【ポケモン赤緑】マサラタウンとは?赤緑の出発地を地理・BGM・設定から深掘り解説

ポケットモンスター 赤・緑
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ポケモンシリーズの原点『ポケットモンスター 赤・緑』で主人公が旅立つ町、「マサラタウン」について詳しく解説!

ゲーム内での地理や役割から、登場人物、音楽、シリーズ全体での象徴性、さらには他メディアでの描かれ方や名称のメタ的な意味まで、幅広く掘り下げて行こう!

『ポケットモンスター 赤・緑』マサラタウン徹底解説

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地理的位置と町の構造

マサラタウンはカントー地方の南西端、半島の南端に位置する小さな田舎町。町には建物がわずか3つしかなく、「主人公の家」「ライバルの家」そして「オーキド博士のポケモン研究所」があるだけ!

北に進めば1番道路を経てトキワシティに繋がり、南には海が広がっており将来的に21番水道を経由してグレンタウン(グレン島)へ渡ることができ

もっともゲーム開始直後は南の水路を渡る手段がなく、物語が進んで『なみのり』を覚えたポケモンを入手して初めて海を越えられるよう設計されている。

町の中にはショップやジム、ポケモンセンターといった施設は存在せず、本当に「人の家と研究所しかない」極めてこぢんまりとした構成です。言ってしまえば、ど田舎中のど田舎!!!

スタート地点でいきなり迷う心配がないシンプルなレイアウトになっており、初心者でも安心して冒険の第一歩を踏み出せるよう配慮されている、町の看板には「マサラは まっ白 始まりの色」と書かれており、その名のとおり何ものにも染まっていない真っさらな土地であることが強調されている。

まさに白紙の地図から冒険が始まることを象徴する町と言える。マジで良い名前である…

補足
町田市にある『ポケふた』。ゼニガメとレッドと思われる人物が描かれている。

現実の日本地図に当てはめると静岡県あたり(伊豆半島付近)との説や、ゲーム生みの親である田尻智氏の故郷・東京都町田市がモデルとの説がある。公式に明言はされていないが、町田市にポケモンマンホール(ポケふた)が設置された際には「デザインの理由はご想像にお任せします」といったコメントもあり、この地がモデルである可能性が示唆されている。

いずれにせよ、ゲーム中のマサラタウンは「どこにでもある片田舎の町」として描かれている。(でも町田って全然田舎じゃない…)

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主人公にとっての出発点としての意味

マサラタウンは主人公にとって文字通り冒険の出発点。シリーズ第一作にあたる赤・緑では、物語はこの町の主人公の自宅から始まる。

10〜11歳の主人公が「ポケモンマスターになる」という夢を胸に、この小さな田舎町から旅立っていく姿は、まさに王道の冒険物語の幕開け。

ゲーム中では、草むらに足を踏み入れた瞬間にオーキド博士が現れて主人公を呼び止め、自身の研究所で最初のポケモン(いわゆる「御三家」)を託してくれる。その後、宿命のライバルとなるオーキド博士の孫と初めてのポケモンバトルを経て、いよいよマサラタウンから世界へ一歩踏み出すことになる。

この演出により、マサラタウンは「安全な拠点」であると同時に「未知の世界への入り口」として機能している。町の周囲に生息するポケモンたちは、ゲーム開始直後には主人公がポケモンを持っていないため出現しないよう設定されている。(初代・第二世代では1番道路と接する最初の草むら部分がマサラタウンのマップ扱いとなっており、ピカチュウ版のイベントを除き野生ポケモンは出現しない )。

この細かな設計のおかげで、プレイヤーはポケモンを入手する前に野生ポケモンとの戦闘に巻き込まれる心配がなく、スムーズに物語を進められるようになっている。

また、主人公の家ではお母さんに話しかけるとポケモンを回復してもらえるため 、序盤で傷ついたポケモンを癒す拠点にもなっている。(ポケモンリーグ殿堂入り後、ポケモンが回復されていない状態なのでちょうど良い)

こうした配慮により、マサラタウンはプレイヤーが安心して冒険を開始できるチュートリアル的役割を果たしていると言える。

さらに物語序盤では、マサラタウンを出て最初に訪れるトキワシティでオーキド博士への届け物(いわゆる『おとどけもの』=ポケモン図鑑)を預かり、再びマサラタウンに戻って博士に渡すというイベントがある。

これにより自然な形で「町同士の移動」や「道具を届ける」という基本的なクエスト体験をプレイヤーに教えてくれる。マサラタウンは小さいながらも、ゲーム進行上は主人公が初めて経験する冒険と成長の舞台として、重要な役割を担っている。

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マサラタウンに住む登場人物

  • オーキド博士
    • ポケモン研究所にいるポケモン博士。主人公に最初のポケモン(フシギダネ・ヒトカゲ・ゼニガメのいずれか)をくれる恩人であり、ポケモン図鑑を託して「ポケモン図鑑完成」という冒険の目的を与えてくれる人物。
    • 穏やかな人格者でありながら天然ボケな一面もあり(孫の名前を忘れる等)、以降のシリーズに登場する各地方の博士の原型とも言える存在。彼の研究所には白衣を着た助手たちも数人おり、冒険を進めると図鑑の完成度に応じてアイテムをくれることもある。
  • 主人公の母
    • 主人公の自宅に住んでいるお母さん。名前は登場せず「ママ」と呼ばれている。ゲーム中では家に戻ると話しかけることでポケモンを回復してくれる存在。10歳の子どもを快く旅立たせ、笑顔で見送ってくれる豪快さ(?)はポケモン世界ならでは。
    • 冒険中は基本的に家にいるだが、「マサラタウンに帰ればお母さんがいる」という安心感を与えてくれるキャラクターである。
  • ライバル(グリーン
    • オーキド博士の孫で、主人公の幼なじみでもある少年。プレイヤーがライバルの名前を自由に決められるため公式名称は世代によって異なるが、赤・緑当時の攻略本等ではグリーン(Green)と表記されている。(英語版ではブルーに相当する人物)。
    • 主人公と同じく博士からポケモンをもらい旅立つもう一人の少年であり、道中で何度もバトルを挑んで来る。生意気で負けず嫌いな性格ですが実力は確かで、最終的にはポケモンリーグでチャンピオンにまで上り詰める物語上の強敵。
    • 彼の家(ライバルの家)もマサラタウン内に存在し、ライバルのお姉さん(ナナミ)が留守番をしている。ナナミは主人公がポケモン図鑑を入手した後に『タウンマップ』をくれる優しい人物。ライバル一家はマサラタウンの住民であり、主人公にとっては身近な友人かつ競争相手として物語を盛り上げる。

以上のように、マサラタウンには主人公の家族とオーキド博士一家(あとは研究員)くらいしか登場人物がいない。(「科学の力ってすげー!」っていう大男が住んでいるが、家が見当たらない)

文字通り「顔見知りしかいない」狭いコミュニティであり、裏を返せばプレイヤー(主人公)にとってホームタウンの温かみを感じられる登場人物ばかりだと言える。

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ゲーム進行上の役割とデザイン意図

ゲームデザインの観点から見ると、マサラタウンは最初に訪れる町として周到に設計されている。その最たる特徴は前述の通り、「戦闘などの危険が発生しない安心領域」であること。

町から一歩出て草むらに足を踏み入れようとするとイベントが発生し、オーキド博士が登場して主人公を保護します(そして博士の研究所へ連れて行かれる)ため、プレイヤーはポケモンを持たないまま野生ポケモンに遭遇してしまう心配がない。

この仕掛けにより、自然な形でプレイヤーに「ポケモンを持たずに草むらに入るのは危険」という世界観ルールを教えている。

また、マサラタウンにはポケモンセンターやフレンドリィショップ(道具屋)が存在しないため、ゲーム開始後は必然的に北隣のトキワシティを訪れざるを得ない。これによりプレイヤーはゲーム世界を前に進む動機付けを与えられる。

トキワシティでは初めてのショップでの買い物や、オーキド博士宛の届け物イベントが発生し、再びマサラタウンに戻ってくることになる。こうした往復によって、「街から街へ移動する」「NPCから依頼されたアイテムを届ける」というRPGの基本を序盤で体験できる構成になっている。

さらに、マサラタウンにはジムがない。ポケモンリーグへの挑戦権を得るには各地のジムバッジを集める必要があるが、最初の町にジムがないのはシリーズ恒例のパターンである。これは物語上、「主人公は本当に何もない田舎町の出身で、これから大都市や強敵の待つ場所へ乗り込んでいく」という成長のプロセスを示すと同時に、ゲーム構造的にもプレイヤーが段階的に広い世界へ踏み出していくことを表現している。

最初からジムリーダーがいるような都会で始まってしまっては、ゲーム難易度や情報量が多すぎて圧倒されてしまう。その点、マサラタウンの何もない静けさは、チュートリアルを終えたプレイヤーに深呼吸の暇を与え、「次の町へ行こう」という前向きな気持ちにさせてくれる絶妙なバランスなのだ。

こうしたデザイン意図から、マサラタウンはプレイヤーを徐々にゲームシステムや世界観に慣れさせる導入口となっている。「ごく普通の田舎町」だからこそ、プレイヤーは安心して冒険に集中でき、物語の導入に没入できるのです。まさにポケットモンスターという冒険譚のプロローグに相応しい舞台と言える。

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音楽:マサラタウンのテーマの特徴と印象

マサラタウンと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、その穏やかな街のBGM『マサラタウンのテーマ』ではないだろうか。

増田順一氏が作曲したこの楽曲は、主人公の故郷であり冒険の始まりの地で流れるにふさわしい、優しくどこか郷愁を誘うメロディーとなっている。ゲームボーイの内蔵音源によるシンプルな音色ながら、オルゴールや鉄琴を思わせる繊細な高音の主旋律が印象的で、柔らかな音色の伴奏がゆったりと流れる。

筆者は一時期、このBGMを朝のiPhoneのアラームに設定しておりました…。

全体として慈愛に満ちた穏やかさを感じさせつつも、曲の途中(約17秒あたり)から中音域の副旋律が少し勢いを増して瑞々しい響きを帯びていく。これがまるで「さあ旅立とう!」という門出の背中を押してくれるような爽やかさ…というよりかは「地元の安心感」を感じて、逆に足が止まりそうになる曲調である。(笑)

『マサラタウンのテーマ』が持つ印象的な点

  • 穏やかで懐かしいメロディ: シンプルながら心地よく、冒険の序章に相応しい優しい旋律。聴く者に郷愁を誘い、「また帰って来たい」と思わせる不思議な温かみがある。
  • 音色の工夫: チップチューンながら音色の組み合わせにより擬似的に木管楽器やオルゴール風の音を感じさせ、田舎町の素朴さと温もりを演出している。
  • 躍動感のある副旋律: ゆったりした序盤から一転、中盤以降に盛り上がるサブメロディーが加わることで、「これから旅立つぞ」という明るい希望を表現している。
  • 帰結する安心感: 全体を通して決して不安感はなく、曲の終わりまで穏やかに着地します。スタート地点らしい静けさと、これからの冒険への期待が調和した名曲である。

この「マサラタウンのテーマ」はシリーズを象徴する楽曲の一つとして幾度も公式アレンジがされてきた

例えば、第二世代『金・銀』では3年後のマサラタウンという設定に合わせてやや賑やかな編曲がなされ、どこか寂しさと懐かしさの入り交じる雰囲気を醸し出している。

第三世代のリメイク『ファイアレッド・リーフグリーン(FRLG)』では、一之瀬剛氏と青木森一氏による編曲で原曲の良さを活かしつつ長閑で上品な音色に生まれ変わった。

第四世代リメイクの『ハートゴールド・ソウルシルバー(HGSS)』では橘田拓人氏が手掛け、牧歌的で穏やかなアレンジが加えられている。

そして、ニンテンドースイッチ向けの『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』では景山将太氏によって爽やかなフルオーケストラ風アレンジされ、現代的なサウンドでありながら原曲の清涼感を損なわない仕上がりとなった。

このように各作品ごとのアレンジを聴き比べてみると、同じメロディーでも表現の違いによってマサラタウンが纏う空気感の変化を感じられて興味深い。

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シリーズにおける象徴的な意味と演出

マサラタウンは単なるゲーム内の一地方に留まらず、ポケモンシリーズ全体の象徴的存在として語られることが多い町でもある。その大きな理由の一つが、名前に込められた意味とシリーズを通した扱い。

まず「マサラ(真砂)」という名前自体が示唆的である。日本語で「真っ新(まっさら)」あるいは「真っ白(まっしろ)」から取られたと言われ、その名の通り「汚れのない白」「何色にも染まっていない状態」を意味している。

事実、ゲーム中のHGSSのタウンマップ説明でも「なにものにも染まっていない、まっさらで小さな町」と明記されており 、公式に“白紙から始まる原点”であることが強調されている。

ポケモン世界において主人公がまだ何者でもなく、これから自分だけの冒険を描いていくスタート地点であることを、この町の名前と設定が端的に表現している。

更に興味深いのは、英語版での名称が『Pallet Town(パレットタウン)』である点。絵の具を混ぜ合わせる「調色板(パレット)」に由来する名で、多分なんだけど、「白いキャンバスに冒険という名の絵の具を継ぎ足して行く…」といった意味が込められているのでなかろうか。

実際、英語版赤・青・黄では主人公やライバルの名前が色に由来していたり(レッド、ブルー、イエロー等)、各都市も色名がテーマになっているなど、パレット=全ての色の出発点というコンセプトが全体に通底している。

マサラタウン(Pallet Town)は、そうした「まだ色のついていない真っ白な冒険の原点」そのものを体現した存在と言える。以降のシリーズにも繋がる「本当の意味での原点の町」としてこの名称は秀逸すぎると思う。

シリーズが進むにつれて、多くのプレイヤーにとってマサラタウンはノスタルジーの象徴にもなって行った。特に初代世代のファンにとって、自分のポケモン体験の原点であるマサラタウンは特別な思い入れのある場所。(恐らく最も訪れる場所では??)

ポケモンシリーズではその後も各新作で主人公の故郷となる小さな町が登場し、伝統的に旅立ちの場所となっている。

ジョウト地方のワカバタウン(若葉=新緑)ホウエン地方のミシロタウン(未白=まだ白い)シンオウ地方のフタバタウン(二葉=新芽)など、名前からしてマサラタウンの系譜を感じさせるネーミングがされているのも面白い点。

どの地方でも最初の町は静かで小さく、しかし主人公にとってかけがえのない故郷として描かれてる。それは全て、このマサラタウンが築いた「冒険の原点」というコンセプトを受け継ぐものだと言える。

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他シリーズ作品・メディアでのマサラタウン

アニメ版におけるマサラタウン

テレビアニメ『ポケットモンスター』シリーズでも、マサラタウン(アニメ版主人公サトシの故郷)は重要な舞台として登場する。

アニメ第1シリーズ第1話でサトシ(赤緑の主人公に相当するキャラクター)はマサラタウンから旅立ち、以降も各地方の冒険を終えるごとに故郷マサラタウンへ帰郷する描写が節目節目で描かれている。

初代アニメのオープニングテーマ「めざせポケモンマスター」では歌詞に「マサラタウンにさよならバイバイ」というフレーズが登場し、サトシが故郷を旅立つ決意を象徴する印象的な一節になっている。このフレーズは当時の子どもたちにも強烈に記憶され、マサラタウン=旅立ちの場所というイメージをお茶の間に浸透させた。

アニメ版のマサラタウンはゲームと比べると多少賑やかに描かれている。サトシの家やオーキド博士の研究所以外にも民家がいくつも建ち並び、町長が存在するエピソードもあるなど 、コミュニティとしての描写が膨らまされている。

しかし、それでもトキワシティやハナダシティといった他の町と比べれば「やはり小さい田舎町」であることに変わりはなく、他地域の登場人物から「マサラタウンなんて田舎だ」と言われてしまう場面もあった。(田舎を馬鹿にするやつにろくなやつはいない!)

自然豊かな緑と畑に囲まれた土地として描かれ、サトシが帰郷するシーンでは背景にお茶の産地を思わせる茶畑が映り込むこともある。サトシのママ(ハナコ)は「商店街で福引きを当てた」などと発言する場面もあり、マサラタウン自体に商店街があるのか、それとも隣町まで買い物に行っているのか想像を掻き立てられる。

いずれにせよ、アニメ版でも「小さいけれど暖かい主人公の故郷」としてのマサラタウン像は一貫しており、観る者に原点の安心感を抱かせる演出がなされている。

リメイク作品や続編ゲームでの再登場

マサラタウンは初代以降のゲームシリーズでもたびたび再登場を果たしています。第二世代『金・銀・クリスタル』およびそのリメイク『ハートゴールド・ソウルシルバー』では、前述のように物語後半でカントー地方全域を冒険できるため、マサラタウンにも訪れることができる。

プレイヤーは別の主人公として改めてマサラタウンを訪れ、そこでレッドの母親やオーキド博士と出会うことになる。

3年前と比べて静まり返った町の様子や、どこか物悲しげなBGMのアレンジは、多くのプレイヤーに「帰ってきた」という懐かしさと同時に時間の流れを感じさせた。

また、第三世代のリメイク『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』(2004年)では初代の冒険が最新ハード(ゲームボーイアドバンス)向けに蘇り、当然マサラタウンも美しくリファインされている。

グラフィックが向上したことで草花が色づき、小さな町に差し込む陽光までも感じられる描写となった。主人公やライバルの家の内装も描き直され、より生活感のある空間として表現されています。さらにニンテンドースイッチ向けの『Let’s Go! ピカチュウ・イーブイ』(2018年)では、HD画質で立体的に再現されたマサラタウンを冒険できる。

ポケモンたちが草むらや空中を飛び回り、研究所には最新機材が並ぶなど、「もしマサラタウンに本当に行けたら?」というファンの夢を叶えるような細部まで作り込まれた町になっている。どのリメイク作品でも、マサラタウンは「原点の雰囲気を大切にしつつ現代風にブラッシュアップされた故郷」として描かれており、新旧ファンの心に訴えかける懐かしさの演出が随所に施されている。

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