以上に達している。

日本では「国民的ゲーム」と称され、老舗の人気を誇る一方、近年は海外展開にも力を入れており、『DQXI』では多言語対応や世界同時発売に近い形でグローバルファンの獲得も図った。

ゲームシステム的には昔ながらのコマンド式RPGの楽しさを守り続けている点が特徴で、親子二世代でドラクエを遊ぶファンも少なくない。

開発体制としては、堀井雄二氏(ゲームデザイン&シナリオ)、鳥山明氏(キャラクターデザイン)、堀井氏が率いたチュンソフト(後の開発会社)という布陣が長年シリーズを支え、現在も堀井雄二氏が現役で企画・シナリオ監修を務めている。「

いつか勇者になりたい」という夢を与えてくれるDQシリーズは、スクエニのもう一つの柱として今後も輝き続けるだろう。

キングダム ハーツ(Kingdom Hearts)

初代『キングダムハーツ』のロゴ

キングダム ハーツ』シリーズは、2002年に第1作が発売されたアクションRPGシリーズ。スクエニの野村哲也氏がディレクターを務め、同社のFF的な世界観とディズニーのキャラクター世界を融合させるという斬新なクロスオーバー作品として誕生した。

主人公ソラがディズニーのさまざまな世界を冒険しながら、ミッキーやドナルドと共に闇の勢力と戦う物語は、ディズニーのファンとゲームファン双方に新鮮な驚きをもって受け入れられた。

ゲーム内容はキャラクターの成長やアクション性の高いバトルが特徴で、FFシリーズのキャラクターも一部ゲスト登場するなど、夢の競演が話題となった。

ディズニーとの信頼関係のもと、シリーズは『KH2』(2005年)、携帯機向け外伝、『KH3』(2019年)と展開し、世界中で累計3,600万本以上を販売するヒットシリーズに成長している。

2022年には20周年を迎え、新作『キングダム ハーツIV』の制作も発表された。野村哲也氏は本シリーズで初めてディレクターを担当し、同時にキャラクターデザインも務めており、独特の世界観構築に大きく寄与している。

『KH』シリーズはスクエニとディズニーのコラボレーションという強みを活かし、ゲームのみならずグッズやコンサートなど幅広いメディアミックス展開も行われている。ファンタジーと童話が調和した唯一無二の作品として、これからも国内外のファンを魅了し続けるだろう。

(※このほかにもスクエニには、『サガ』『聖剣伝説』『ニーア』『オクトパストラベラー』『ライフ イズ ストレンジ』など数多くの人気シリーズがあるが、本記事では代表的な例に絞って紹介。)

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スクエニを支えた主要人物

スクウェア・エニックスの歴史には、数多くの才能あるクリエイターたちの存在が欠かせない。中でもゲームファンなら知っておきたい主要人物を紹介して行こう。

坂口博信(さかぐちひろのぶ)

坂口博信さん

坂口博信氏は、スクウェア創業期からのメンバーで『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親と称されるゲームクリエイター。

学生バイトからスクウェアに参画し、1987年に自らディレクターを務めた『FF』第1作が大ヒットして以降、同シリーズをエグゼクティブプロデューサーとして牽引した。映像表現や物語性に強いこだわりを持ち、FFシリーズでは毎回新たな挑戦を盛り込んで業界をリード。

1990年代には取締役副社長としてスクウェアを支え、『FFVII』の世界的成功にも大きく貢献。

だが2001年、映画事業失敗による経営悪化の責任を負いスクウェアを退社(副社長辞任) 。その後は自身のスタジオ「ミストウォーカー」を設立し、『ブルードラゴン』『ラストストーリー』など新作RPGを手掛けている。

現在は第一線を退きハワイ在住だが、ゲーム業界への発言力は健在で、近年はスクエニと再び協業し自身の最新作『FANTASIAN』のコンシューマー版を発売するなど話題を呼んだ。

ファンからは敬意を込めて「ミスターFF」とも呼ばれるレジェンドであり、その功績から2015年には英国アカデミー賞(BAFTA)の功労賞を受賞している。坂口氏の「物語で人の心を動かすRPG作り」の哲学は、今もスクエニ作品に受け継がれていると言える。

堀井雄二(ほりい ゆうじ)

堀井雄二さん

堀井雄二氏は、ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親であり、日本RPGの父とも称されるゲームデザイナー・シナリオライター。(スクエニ所属ではない)

元々は雑誌ライターだったが、1982年のエニックス主催ゲームコンテスト入賞をきっかけにゲーム開発の世界に入る。

中村光一氏らと組んで制作したPC用アドベンチャーゲーム『ポートピア連続殺人事件』(1983年)はその先駆的シナリオで注目を集め、次いで手がけたファミコン向けRPGドラゴンクエスト』(1986年)で大ブレイクします。以来ドラクエシリーズでは、一貫してゲームデザインとシナリオを担当し、「ロト三部作」「天空シリーズ」など数々の名作を世に送り出した。

堀井氏の作風は誰にでも分かりやすく奥深いゲーム性とユーモアと温かみのある物語にあり、日本のゲーム文化に計り知れない影響を与えている。

その後は自身の企画会社「アーマープロジェクト」を通じて活動し、現在に至るまでドラクエシリーズの企画・シナリオに深く関与する現役。

2016年には文化庁長官表彰を受け、2018年にはCEDECアワード特別賞を受賞するなど、その功績が公式にも讃えられた。インタビューでは「ドラゴンクエスト50周年(2036年)までは見届けたい」と語るなど 、情熱は衰えず健在。

スクエニにとって堀井氏は宝とも言える存在であり、「堀井雄二が関わる新作」と聞けばファンは大きな期待を寄せるほどである。

野村哲也(のむらてつや)

野村哲也氏は、スクウェア・エニックスの人気クリエイターで、キャラクターデザイナーおよびディレクターとして数々の作品を手掛けている。

1990年代前半にスクウェアへ入社し、『FFV』でグラフィックデザイナーとして頭角を現す。彼の描いたキャラクター案が坂口博信氏の目に留まり、『FFⅦ』では主要キャラクターデザインを担当、ストーリー原案やバトルシステムにもアイデアを提供している。

クラウドやセフィロスといった印象的なキャラクター造形は世界中のファンを魅了し、以降も『FFⅧ』『FFX』『FFXV』など多くのFF作品でキャラデザインを担当。

さらに2002年発売の『キングダムハーツ』では自身初のゲームディレクターを務め 、ディズニーとFFのクロスオーバーという大胆な企画を大成功させる。以降『キングダム ハーツ』シリーズの総監督として物語の深遠な設定を紡ぎ、シリーズを成長させている。

野村氏の作風はスタイリッシュで緻密なキャラクターデザインと、複雑ながらもファンを熱狂させるストーリーテリングに特徴がある。その独自の美学から国内外に熱狂的支持者を持ち、しばしばゲーム情報誌で「人気クリエイターランキング」の上位に名を連ねる。

スクエニ内では現在、野村氏はクリエイティブ・プロデューサー的立場で『FFⅦリメイク』プロジェクトや新規大型タイトルにも関与しており、まさに同社の顔の一人と言える存在である。

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近年の動向とグローバル展開

近年、スクウェア・エニックスは急速に変化するゲーム業界の中で事業戦略の見直しとグローバル展開の強化を進めている。

ゲーム市場は少子高齢化が進む日本国内だけではもはや大きな成長が望めず、グローバル市場でヒットを生み出すことが不可欠との認識が強まっている。

実際、ゲーム開発コストはハード性能向上に伴い桁違いに巨大化しており、開発投資を回収するには全世界での成功を前提とする必要があるとスクエニも公式に表明している。

こうした背景から、同社は限られた経営資源を有望な大型タイトルに集中投入し、世界規模で競争力を発揮できる作品作りに注力する方針を打ち出した。

その具体的な動きの一つが、海外スタジオのポートフォリオ再編。スクエニは2022年、欧米に持つ子会社スタジオ(Crystal DynamicsやEidos Montréalなど)および関連IPをスウェーデンのEmbracer Groupに約3億ドルで売却すると発表した。

売却対象には『トゥームレイダー』『デウスエクス』『THIEF』『レガシーオブケイン』等の著名シリーズが含まれる。これらのスタジオは2009年のEidos買収以来グループに貢献してきたが、近年の経営判断として開発リソースを社内の主力タイトルに集中させる狙いから手放す決断がなされた。

限られた人員・予算をより「骨太」なタイトル開発に再配分し、グローバル市場で勝てるコンテンツを安定的に投入できる体制を整えることが目的。この選択と集中により、スクエニは自社の強みである和製RPGや人気IP(FF、DQ、KHなど)に経営資源を注ぎ、品質向上とファンの期待に応える開発に注力していく。

また組織面では、海外子会社の統括や新興国市場への対応、外部パートナーとの協業など、グローバル経営の体制強化が進められた。近年のタイトルは日本と海外で発売時期を揃える同時展開が当たり前となり、宣伝も全世界規模で行われている。

例えば、『FFⅩⅤ』や『FFⅦリメイク』では世界同日発売が実現し、大規模な多言語プロモーションが展開された。さらにデジタル販売の普及により、世界中のユーザーが同じタイミングで作品を楽しめる環境が整ったことから、スクエニはグローバル同時ヒットを狙った開発・マーケティングを行っている。

IP展開の面でも国際的な活動が目立つ。『ドラゴンクエスト』はアニメ化(『ダイの大冒険』)や海外版の強化によって海外ファン層の拡大に努め、『キングダムハーツ』はディズニーとの協業を活かし海外イベントやグッズ展開を積極化している。

『FF』シリーズは長編CG映像作品やオーケストラコンサート「Distant Worlds」の世界ツアー開催などを通じて、ゲーム外でもブランド価値を高めている。さらにスクエニはブロックチェーン技術やNFT(デジタル資産)といった新分野への興味も示しており、将来的なゲームビジネスへの応用を模索している(※公式にNFT対応ゲームの企画も発表)。

これらは試行段階ながら、常に新技術に挑戦する企業文化の表れと言える。

経営陣の動きでは、長年社長を務めた松田洋祐氏が2023年に退任し、新社長に若手の桐生隆司氏が就任。このトップ交代は、新時代の変化に即応しグローバル競争を勝ち抜く体制づくりの一環とみられている。

桐生新社長のもとでスクエニが今後どのような戦略を打ち出すのか、業界の注目が集まっている。

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最後に

スクウェア・エニックスは創業から数えてすでに40年以上が経過しようとしている。その歴史は革新的なゲーム作りへの挑戦と、幾多の困難を乗り越えてきた物語だった。

FFとDQという二大RPGが一つ屋根の下に揃った現在、同社は日本のみならず世界中のファンに向けてエンターテインメントを発信し続けている。

ゲームを通じて人々に感動と驚きを届けたい」という創業以来の精神は今も脈々と受け継がれ、スクウェア・エニックスはこれからもグローバルゲーム市場をリードする存在として進化を続けていくだろう。

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