【遊戯王】PSタイトル『封印されし記憶』がクソゲーと言われる理由を徹底解説!!

遊戯王 真デュエルモンスターズ 封印されし記憶
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皆様、こんにちは!!

ゲーム界隈には『クソゲー』という業界用語がある。💩これは、ゲームバランスや内容があまりにもお粗末な内容であり、「こんなゲームに8000円?!ふざけるな!!金返せ!!!!!!!」となる世紀末のような作品のことを指す。

1999年に初代PlayStation向けに発売された『遊戯王 真デュエルモンスターズ 封印されし記憶』(以下、本作)は、当時子どもたちに爆発的人気だった遊戯王カードゲームを題材にしたタイトルで、50万本以上というとんでもない売上げを記録。

その実態は「遊戯王史上最悪」とまで言われる激烈な難易度を誇り、各所で「伝説のクソゲー」の烙印を押される結果となった。

あまりの難易度の高さに、筆者はプレイ中にコダックのように激しい頭痛が起こり、夜にはヘイシーンが出てくる悪夢を見たりもした。(本当かよ)

本記事では、本作がなぜ「クソゲー」と呼ばれるのかを詳しく解説して行く。ゲームバランスの問題点から、他シリーズ作品との比較、僅かに評価されているポイント、そして実際のプレイヤーの声まで、あらゆる角度からこの問題に迫って行く。

『遊戯王デュエルモンスターズ 封印されし記憶』がクソゲーと呼ばれる理由

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第1章:崩壊したゲームバランスと理不尽な要素

本作最大の特徴として指摘されるのが、そのゲームバランスの崩壊ぶりである。通常のカードゲームでは考えられない理不尽な仕様や難易度設定がプレイヤーを苦しめ、「クソゲー」評価の主因となった。主な問題点を見て行こう。

融合頼みの単調なゲーム性

本作ではカードを召喚するコスト概念が一切存在しない。つまり本来のOCG(公式カードゲーム)で必要な上級モンスターを出すための生け贄(リリース)が不要で、手札さえあれば攻撃力2500以上の大型モンスターをいくらでもノーコストで召喚可能

敵AIはこのルールを最大限に悪用し、中盤以降は手札にある強力カードを遠慮なく連発して来る。通常の遊戯王では考えられないこの仕様により、ゲーム後半は常に高攻撃力モンスターとの戦いを強いられる。

特にストーリー最終盤の神官セト戦では、初ターンから超高確率で《青眼の究極竜》(攻撃力4500)を召喚され、運が悪ければ相手の場に複数並ぶことも、、、😱

当時、小学生だった筆者はセトよりも、『青眼の究極竜』に嫌悪感を抱くようになるくらいに凶悪な難易度であった。

インフレする難易度と初見殺しの連続

序盤なのに攻撃力4461という化け物が飛んでくる。

物語の進行に伴う敵デッキのインフレも凄まじいものがある。

ストーリーモードは古代編→現代編→再び古代編(最終盤)と進むが、現代編2戦目あたりから敵のカードパワーが飛躍的に上昇し、後半では攻撃力3000超えが日常茶飯事となる。

例えば、現代編中盤の闇バクラ戦では攻撃力2000以上のモンスターに加え、守備力3000の《千年の盾》《迷宮壁》まで繰り出してきて、初心者はデッキ切れ寸前まで追い込まれる。

ちなみにこの段階でのプレイヤーデッキは、相変わらず融合に頼った初期デッキベースのものを使っている状況だが、運良く融合できたとしても最高攻撃力は《双頭の雷龍》の2800。”積み”である。。。

さらに終盤ではフィールド効果(+500補正)も相まって初手から攻撃力3000超えのモンスターが飛び出す地獄絵図で、敵の1ターン目に《青眼の白龍》(攻撃力3000)が出現すると「まだマシな方(もっと酷いカードでないだけラッキー)」と思える修羅の世界。それはもう『北斗の拳』の修羅の国以上。

実際、ラスボス直前の6連戦(大神官5人+ラスボス)はあまりの難易度から一部プレイヤーに「ファッキン6🖕」と仇名され忌み嫌われる存在となっている。

どう見てもただのモブキャラにしか見えないコイツですらバカ強い。しかも迷路の選択を間違えると、無限にコイツと戦うハメになるという地獄が待っている。(もはや運か攻略サイトが必須)

あるプレイヤーは「現代編突破するだけでもクソ難しいよな。石津(※イシズ)あたりから敵の平均攻撃力2000超えで、こっちは400とか600とかばっか…強くても1400なのに…」と嘆いており 、当時このバランスに直面した初見プレイヤーの多くが挫折を味わった。

特に序盤~中盤で充分な下積み(カード収集や融合知識の蓄積)をしていないと、最終盤の連戦はまず勝ち目がない。(下積みを重ねてもクリアできるか分からんけど…)

初見殺し」の展開も多く、ゲーム内で融合レシピやドロップ率といった重要情報は一切明かされないため 、ネットや攻略本なしで自力で挑む当時のプレイヤーは理不尽な壁にぶつかるほかなかった。

「攻略情報がないとクリアはまず無理です(ファミコンのゲームかな?)」 と揶揄されるほどで、発売当時SNSや動画サイトもない中、手探りで試行錯誤する様はまさに「賽の河原の石積み」のような苦行そのものだった。

ちなみに筆者は、周りの友達もプレイしている人が多かったから、融合の組み合わせの情報交換をしたり、ポケットステーションで当たりが出たリモコンと赤外線通信をさせてもらったり、、、と、色々と試行錯誤を繰り返していた。それでもクリアできなかった!!!!!!!

ドロップ運と果てしない周回プレイ

理不尽さに拍車をかけているのが、報酬カード入手の運要素。本作ではデュエル勝利時にもらえるカードは1枚のみ。しかも各CPUごとに約100種前後ものドロップ候補が設定されており、強力カードほど低確率という偏りぶりである。

極端な例では、ポケットステーション無しで手に入る最強クラスの《メテオ・ブラック・ドラゴン》ですらドロップ率は1%未満といわれ、ラスボスを倒しても攻撃力1000未満の雑魚カードが平然と手に入ることもザラ。

いわゆる「物欲センサー」に苦しめられ、狙ったカードを得るためには途方もない周回プレイ(フリーデュエル周回)を強いられる。

筆者はジョーノ(2戦目)に101勝してよう役《真紅眼の黒竜》をゲットしたが、攻撃力2400ラインはこのゲームでは中々の雑魚部類😅敵が繰り出す《スカルビショップ》や《ブラック・マジシャン》に瞬殺されてしまう。。。

デーモンの召喚》と融合すれば、攻撃力3200の《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》を召喚できるが、デーモン自体もポケステ以外での入手はほぼ不可能という有様。

アニメなどで遊戯王が大好きになった子供たちの心を踏みにじるようなゲームシステムと言える。

さすがにアホすぎる要求数

さらに、本作独自のカード入手手段としてパスワード+スターチップの仕組みがある。現実のカードに印字された8桁のパスワードを入力し、集めたスターチップと交換でカードを1枚入手できる救済措置だが、その要求バランスも極めて不親切。

強力カードの大半は必要スターチップ数999,999個に設定されており、1勝あたりもらえるスターチップはせいぜい5個前後なため、単純計算で20万勝以上(1戦1分で回しても約3ヶ月半ぶっ通し)のプレイが必要という狂った設定になっている。

しかも《聖なる魔術師》《音女》といった弱いカードですら軒並み999,999個を要求される始末で、性能とコストがまるで噛み合っていない。(きっとギャグ)

事実上パスワードによるカード入手は「使わせる気がない」状態であり、まともにやっていては全カードコンプリートなど不可能

以上のように、プレイヤーは強カードを揃えるために際限ない運試しと作業プレイを余儀なくされる。その割に敵はどんどんインフレして攻めてくるため、常に力不足・カード不足を感じながら不利な戦いを強いられる。

こうした「ストレスMAX!!!」設計に、多くのユーザーが「こんなのクリアさせる気がない」「鬼畜難易度すぎる」と怒りを覚えたのも無理はない。実際、「うちのリモコンからブルーアイズ(青眼の白龍)が出てちょっとしたお祭り騒ぎになった」というエピソードが語られるほど、レアカード入手は一種の運試しイベントと化していた。

筆者の友人は「あまりの理不尽さにイラついてフリスビーして遊び、親に怒られた」と語っていたほど(笑)本当かどうかは分からんけど。

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第2章:他シリーズ作品との比較 ~公式ルールとの違い

本作がクソゲーと評される背景には、遊戯王カードゲームの公式ルールから大きく逸脱した独自仕様があることも挙げられる。

他のシリーズ作品、とりわけGBAで展開された「エキスパートルール」準拠の作品群と比較すると、本作の特異さと未成熟さが浮き彫りになる。

生け贄召喚なし・効果モンスターなしの歪なルール

前述の通り、本作最大の特徴は公式ルールである生け贄召喚の廃止だった。レベル5以上のモンスターでも生け贄なしで召喚できてしまうため、通常ルールでは重いコストゆえ切り札的存在の《青眼の白龍》(攻撃力3000)すらも、敵はノーコストでポンと場に出して来る。

原作の『デュエリスト・キングダム』のルールと同じと言えば分かりやすいか。ただ、原作は魔法・罠などが豊富にあるが、本作ではほぼ無し。

これは遊戯王OCGの不文律「手札から通常召喚できるモンスターの攻撃力は3000が上限」 をあっさり破壊するものだった。当然この仕様はゲームバランス崩壊の一因となっている。

一方、後発のGBA作品である『遊戯王デュエルモンスターズ5 エキスパート1』(2001年)や『6 エキスパート2』(2001年末~2002年)は、OCGのルールをしっかり再現した「エキスパートルール」を採用している。

実はこのエキスパートルール(生け贄召喚の導入や属性相性システムの撤廃)は原作アニメのバトルシティ編で確立されたもので、ゲームで初めて忠実に実装したのがGBAの「DM5 エキスパート1」だった。

サブタイトルに「EX(エキスパート)」と明記されている通りで、上級モンスターには生け贄が必要、効果モンスターも原作通り機能、トラップや魔法の発動タイミングも公式準拠と、本来の遊戯王に近い戦略性を持っている。

つまり、本作『封印されし記憶』は据置機の大作でありながら公式ルールに準拠しなかった異端作であり、当時ですら既に旧世代的なゲーム性だったと言える。

また収録カードの少なさも見逃せない。本作の収録カード枚数は約720枚程度で、実は5か月前に発売されたGB版『遊戯王デュエルモンスターズⅡ 闇界決闘記』からたった2枚増えただけに留まる。

PS1という高性能ハードへの展開にもかかわらずカード数はGB並みで、しかも人気カードの一部がポリゴンモデル制作の都合からか未収録になるという体たらくであった(例:原作でキースが使用した《リボルバー・ドラゴン》が収録漏れ) 。

一方、GBAのエキスパートシリーズはDM6で約1000枚以上を収録するなど徐々にカードプールを拡充し(※ROM容量の制約で未収録もあったが)、少なくとも(PSなのにGB以下」などと揶揄されることはなかった。

さらにモンスター効果の有無も大きな差である。本作では上述の通り効果モンスターが軒並みバニラ化(ただの通常モンスター化)され、攻撃力のみが物を言う世界だった。これではせっかくのモンスター固有効果が活かせず、カードゲームとしての戦略が極端に単調になってしまう。

GBA以降の作品では当然ながら原作通りモンスター効果が搭載され、例えば《クリッター》でデッキからモンスターサーチ、《聖なる魔術師》で魔法カード回収といった多彩な効果コンボが楽しめます。本作にも《グレート・モス》や《聖なる魔術師》など本来効果持ちのカードは収録されているが、効果が削除されているせいでアイデンティティ喪失、単なる弱小モンスターに成り下がっていた。

この点でも、当時のプレイヤーから「なんで遊戯王使ってんのに遊戯王じゃないことさせてるのか理解不能」 という批判の声が上がっている。

要は「遊戯王カードを使った別ゲー」になっており、ファンの期待したカードゲーム体験とは大きくかけ離れてしまったのである。

他作品に見る改善点と進化

GB~GBAの他シリーズ作品と比較すると、本作で不満点だった箇所が徐々に改善されていったことが分かる。例えば次作にあたるGB版『遊戯王デュエルモンスターズ3 三聖戦神降臨』では、携帯機ながら公式ルール要素とゲームオリジナル要素を両立し、本作より遊びやすい内容になっている。

GBAのエキスパートシリーズでは前述の通り正規のルールを導入し、生け贄召喚の復活やドロップ入手からパック購入方式への変更(作品による)など、理不尽さを抑える方向に進化している。

カード交換システムや、CPUの思考強化、収録カード枚数の増加など、ハード性能とユーザー要望に合わせてシリーズは改善を重ねて行った。

もっとも、エキスパートシリーズが全て完璧だったわけではなく、カード収録の歯抜け問題やCPUの初期手札積み込みといった問題点もあった。しかし少なくとも本作『封印されし記憶』ほどゲームバランスが破綻した作品は他になく、その意味で本作は遊戯王ゲームの中でも異質かつ特別な存在となっている。

遊戯王史上最悪…というか数あるゲームの中でも上位に入る程の激烈な難易度」 という評価は、他作品と比較しても大げさではない。

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第3章:クソゲーだけど評価されている点も…

散々に言われがちな本作だが、一部では「ここだけは良かった」と評価されているポイントも存在する。BGMや演出面、独特なゲームシステムの中には光る要素があり、これらは本作が単なる駄作ではないと再評価される材料にもなっている。

BGMの質の高さ

音楽(BGM)の素晴らしさは、多くのプレイヤーが口を揃える本作唯一と言っていい長所。古代エジプト風の神秘的な曲、現代編大会の熱いデュエル曲、ラスボス「ヘイシーン」戦の緊迫感あふれる曲など名曲揃いで忖度無しでハズレ曲がほとんど無いのが凄い。

コナミらしくサウンド面のクオリティは高く、「BGMが名曲揃い。まあ確かにコナミだしな…」とプレイヤーが感心するほど。発売当時はサントラCDが発売されず、「BGMが良すぎてサントラ欲しかったけど出なかったな」という声もあった。

特に評価の高いフリーデュエルのBGMやヘイシーン戦のテーマは、後にGB版『DM3』でアレンジ流用されたほどで 、シリーズ内でも屈指の人気曲となっている。クソゲーと呼ばれる本作だが、「音楽だけは最高」と今でも語り草になるほどBGMの評価は抜群。

ただ…「クソゲーだけどBGMは神」ってのは中々あるあるだったりもする。。。。笑

迫力の演出

また、演出面の迫力も当時としては注目ポイントだった。PS1版の本作ではモンスター召喚時に3Dポリゴンでバトル演出が挿入され、GBの平面ドットでは味わえなかった立体的なモンスター戦が楽しめる。

例えば、《青眼の白龍》が画面いっぱいに雄叫びをあげるカットや、融合によって生まれた《双頭の雷龍》が雷を纏って現れるシーンなどは、小学生だったプレイヤーに大きなインパクトを与えた。当時はまだ遊戯王DMのTVアニメ放映前であったこともあり、「ゲームで初めて見る3Dのモンスターたち」にワクワクしたという声もある。

ポリゴンの出来にムラがある(格好良いモンスターもいれば《グラップラー》のように酷い出来のものもいる)との指摘もあるが、それでも初めて家庭用ゲーム機で実現した遊戯王モンスターの3D召喚演出は十分に話題性があり、当時のキッズたちを興奮させるには足るものだった。

攻撃をするときに□ボタンを押すと3D演出が出るんだけど、子供の頃はこれを観れるだけでも満足していた。「これを観るためにカードを集める」的な感じで楽しんでたんだけど、好きなカードが総じて入手困難という…….。

さらにストーリー演出の点でも、本作は原作漫画でも明かされていなかった「闇遊戯の過去(古代エジプトでのファラオ時代)」に踏み込んだオリジナル展開を盛り込んでいた点が特筆される。

ゲーム序盤と終盤に古代エジプト編があり、千年パズルに魂を封印した王子(=闇遊戯)と大神官ヘイシーンとの戦いが描かれる。当時は原作でも描かれていなかった設定だけに、「ゲームオリジナルの古代編ストーリー」はファンの興味を惹いた。

展開自体は強引で矛盾も多いものの 、「古代エジプトの雰囲気を味わえる点はなかなか凝った設定」と評価する向きもある。このようにBGMや演出・雰囲気作りの面では評価する声が見られるのも事実。

独自システムの意外な魅力と革新性

前述のように本作のルールは公式から大きく逸脱したものだったが、その独自システム自体は発想として面白いという意見もある。

例えば、手札融合システムは、従来必要だった《融合》カードを使わずに思いついたカード同士をどんどん融合できる画期的な仕組みだった。

融合パターンは「ドラゴン族+雷族=《双頭の雷龍》」のように比較的分かりやすいものが多く、一見デタラメな組み合わせから意外なモンスターが誕生したりと、カードゲームというより合成レシピ探索的な楽しさがある。

中には「魔法カード同士」「魔法+モンスター」の融合といったシュールな組み合わせも存在し、例えば、「《海》+《神の息吹》=《ポセイドンの力》」「羽の生えた天使族+《見えないピアノ線》=《ハーピィの羽根帚》」など連想ゲームのような融合も隠されている。

これらは本作独自の仕様で、後の作品では真似できないユニークな要素だった。

また守護星システムも戦略性を高める独自要素だった。各モンスターに太陽・月・火星…冥王星までの2つの守護星が割り当てられ、召喚時にどちらかを選択する。星の相性が良いと攻撃力・守備力が500アップするもので、言わば属性じゃんけんのような要素である。

GB版の召喚魔族システムを発展させたもので、一撃必殺だった相性効果が500アップに緩和されているとはいえ、弱いモンスターでも相性次第で格上を倒せる逆転の一手となり得た。

実際、ストーリー序盤のデュエルでは守護星の選択や融合の駆け引きがスリリングで「一発逆転の駆け引きが楽しめる」という評価もある。

さらに、本作独自の「ドローフェイズで手札が5枚になるまでドローする」ルールもユニーク。これは手札交換を活発にするための大胆な仕組みで、不要カードを融合に使って墓地へ送り、次ターンに一気に補充ドローすることでデッキを高速回転できる。

この毎ターン大量ドローという発想は、実に20年後の遊戯王新シリーズ「ラッシュデュエル」(2020年~)で正式ルールに採用された。当時としては斬新すぎて受け入れられなかったが、後になって見ると時代を先取りしたアイデアだったとも評価できる。

これら独自ルールは賛否両論あるものの、「戦略性を高める要素として機能しており、後の作品に引き継がれた部分もあるなど、発想は悪くなかった」と分析する声もある。実際、本作の毎ターンドロー・守護星システム・手札融合といった要素は、人によっては中毒性があると感じられ、慣れるとテンポよくカードを集めデッキ強化していくプレイが癖になるとの意見もある。

総じて本作は「人を選ぶ」ゲームで、合う人にはハマるが合わない人にはとことん合わないという評価に落ち着くようだ。裏を返せば、尖った独自システムのおかげで唯一無二の体験を提供しているとも言えるだろう。

RTA界隈での人気と再評価の動き

本作の異常な難易度は、一部ゲーマーたちの チャレンジ魂 に火を付けた。近年ではリアルタイムアタック(RTA)の題材として本作が人気であり、海外を含め60名以上のRTA走者がしのぎを削った時期もあった。

通常プレイでは「ポケステ(ポケットステーション)なしクリアは不可能」とまで言われた本作だが、RTA勢の研究によりポケステ無しでも最適手順を踏めば攻略可能なことが証明されつつある。

例えば、2019年にはメモカ増殖など一切使わず1時間11分32秒でクリアするという驚異的な記録も生まれた。内容は「初期デッキではまず勝てないヘイシーン相手に、人力で乱数調整して確実に《メテオ・ブラック・ドラゴン》をドロップさせ、それを3枚集めて無双する」という荒技だが、こうした攻略研究が進んだことで「さすがに『ポケステ無しクリア困難』という評価は過剰だった」と見直す声も出ている(※ただしRTAプレイヤーのように綿密な情報収集と試行を前提にした話ではある)。

また、当時子どもで投げ出した人が大人になってから懐かしのクソゲーに再挑戦するケースも増え、「子供の頃クリアできなかった封印されし記憶を○年越しにクリアした!」という報告がSNS上で見られるのも面白い現象。

中には「謎の中毒性があり、一度体験してみてほしい作品」と評する向きもあり 、クソゲーと知りつつあえてプレイしてみる“ネタプレイ”の題材として一定の人気を保っている。「名作神クソゲー」などとも形容されるように 、ダメなところだらけなのになぜか憎めない――そんなカルト的な愛され方をしているのも、本作のもう一つの顔と言えるだろう。

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第4章:ユーザーの声に見る本作の評価

最後に、実際のユーザーや各種レビューでの評価・体験談を見てみよう。ネット上には本作に関する様々な意見が飛び交っており、その多くは前述した点を裏付ける内容である。

阿鼻叫喚と嘆きの声 ~「難しすぎ!」

Amazonのカスタマーレビュー欄やゲームレビューサイトでも、本作の難易度に関する悲鳴が数多く投稿されている。星1つ評価で「難しすぎて子供には無理。クリアできないまま投げた」という率直な声がある一方、星5つを付けて「ファッキン6(※ラスボス直前の6連戦)と戦える神ソフト」とブラックユーモアたっぷりに絶賛(?)する猛者も確認。

総じて「難易度が狂っている」「理不尽すぎる」という点では意見が一致しており、「後半のボスにパワーで上からすり潰される感じがすげぇ」 「ブルーアイズが火力不足になるバランスには笑った」 など、その異常さをネタ交じりに語るユーザーも多い。

特に終盤の「ファッキン6」については、「最後の連戦は何度も言われてるけど本当に頭おかしい。ここがマシならもうちょっとだけ再評価されそうなのに」といった嘆きが掲示板で繰り返されている。

あるコミュニティでは「草原神官兵(※古代編2の雑魚敵)狩ってレアカード集めて満足してゲームクリアをオススメする。ファッキン6とは戦うな」と半ば本気の攻略アドバイスが語られており 、いかに最終盤の難易度が常軌を逸しているかが伺える。

発売当時、攻略本『Vジャンプブックス』にも「このゲームは生半可な覚悟で挑むと痛い目を見る」旨が記されていたほどで、まさに小学生を泣かせた伝説のクソゲーと言えるだろう。

ポジティブな意見もちらほら ~「音楽は良い」「キャラゲーとしては…」

否定的な評価が大勢を占める中でも、わずかながら肯定的・擁護的な意見も見られる。一番多いのは前述したBGMへの称賛で、「BGMは本当にいいよね…」 「ヘイシーン戦の曲は今でも頭に残っている」など音楽面を褒める声は後を絶たない。

またカードイラストやモンスター演出に触れて「当時としては興奮した」「原作アニメが始まる前に動くモンスターが見られたのは貴重だった」という意見も、特に当時プレイした世代からは聞かれる。

あるユーザーは「リモコン(赤外線)使って普通にプレイする分には、そこまで酷くないキャラゲーだと思う」と述べており 、ポケットステーション連動なども駆使してキャラクターゲームとして楽しむ遊び方も一応は提示されている。

また、「遊戯王デュエリストの必修科目の一つだと思っている勢の一人だ」として、本作をネタ込みで愛好するユーザーも存在する。彼らにとって本作の理不尽さはある種の娯楽(ドM的な挑戦)であり、「ここまで極端だとかえって清々しい」「良くも悪くも正しくクソゲーしてる感じが逆に面白い」というような特殊な評価軸で語られることもしばしば。

YouTube上にも「1000年に一度のクソゲー」 「50万人の被害者を生んだクソゲー」 といった刺激的なタイトルのレビュー動画が複数投稿されており、視聴者たちは当時のトラウマを懐かしんだり、今さらプレイする配信者にツッコミを入れたりして盛り上がっている。

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総評 ~伝説のクソゲー、その功罪

以上、様々な観点から『封印されし記憶』の実態を見てきました。

総じて、本作がクソゲーと呼ばれる理由は「ゲームバランスの破綻」に尽きるが、その背景には時代遅れな独自ルールや不親切な設計があり、当時最盛期だった遊戯王ブームの熱量を考えるとファンの期待を裏切る結果となってしまった。

それでも、本作が完全な無価値かと言えば決してそうではなく、音楽や演出に見る光る部分や、唯一無二のゲームシステムから生まれる独特の楽しさも存在する。

現に、ネットが普及し攻略情報が充実した今になって再評価の機運もあり、「人を選ぶがハマる人にはとことんハマる」スルメゲームとしての一面も帯びています 。

筆者の個人的に意見としては、思い出も補正込みで普通に好きな作品です(笑)テンポもいいし、カードをちまちま集めるのも楽しいし…

伝説のクソゲーとしてその名を刻みつつも愛好者の尽きない『封印されし記憶』。興味があればぜひ一度プレイしてみて、その千年パズル級の理不尽さと奇妙な中毒性を体験してみるのも一興かもしれない。

ただし、「我に七難八苦を与えたまえ」とでも言える強靭なメンタルをお忘れなく…。苦行の果てに見える景色を拝めたなら、あなたも晴れてこのゲームの被害者…もとい仲間入りである。

健闘を祈る!Good Luck!!!!!

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