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【特集】スーパードンキーコングが生んだ革命 | ドット技術・ゲームデザイン・開発秘話を語る

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1994年(平成6年)11月26日スーパーファミコン向けに任天堂から発売された横スクロールアクションゲームが『スーパードンキーコング』である。

開発を手掛けたのはイギリスのゲーム会社レア社で、当時として最先端の3DCG技術を駆使した緻密で美しいグラフィックが大きな話題を呼んだ。

赤いネクタイがトレードマークのパワフルなゴリラ「ドンキーコング」と、赤い帽子とシャツがトレードマークのチンパンジー「ディディーコング」のコンビを操作し、様々な仕掛けが施されたステージをゴール目指して冒険して行く。

ファミコン時代の名作『ドンキーコング』(1981年)でおなじみのキャラクターを新たな設定で蘇らせた本作は、発売当時「次世代アクションゲーム」として大々的に宣伝され、その滑らかなCG風グラフィックと軽快なアクションに多くのゲームファンが衝撃を受けた。

また本作は国内外で大ヒットし、後に続編やスピンオフが多数生まれるシリーズの礎となった。

この記事では、そんな『スーパードンキーコング』のストーリー概要や魅力的なキャラクター、舞台となる「DKアイランド」のステージ構成、ゲームシステムの特徴、グラフィックや音楽面の技術的革新、開発の裏話、発売当時の評価や売上実績、さらにはゲーム業界への影響まで詳しく解説して行く。

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ストーリー

スーパードンキーコング』の物語は、ジャングルの王者ドンキーコングと相棒ディディーコングの2人が、奪われたバナナの山を取り戻す冒険から始まる。

舞台は豊かな自然にあふれたDKアイランド。ある夜、ドンキーは自慢のバナナ倉庫の見張りをディディーに任せて眠りにつく。

しかし、その隙を突くように、かねてからバナナ強奪を企てていたワニの軍団「クレムリン軍団」が襲来。ディディーは得意のトンボ返り(ローリングアタック)で応戦するものの、敵の数に圧倒され捕らわれてしまい、タル(樽)に詰め込まれてジャングルの奥地へ放り出されてしまう。

翌朝、大声で起こされたドンキーコングがバナナ倉庫を見に行くと、中身は空っぽ。島中のバナナが根こそぎ盗まれていたのである。

犯人がクレムリン軍団であることを見抜いたドンキーは、無事だったディディーコングと合流し、大好物のバナナを取り返すため島中を巡る冒険へと旅立つことを決意する。

目指すはクレムリン軍団の親玉キングクルールの撃破と、奪われた「バナナの山」の奪還である。こうしてジャングルから洞窟まで広がるDKアイランドを舞台に、ドンキーとディディーの熱い冒険劇が幕を開けるのである。

物語自体はシンプルで王道だが、ゲーム中では語り部的存在のクランキーコング(後述)が辛口ジョークを交えながら語ることで独特のコミカルさが演出されている。

また、エンディングではキングクルールとの戦いが一筋縄ではいかず“まさかの偽スタッフロール”が流れるといった演出もあり、プレイヤーをニヤリとさせるユーモアも隠されている。

全体として、重厚な世界観というよりはコミカルで痛快な冒険ストーリーであり、子どもから大人までワクワクできる内容となっている。

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登場キャラクター

ドンキーコング (Donkey Kong)

本作の主人公でありプレイヤーキャラクターの一人。ジャングルの王者を自称するゴリラ。赤いネクタイがトレードマークで、バナナが大好物 。

1981年のアーケードゲーム『ドンキーコング』に登場した初代ドンキーコング(ビデオゲームでマリオと戦ったゴリラ)の孫にあたる存在であり、祖父から「ドンキーコング」の名を受け継いだ二代目という設定。

いわば血筋正統のジャングルの王者で、力自慢でパワフルなアクションが持ち味。体格が大きくハンドスラップ(地面を叩いて衝撃を与える攻撃)などパワー系の技を使えるため、重いタル(樽)を投げ飛ばしたり頑丈な敵を踏み潰すことができる。

一方で俊敏さは相棒のディディーに劣り、素早い動きは少し苦手。しかしながら頼れるパワーキャラとして、ゲーム中ではディディーでは倒せない強敵を一撃で倒すなど大活躍する。

待機モーションで胸をドラムのように叩いて大声で吠える豪快な姿も印象的。

ディディーコング (Diddy Kong)

ドンキーコングの親友であり相棒を務める小柄なサル(チンパンジー)。赤いシャツと赤い帽子がトレードマークで、帽子には星マークが描かれている。

自称「ドンキーの一番弟子」で、ドンキーに強い憧れを抱いている。

体が小さい分パワーでは劣るが、その身軽さとスピードが武器。ジャンプ力が高く、動きも俊敏なため、ドンキーでは届かない高所に跳んだり、素早く走り抜けたりといったアクションを得意とする。

ローリングアタックは横回転のトンボ返りで、素早く敵に突進が可能。またタルを持ち上げた際は身体の前で抱えるため、ドンキーより素早く水平に投げることができ、目前の敵に命中させやすい特徴がある。

ただし体重の軽さゆえに踏みつけ攻撃の威力が弱く、ドンキーなら踏み潰せる敵でもディディーのジャンプでは倒せず跳ね返されてしまうことがある。

ゲーム中では操作キャラとしてドンキーと差別化されており、「パワーのドンキー、スピードのディディー」として二人三脚で冒険を支える。その小生意気で活発なキャラクターから、当時のプレイヤーにも愛された相棒キャラである。

クランキーコング (Cranky Kong)

ドンキーコングとディディーコングを陰ながらサポートする初老のゴリラ。かつて若い頃にマリオと戦った初代ドンキーコング本人が年老いた姿であり、本作で初登場した設定上の「クランキー(=毒舌じいさん)」。

ゲーム内では所々にある小屋(クランキーの小屋)に登場し、冒険のヒントやアドバイスを長老的立場から語ってくれる。

しかし、名前のとおり皮肉屋で短気な性格でもあり、話を聞いていないと小言を言ったり、説教混じりに昔話を始めたり、さらには手に持った杖でドンキーとディディーをペシペシ叩くコミカルな仕草も見せる。

実は説明書などで「今作のドンキーの祖父」と明かされており、往年のアーケードヒーローが愉快なおじいちゃんになった存在。

彼の発言には「昔の8ビットゲームの方が難しかった」「最近のゲームは見た目ばかりだ」などメタ的な自虐ネタも多く、当時のゲームファンにはクスッと笑える要素だった。

クランキーは以降のシリーズでも長老ポジションとして登場し、ドンキー達に的確(かつ辛辣)な助言を与える愛すべきキャラクターとなっている。

キングクルール (King K. Rool)

本作の最終ボスである巨大なワニの王。悪名高いクレムリン軍団を率いる親玉で、ドンキー達のバナナを盗んだ張本人。肥満体のワニに王冠とマントを身につけた姿をしており、一見マヌケにも見える風貌ながら油断ならない。

キングクルールはDKアイランド沖に停泊する巨大海賊船「キングクルールのふね(Gangplank Galleon)」に陣取り、冒険の最後に待ち受ける。

戦闘では王冠をブーメランのように投げつけたり、凄まじい勢いで体当たりしてきたり、天井から巨大な大砲玉を降らせたりと、多彩な攻撃パターンでプレイヤーを苦しめる。

踏みつけ攻撃が有効な弱点ではあるが、頭に王冠を被っている間は踏んでもダメージを与えられないというトリッキーな性質があり、隙を見極める必要がある。

さらに倒したかに見せかけてフェイントで復活し、偽のエンディングスタッフロールを流すという意地悪なだまし討ち演出も行って来る。

こうした狡猾さもあって、一筋縄ではいかない強敵ボスとして強い印象を残した。キングクルールは本作の大成功により後のシリーズや派生作品(例えば『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』など)にも登場し、ドンキーコングの宿敵として知られる存在になっている。

その他のコングファミリーと仲間たち

上記の主要キャラクター以外にも、ドンキー達を助けてくれる仲間キャラクターが登場する。

ファンキーコングはバンダナとサングラスがトレードマークの陽気なゴリラで、ドンキーの親友。彼は各エリアの拠点にある「ファンキーコングの小屋」にてファンキーバレル航空という小型飛行機サービスを提供しており、クリア済みのエリア間を自由に行き来させてくれる。趣味のサーフィンの影響か気さくでフランクな性格で、島の地理にも詳しく役立つ情報を教えてくれることもある。

キャンディーコングは本作唯一の女性キャラクターで、ドンキーコングのガールフレンド。彼女はキャンディーのセーブポイントという名前で各所に登場し、プレイヤーがゲームの進行状況をセーブ(保存)できる場所を提供してくれる。

やさしいお姉さん的存在で、当時のプレイヤーにとっては「セーブしてくれる天使」のようなありがたいキャラクターだった。キャンディー自身もドンキーとファンキー両方のガールフレンド的立ち位置という設定が公式で語られており(ちょっと不思議な関係性ですが)、コングファミリーのマドンナ的存在と言える。

この他にも、敵として登場するクレムリン軍団には様々な種類のワニたちがいる。雑魚敵のクリッター(二足歩行の細身のワニ)や小型の噛みつきワニクラップトラップ、ヘルメットを被った巨体のクランプ、筋骨隆々のクラッシャなど、多彩な敵キャラがステージごとに待ち受ける。

また各エリア最後にはユニークなボスキャラ(巨大ビーバーのボスノーティや巨大ネッキー、クイーンBなど)が登場し、ドンキー達の前に立ちはだかる。個性的なキャラクター達が織りなす世界観も、本作の大きな魅力の一つと言える。

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舞台:DKアイランドと多彩なステージ構成

DKアイランドは、本作の冒険の舞台となる南国の大きな島。島全体がジャングルや険しい山岳地帯に覆われ、地形そのものがドンキーコングの顔のような形をしているというユニークな設定になっている。(上の画像をよーーーーーく見てごらん!)

ゲーム開始時にはドンキーの自宅がある「ジャングル」からスタートし、島の頂上付近に停泊するキングクルールの海賊船を目指して進んで行く。

DKアイランドはエリア(レベル)と呼ばれる複数のワールドで構成されており、各レベルに5〜6つの通常ステージと1つのボスステージが含まれている。ステージを順番にクリアしていくことで次のレベルへと進み、最終的にキングクルールの待つ船にたどり着く流れ。

レベル1「コンゴジャングル」 

ゲームの序盤を飾る熱帯ジャングル地帯

スタート地点にはドンキーの木造りの家があり、背景には昼から夜へと移り変わる美しい夕焼けの空が広がる。茂みやヤシの木が生い茂る王道ステージで、基本的な操作に慣れるチュートリアル的側面も持つ。

1-1「バナナジャングル(Jungle Hijinxs)」ではドンキーのバナナ倉庫も登場し、クリア時には夜になる演出もある。

レベル2「モンキーマインズ」

ジャングルの地下に広がる鉱山エリア。薄暗い洞窟や廃坑道が舞台となり、有名なトロッコステージもここに含まれる。

ステージ「マインカートコースター(Mine Cart Carnage)」ではプレイヤーはトロッコに乗り込み、レール上を猛スピードで疾走する。ジャンプで障害物を避けたり穴を飛び越えたりするスリリングな展開に、思わず手に汗握ること間違いなし。

鉱山ならではの敵として、トロッコに乗ったクリッター(クラッシュ)が逆走してきたりもする。

レベル3「もりのみさき(Vine Valley)」

巨大な木々が生い茂る森林地帯や遺跡が中心のエリア。

ツタやロープが張り巡らされた樹海ステージや、かつてこの島に存在した文明の遺跡ステージなど、多彩なシチュエーションが特徴的。

遺跡ステージではトゲトゲのトラップや大きな蜂型の敵ジンガーが待ち構え、アクションの緊張感が増して行く。

レベル4「ホワイトマウンテン(Gorilla Glacier)」

島の高地にあたる雪山エリア。それまでの南国ムードとは一変し、一面が銀世界に覆われた雪と氷のステージが続く。

猛吹雪で視界が悪くなる「ふぶきの」や、氷の床で滑りやすい足場が連続するステージなど、高難度のコースが揃っている。

特に「ふたたびふぶきの谷」では、吹雪が徐々に激しさを増し画面が真っ白になっていく演出があり、多くのプレイヤーに強い印象を残した。

音楽も神秘的で美しく、寒冷な雪山の雰囲気を盛り上げている。

ゲームシステム

このゲームは基本的に、横スクロールのアクションプラットフォームゲームで、プレイヤーは主人公のドンキーコングとその相棒ディディーコングを操作し、ステージを進みながら盗まれたバナナ貯蔵庫を取り戻すために島の各地を冒険する。

以下、主要なゲームシステムの要素を整理していく。

基本アクション

  • 左/右移動:方向キー(十字ボタン)左右でキャラクターを横移動。 
  • 走る:方向キーで移動中に「Yボタン(または対応ボタン)を押しながら」で走ると速く移動でき、ジャンプ距離・ジャンプ高さも上がる。
  • ジャンプ:「Bボタン(もしくはゲーム機ボタン)を押す」でジャンプ。走って踏み切るとさらに遠く、高く跳べることが多いです。 
  • 下/しゃがみ:方向キー下でしゃがみ、障害物の下をくぐったり、狭い足場に対応したりします。 
  • ローリング/カートホイール(回転攻撃):Yボタンまたは対応ボタンで転がったり回転したりして進む動作。敵をまとめて倒したり、慣性を利用したジャンプなどにも使えます。 
  • ハンドスラップ(ドンキーの手叩き):下方向キー+Yボタンで手を叩いて隠しブロックを発見したり、接近敵を一撃で倒したりできる。
  • バレル・樽の操作:樽を拾って投げる、または特定の樽に入って移動するなど、ステージギミックとして多用されます。マニュアルには「バレルスロー」という記述がある。
  • ロープ登り・ぶら下がり:ツタやロープを発見したら、ジャンプで掴まり、上/下キー+Yで高速登りなどが可能。足場移動のバリエーションとして登場。 

キャラクター操作と切り替え

このゲームでは、主人公であるドンキーコングとそのディディーコングの二人のキャラクターを要所要所で切り替えながら適材適所に使うという仕様が大きな特徴。

ドンキーはパワー型ディディーはスピード・機動力型という性能の違いが設けられていて、ステージ攻略において「どちらを使うか」「どう切り替えるか」が最大の鍵となる。

例えば、ディディーでは倒すのに困難もしくは不可能な敵でも、ドンキーなら一撃で倒せる。一方で、ドンキーでは飛び越えられない場所も、ディディーの跳躍力なら飛び越えられるといった性能差がある。

極論、敵突破ならドンキーアイテム収集・ステージ攻略ならディディーが特化している。

キャラクターはステージ開始時にどちらかが主役として設定されており、もう一方は待機状態になっている。

もし操作キャラクターがダメージを受けて倒された場合、残りのキャラクターがその場で引き継ぐというシステム。いきなりステージが終わるわけではなく二人切り替えでリカバリー可能という安心設計。

収集・コンプリート要素

  • バナナ:ステージ各所に配置されている黄色いアイテムで、100本集めることでライフ(1UP)を得られる。「100本バナナでライフ獲得」という明確なインセンティブが、単にゴールを目指すだけでなく “バナナを集める” という行為を促します。(スーパーマリオのコインに近い)
  •   K-O-N-Gパネル:各ステージ内に「K」「O」「N」「G」の文字が1つずつ(計4つ)隠されており、これらをすべて集めることで報酬が得られる。
  • 隠し部屋・ボーナスステージ:ステージ内で特定の条件(隠し壁を壊す、特定ギミックを使うなど)を満たすことで入り込めるボーナスルームが存在。これらを探し出すこともコンプリート要素の一つと言える。
    • また、全ボーナスステージを踏破することで達成率(%)が進行し、最終的に101%になる。(101%クリア

アニマルフレンド

この作品では、特定のステージに配置された「アニマルフレンド」と呼ばれる動物の仲間を見つけ出し、それを使ってステージを有利に進めることができる。これらは通常「アニマルクレート」の中に隠されていて、それを破壊することでフレンドが登場する。

アニマルフレンドを使うことで、通常キャラクターだけではたどり着けないルートに進めたり、強敵を一気に突破できるなど、攻略に幅を利かすことができる。

また、各地に散らばったアニマルエンブレムを3つ集めることで、そのエンブレムをモチーフにしたアニマルのボーナスステージに挑戦が可能で、ライフアップ(1UP)を大量に稼ぐ大チャンスを得られる。

ランビ

サイ型のアニマルフレンド。最強の攻撃力を誇り、岩や壁を壊す力に優れており、固い障害物を「突進」で破壊できるため、隠しエリアへの入口となる壁を壊す場面で非常に有効。  

エンガード

カジキやイルカのようなアニマルフレンド。水中専用のアニマルフレンドで、泳ぎが速く、障害物を突き破ったり水中ステージを安全に進むのに役立つ。

エクスプレッソ

ダチョウ型のアニマルフレンド。直接攻撃はできないタイプだが、その代わりに 「空中を長く滑空できる」 という強力な移動能力を持っているのが特徴。

ウィンキー

カエル型のアニマルフレンド。高性能なジャンプ能力を持つ。これによって、ドンキーやディディーでは届かない高所の足場やアイテムを簡単に取れる。

スコークス

オウム型のアニマルフレンド。他のアニマルフレンドとは異なり、非ライドタイプのサポート役。特定の暗いステージで照明代わりになってくれる

音楽

今作はゲーム性やデザインだけでなく、音楽に対する評価も非常に高く、未だに話題になることが多い。

本作のサウンドトラックは、主にイギリスの作曲家 David Wise(デイヴィッド・ワイズ)によって手がけられ、ほんの一部を Eveline Fischer(イーブリン・フィッシャー)と Robin Beanland(ロビン・ビーンランド)が担当している。

ワイズは、「当時のスーパーファミコン(SNES)の音源チップ(SPC700)でも可能な限り印象的な音楽を作りたかった」と語っており、背景グラフィックのデモ機的インパクトに負けない音響体験を目指した。

  • 環境・シーンによって音楽の雰囲気が変化
    • ジャングル、洞窟、水中、雪原、工場など各ワールドのテーマに即して音の色が変わるよう設計されている。例えば水中ステージ用トラック「Aquatic Ambience」は浮遊感・静謐さを感じさせる構成。 
    • ちなみに同曲を作曲するのに「5週間を要した」模様。
  • 自然音+メロディ+リズムのミックス
    • ワイズは「自然の音(鳥のさえずり、風のざわめきなど)」をリズム要素・テクスチャに取り入れ、それをメロディと打楽器音で支えるというスタイルを多用している。
  • 技術的挑戦
    • スーパーファミコンという16 bit時代の限られた音源環境の中で、高度なサンプリング・波形編集・音色設計がなされた。ワイズ自身が「Korg Wavestation(シンセサイザー)の音をスーパーファミコンで出したかった」と語っている。

売上データ

  • 世界的な累計販売数は約930万本
  • 日本での売り上げは約300万本
  • 発売初期のアメリカでは「1週間で50万本超を売った」「発売後6週間で600万本を突破した」など、非常に速いペースで売れていた。

開発秘話

3Dモデリング+スプライトへの変換技術「ACM」

開発元のレア社は、SGIワークステーションを使って3Dモデルを作成し、それをスーパーファミコン(SNES)用にスプライト化するという新技術を用いていた。

この試みは当時としてはかなり画期的で、「次世代機じゃないと出せないのでは?」と言われていた。

任天堂からの反応

開発初期、任天堂の関係者が試作版を見た際に「あまりにも3Dに見える」と懸念を示したと言われている。

つまり、2DハードのSNESで3D的に見える表現を追求することが、一種の挑戦でもあったという。

音楽とサウンドチームのチャレンジ

作曲者のデイヴィッド・ワイズ氏が語るところによれば、ゲームの画像・ステージを見せられて「この雰囲気に合う音を作ってほしい」という依頼を受け、SNESの音源チップ(SPC700)の制約内でサウンドを最大限に演出するための創意工夫を重ねた。

また、たとえば名曲「Aquatic Ambience」は「8つの波形を並べ替えて組んだ実験が元になった」と明かしている。

ドンキーコングのデザイン再構築

キャラクターデザイン面でも、シリーズ初期からの変化があった。

ドンキーコングの見た目を再設計し、「走るモーションは馬のギャロップを参考にした」といった逸話もある。

企画決定・IP(知的財産)の採用の背景

任天堂が、ライバル機種(特にセガのメガドライブやCD拡張機器)への対抗策として、レア社の3D変換技術を活かした「次レベルのグラフィックタイトルを求めていた」という背景がある。

レア社側は「どのキャラクターを使うか」という提案を受け、最終的にドンキーコングが採用されたと伝えられている。

開発中の没案・エピソード

当初の企画案に「悪役ワリオ×タイムマシーン」があった

この作品の初期企画には、なんとワリオを悪役として起用する案が含まれていたと言われている。

ストーリー案の一つとして「マリオがタイムマシーンを発明し、ワリオがそれを使ってマリオを石に変えて…オウムがそれを目撃してドンキーに助けを求める」というコンセプトが存在したとのこと。 

しかし任天堂が「悪役は新しいキャラクターを使ってほしい」と要求し、この案は採用されず、クレムリング軍団というオリジナルの敵勢力が用いられることになったと言われている。

ディディーコングは当初「ドンキーコングJr.」のリメイク案だった

相棒役として考えられていたのは実は「ドンキーコング Jr.」のリメイク案だったという。

ところが任天堂がそのデザイン変更を問題視し、結果的に「新しいキャラクター」にすると決定。こうしてディディーコングが誕生する。

また、その名前候補には「Diet Donkey Kong(ダイエット・ドンキーコング)」「DK Lite」「Titchy Kong(チッチー・コング)」などもあったそうだ。

「見た目が3Dすぎる」という反応

実際に任天堂の幹部、例えば横井軍平氏(ゲームボーイ開発者)などが試作を見て「3D過ぎてSFCではこのまま遊びにくくならないか?」と懸念したという逸話があります。 

しかし最終的にその「3Dっぽさ」が作品の大きな魅力となり、グラフィック面での革新として評価されることになる。

宮本茂氏との関連性

英国のスタジオ Rare が開発し、任天堂が発売した作品で、ドンキーコングのキャラクターデザイナーである宮本氏が直接「ディレクター」や「プロデューサー」として関わったわけではない。

ただし、任天堂とレア社の開発体制の中で、宮本氏は「ドンキーコングというキャラクター・IP(知的財産)オーナー/監修者」の立場として 意見・アドバイス”を提供していたという記録がある。

例えば、レア側の開発記録によれば宮本氏が「地形叩き(ハンドクラップ)などのアクションを加える提案をした」とされている。

また、宮本氏はこの作品について、後年「レア社はドンキーコングというシリーズに新たな命を吹き込んだ」と称賛するコメントを発している。

最後に

美しいグラフィック、心に残る音楽、遊ぶたびに発見があるステージ構成──

スーパードンキーコングが生み出した世界は、いまも多くのプレイヤーを魅了し続けている。

どこまでも広がるジャングルから、暗い洞窟、吹雪の山岳、巨大工場に至るまで、その1つひとつが冒険する楽しさを思い出させてくれる。

時代を超えて愛される理由は、この作品がただのアクションゲームではなく、『プレイヤー自身の記憶に寄り添う旅』として作られているからだろう。

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