
Nintendo Switch向けゲーム『あつまれ どうぶつの森』は2020年の発売以来、世界中で大ヒットを記録した。
その人気を支える大きな要因のひとつが、ゲーム内で流れる魅力的な音楽である。
穏やかで心地よいBGM(バックグラウンドミュージック)は、多くのプレイヤーに癒やしをもたらし、ゲームののどかな世界観を引き立てている。
本記事では、『あつ森』音楽のこだわりポイントを徹底解説。時間帯によって変化するBGMの特徴や雰囲気、シリーズ作曲家・戸高一生氏の音楽制作におけるこだわり、プレイヤーから人気の高い楽曲・BGM、音楽がもたらす癒やし効果とゲーム体験の向上、そしてゲーム内で入手できるとたけけ(戸高氏がモデルのキャラクター)※の楽曲とそのジャンルの幅広さについて、順に紹介して行こうと思う。

💬ちなみに筆者は、サウンドトラックボックス2種をどちらも所持しております(笑)
時間帯によって変化する『あつ森』BGMの特徴と雰囲気

『あつまれ どうぶつの森』では、島のBGMが1時間ごとに変化する。24時間体制で曲調が移り変わるため、いつログインしても新鮮な音楽が楽しめる仕組み。
例えば早朝の午前7時には、一日の始まりにふさわしい爽やかで元気な曲調が流れる。
午前9時にはお店のオープン時間に合わせてもう少しゆったり落ち着いた曲になり、島をのんびり散歩するときにぴったりのBGM。
昼前の午前11時あたりからはギターの音色が印象的に入る穏やかな曲が増えてきて、午後の穏やかな雰囲気を演出してくれる。
そして夕方6時(18:00)になると、夕焼け空に寄り添うように曲調がガラリと変化し、少し寂しげなギターのメロディが美しく響く。
夜が更けるにつれてBGMはさらにしっとりと落ち着いた雰囲気になり、午後11時頃には心穏やかになる静かな曲調になる。
特に深夜の午前2時台にはピアノの音が入りはじめ、聴いていると思わず眠ってしまいそうなゆったりした曲調になっている。
一方、午前3時はシリーズでも異色ともいえるユニークなBGMで、ガチョウの鳴き声のようなメロディが流れる不思議な曲調になっており、24時間BGMの中でも最もインパクトが大きいと言われている。
💬筆者はここら辺のBGMをゲーム中で一度も聴いたことがありません!(笑)
そして夜明け前の午前5時に流れる曲は、本作のBGM中でも屈指の美しさとの呼び声が高く、朝焼けに映えるピアノの旋律が感動的。
このように時間帯ごとに異なる個性を持つBGMが用意されているため、普段遊ばない時間にあえてプレイしてみると、島の新たな表情を音楽から発見できるかもしれない。
ぜひ一日の様々な時間帯に島へ足を運び、それぞれの時間ならではの音楽と雰囲気を味わってみて欲しい。
💬ちなみに皆さんはどの時間帯のBGMが好きですか?筆者的にはぶっちきりで『午前2時(晴)』。住民たち全員が寝静まった後で、寂しさと癒しが共存してる時に流れるBGM。本当に良い曲、、、🥺でも最も聴いたのは『午後10時(晴)』。
作曲家・戸高一生が語る音楽へのこだわり

『どうぶつの森』シリーズの音楽を手掛けているのは、任天堂サウンドチームの戸高一生(とたか かずみ)氏。戸高氏は2001年発売の初代『どうぶつの森』からサウンドディレクター・作曲家として携わっており、その長年の経験と愛情が『あつ森』の音楽にも注がれている。
彼は本作の開発にあたり、まずゲーム全体の音楽コンセプトを早期に定めた上で、島の雰囲気を象徴するタイトル曲(オープニングテーマ)の制作に特に時間をかけたと言う。
島というテーマに合わせて選ばれたキーワードは「のんびり」と「自由」。そこでアコースティックギターをはじめとする弦楽器を基調に据えたと言う。
ピアノなどの鍵盤楽器は博物館などで使われるように少しアカデミックで硬い雰囲気になりすぎること、バイオリンは無人島の素朴な暮らしには優雅すぎることから、敢えて日常的で親しみやすいギターを中心に据えたとのこと。
ギターは数個のコードさえ覚えれば誰でも弾ける楽器であり、その手軽さ・親しみやすさゆえにプレイヤーにリラックスした気分を与えてくれるだろうと戸高氏は考えたと言う。
実際、ジャーンとかき鳴らされるギターコードの響きは、地平線の見える広い空間や心地よい風を連想させ、聴く人の心を解き放つ効果がある。
こうした楽器選びからも、島の空気感にマッチした癒やしの音楽を作ろうという戸高氏のこだわりが感じられる。

さらに戸高氏は、「ゲーム音楽はプレイの邪魔にならないものであるべき」という哲学を強く持っている。『あつ森』は様々な楽しみ方ができる自由度の高いゲームであるため、基本的には誰にとっても心地よく聴ける音楽でなければならない。
特定の感情を刺激しすぎる曲は避け、あくまでプレイヤーの気分をそっと後押しするような音楽表現を心がけていると言う。
実際、ゲーム内には流れ星や波音、虫の声、住民の会話など多様な環境音が存在するが、それらすべてと調和する音楽を追求した結果、「余計な音を極力省いたシンプルなアレンジ」に行き着いたと言う。
必要な音だけを残し、音と音の“間”にゆとり(スキマ)を持たせることで、環境音とぶつからずむしろ引き立て合うようなサウンドデザインを実現している。
物語のすべてを音楽で語りすぎないようにし、音の隙間はプレイヤー自身の想像で埋めてもらう──そんな余白を意識した音作りが、本作のリラックスできるサウンドトラックを支えている。
戸高氏の細部にまでわたる配慮があるからこそ、『あつ森』の音楽は長時間聴いていても疲れず、ゲームの雰囲気を損なうことなく心地よさを演出できているのだろう。
💬当時、夜に何故か全然眠れない日があって、あつ森で遊び始めたら、癒しのBGMに誘われるようにそのまま即寝落ちしたっていう出来事がありましたwwwww
プレイヤーに人気のある楽曲・BGM

『あつ森』の音楽はどれも魅力的だが、その中でも特にプレイヤーから支持を集めている楽曲がある。
ゲーム内のミュージシャン「とたけけ」が歌う曲(いわゆるとたけけソング)では、「けけアイドル」という曲がファン投票で堂々の1位に輝いている。
アップテンポでポップなアイドル風ソングであるこの曲は375票もの支持を集めており、多くのプレイヤーのお気に入りとなっている。
続いて2位の「さよなら」や3位の「ブルーおにぎり」といった曲も票を集めており、しっとりと心に染みる名曲として高い評価を得ている。
これらは隠し曲や新曲として追加された比較的新しい楽曲だが、そのクオリティの高さからファンの間で人気が急上昇。ほかにも「どうぶつのまち」(4位)や「おさんぽ」(5位)のように、シリーズ過去作を想起させるノスタルジックな楽曲が上位にランクインしている。
一方、時間帯BGMの中で特に人気が高いのが前述した午前5時台のBGMです。静寂な夜明けの空気感と美しいピアノメロディが相まって、「シリーズ屈指の神曲」「一日の始まりに毎日聴きたい」と絶賛する声も多く、ファンから特別な思い入れを持たれているようだ。
このように、『あつ森』の音楽にはプレイヤーそれぞれのお気に入りの一曲があり、思い出と結びついて愛されている。あなたにとっての「心の一本(いっぴん)」とも言える曲はどの曲ですか?
ぜひ島での生活を彩る音楽に耳を傾けて、自分のお気に入りの一曲を見つけてみて欲しい。
今なら『Nintendo Music』であつ森の音楽が全て聴けるぞ!
💬皆さんが好きなとたけけソングは何?筆者はぶっちぎりで『ブルーおにぎり』が大好き🥺自分の家の全ての部屋でこの曲が流れ続けております(笑)
音楽がもたらす癒やし効果とゲーム体験の向上

『あつ森』の音楽は、単なる背景音楽の域を超えてプレイヤーの心に働きかけ、癒やしの効果をももたらしている。
現実世界で外出自粛が続いた時期には、本作の穏やかな島の雰囲気と優しい音楽に「心が救われた」「ストレスが和らいだ」と感じたプレイヤーも多かったようだ。
実際、自宅にいながらスローライフを送れる『あつ森』はリラクゼーション効果が高いゲームとして知られているが、その根底を支えているのが紛れもなく音楽の力だろう。(断言)
柔らかな音色のBGMは作業用BGMや睡眠導入音楽としても愛用されるほどリラックス効果が高く、聴いているだけで穏やかな気持ちになれると評判。
博物館で流れる厳かな曲や、雨の日限定のしっとりとしたアレンジなど、シチュエーションに寄り添った音楽が流れることでゲームへの没入感がいっそう高まり、「本当に自分が島で暮らしている」ような心地よさを味わえる。
戸高氏自身、「どうぶつの森は気晴らしや瞑想の場としてプレイヤーに寄り添うゲーム」であり、音楽もまたプレイヤーに寄り添う役割を担っていると語っている。ゲームプレイ中にふと流れてくる一曲がプレイヤーの心を癒やし、時に現実で落ち込んだ気分をそっと持ち上げてくれる――『あつ森』の音楽はそんな力を持っていると言えるだろう。
加えて、音楽はゲーム体験そのものを向上させる重要なファクターでもある。毎時間変化するBGMは島に流れる時間をプレイヤーに意識させ、マンネリ化しがちな日課にも小さな変化と楽しみをもたらしてくれる。
お気に入りのBGMを聴きたいがために「今日は深夜まで島に居座ってみよう」「早朝に起きてプレイしてみよう」とプレイスタイルを変えてみたという人もいるだろう。
それくらい音楽がゲーム内で占める存在感は大きく、良質なサウンドがあるからこそ何百時間遊んでも飽きの来ないゲーム体験が実現できている。
さらに、土曜の夜のとたけけライブは毎週のイベント的な楽しみになっており、好きな曲をリクエストして島民みんなで聴く時間はプレイヤー間の共通の思い出にもなっている。
音楽がプレイヤー同士のコミュニケーションを生む場面もあり、SNS上では「〇〇が流れる時間帯が一番好き」「今夜は◯◯をリクエストした」など音楽に関する話題で盛り上がることもあった。
こうした交流も含め、『あつ森』の音楽はゲームの枠を超えてプレイヤーにポジティブな体験を提供していると言えるだろう。
ゲーム内で入手できるとたけけの楽曲とジャンルの幅広さ

『あつ森』では、毎週土曜日の夜になるととたけけが島にやって来て、広場でスペシャルライブを開催する。
とたけけに話しかけてリクエストをすることで、自分の好きな曲を演奏してもらうことができ、ライブ終了後にはその曲の楽曲データ(ミュージックディスク)を1枚プレゼントしてくれる。

このディスク(とたけけミュージック)は自分の家のオーディオやラジカセにセットして流すことができるため、プレイヤーはライブで聴いた曲をコレクションして自宅でいつでも楽しめる。
とたけけの曲はバリエーションが非常に豊富で、発売当初から存在する楽曲に加え、アップデートで新曲も多数追加された。全曲数は現時点で95曲にも及び 、シリーズ最多のボリュームとなっている。
曲ごとにジャケットデザインも用意されており、集めるコレクション要素としてもやり込み甲斐がある。(部屋に飾ることもできる)
ジャンルの幅広さもとたけけミュージックの大きな魅力。開発陣は世界中のあらゆる音楽ジャンルに敬意を払い、それぞれの特徴や雰囲気を研究して曲作りに活かしている。

その結果、生まれた曲調は実に多彩。たとえば南国風のボサノバ調で癒やされる「けけボッサ」、激しいエレキギターが唸るヘビメタ風の「けけメタル」、和風な旋律が渋い「けけじょんがら」や中華風エキゾチックな「けけチャイナ」、陽気なラテン音楽テイストの「セニョールけけ」やスカ調の「けけスカ」、果ては電子音が心地よい「けけトロニカ」(テクノポップ風)や都会的なクラブミュージック風の「けけハウス」まで、挙げ始めればキリがない。
アイドル歌謡の「けけアイドル」やロックンロールの「ゆけ!けけライダー」、演歌調バラードの「けけ演歌」にジャズの「けけジャズ」など、文字通りジャンルの垣根を超えたラインナップとなっている。
2021年の大型アップデートでは「チルウェイヴ」や「けけフーガ」といった最新の音楽トレンドを意識した新曲も追加され、話題を呼んだ。
このように多彩なジャンルの曲が揃うことで、「島にジュークボックスを置いて好きな音楽アルバムを流す」ような楽しみ方もでき、ゲーム内で自分好みの音楽空間を演出できる。
気分に合わせて島のBGMを変えたり、部屋でお気に入りのとたけけミュージックを流したりして、自分だけのサウンドライフを送ってみるのも『あつ森』の醍醐味と言えるだろう。
あとがき

ここまで見てきたように、『あつまれ どうぶつの森』の音楽はゲーム体験に欠かせない大切な要素である。時間帯に応じて移り変わるBGMは島で過ごすひとときをドラマチックに演出し、気分を盛り上げてくれる。
戸高一生氏のこだわりが詰まった穏やかなサウンドは、日常に疲れた心を優しく癒やし、プレイヤーをスローライフの世界へと誘ってくれる。
とたけけの多彩な楽曲は集める楽しみだけでなく、「今日はどの曲をかけようかな?」と悩む幸せまで提供してくれるでしょう。
ぜひ『あつ森』の音楽に耳を傾けながら、自分だけの島ライフをより豊かで味わい深いものにして欲しい。きっとお気に入りの一曲が、あなたの心に長く残る「島の思い出のテーマ曲」になるはずだ。
