【特集】PS4を徹底解説!性能・機能・名作ソフト・発売当時の話まで完全ガイド

PlayStation 4
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2013年、ゲームの世界に新たなスタンダードを作り上げたPlayStation 4

これまでのゲーム体験を大きく前進させたそのパワフルな性能と遊びの幅は、発売から10年以上経った今でも多くのプレイヤーに愛されている。

シェア機能によってゲームプレイをワンタッチで世界に共有できるようになったり、オンラインサービス「PS Plus」が進化したりと、プレイするだけじゃない楽しみを広げたのもPS4の大きな魅力。

さらに『グランツーリスモSPORT』『Horizon Zero Dawn』『Ghost of Tsushima』など、名作が次々と生まれ、まさに『ゲーム黄金期』を支えたハードでもある。

この記事では、PS4の基本スペック・特徴・歴史・発売当時のエピソード・後継機との違いなどを、初めて触れる人にも分かりやすく、そして当時を知る人には懐かしさと発見のある内容でまとめていく。

『PlayStation 4』とは?

基本情報

  • 発売日:2013年11月15日(北米)/2014年2月22日(日本)
  • 開発・発売元:ソニー・コンピュータエンタテイメント
仕様
  • CPU+GPU(APU):AMD製カスタム「Jaguar」系 8コア(x86-64)を採用
  • GPU性能(理論値):約1.84 TFLOPS
  • メモリ:8 GB GDDR5 unifiedメモリ(CPU/GPU共用アーキテクチャ)
  • ストレージ:500 GB/1 TB等
  • 光学ドライブ:Blu-rayディスク(およびDVD)対応
  • 接続・出力:HDMI出力、USB 3.0ポート、Ethernetギガビット対応。無線LAN、Bluetoothも搭載。  

特徴

外観・デザイン

全体フォルムとデザインの意図

PS4の設計を手がけたのは、隅井徹氏率いるSony Corporate Design Center

彼によれば、「ただの箱ではなく、少しずらした箱を目指した」と語っている。

本体は従来機(例えば PlayStation 3)に比べて、非常にシンプルかつ洗練されたデザイン。シャープな直線と段差(ステップ)を使い、「ゲーム機」らしい重厚感を保ちつつモダンな印象を与えるデザインになっている。

特に注目すべきディテールとして、前面・側面を横断する「溝」と、光るLEDバーがある。

これがただ黒い箱ではない印象を作り出している。

色・仕上げ・質感

初期モデルのカラーバリエーションは「ジェットブラック(Jet Black)」が基本。上部はツヤありとツヤなしマットの2つの仕上げ面で構成されており、視覚的・手触り的なコントラストが強調されている。

縦置き・横置きどちらにも合うよう、バランスの取れたデザインになっているという。

縦置きにすることでLEDバーがより目立ち、インテリアのアクセントとしても機能。

スリット&LEDバー

PS4 の上面中央を横切る溝(トレンチ状の切れ目)は、本体を「上下に分かれた2つのブロック」のように見せる効果がある。

そのスリットの中、前面側には光るバーがあり、起動時は青色、通常時白色、スタンバイ時オレンジ色、といった表示がされることで、視覚的なステータス表示にもなっている。

この光と陰のコントラスト、直線的なラインの強調により、「ただの黒い箱」ではなく洗練されたゲーミング機器という印象を強く作り出している。

ユーザーのレビューでも「置くだけで部屋の雰囲気が引き締まる」といった声がある。

モデル別のデザイン変化

オリジナルモデル(2013年発表)では、やや厚め・重めの筐体で、上部左右の質感の違いや溝・LEDバーが強調されていた。

その後、より小型化・薄型化・軽量化を図ったスリム版では、角が丸みを帯び、仕上げがマット主体に変化している。

外観上のブロック分割表現が抑えられ、より家庭用機らしい落ち着いた印象になった。

また、スペック強化版のPro版では、サイズの増加とともにデザイン要素が若干変化するが、基本的な「二段重ね」的フォルム・溝・LEDバーというデザインコードは継承されている。

システム・機能

システムソフトウェア

OSは、専用の「PlayStation 4 システムソフトウェア」を搭載し、ホーム画面でゲーム・アプリ・ストア・設定などを直感的に操作可能。

ゲームプレイ中に「残り何%でミッション達成」などを表示するアクティビティ機能があり、途中から特定シーンにジャンプすることも可能。

コントローラーの「SHARE(共有)ボタン」によって、スクリーンショット撮影・動画クリップ保存・ライブ配信などが簡単にできるよう設計。これにより、ソーシャルメディアとの連携が強化されている。

ネットワーク・ソーシャル連携
  • オンラインマルチプレイ:PlayStation Plus に加入することで、オンラインで他プレイヤーとゲームを楽しむことが可能。 
  • リモートプレイ:例えば携帯端末や別のデバイスへゲーム画面をストリーミングして、離れた場所から PS4 を操作できる「Remote Play」機能をサポート。 
  • シェア・ブロードキャスト:ゲームプレイをYouTubeやTwitch等へライブ配信、また友人のプレイを視聴・招待できるなど、ソーシャルゲーム体験が拡張されている。
メディア・エンターテイメント機能
  • Blu-ray/DVD再生:ディスクメディア(Blu-ray・DVD)を再生可能。 
  • HDR 出力対応:対応テレビがあれば「ハイダイナミックレンジ(HDR)」表示が可能で、映像の色域/コントラストが向上する。
  • コンテンツ配信・ストア:ゲーム以外にもYouTube・映画・音楽・アプリ等をダウンロード、ストリーミングできる機能も備えている。

歴史

2006年:構想前

この時期、ソニーは家庭用ゲーム機として PlayStation 3(PS3)を2006年11月に日本で発売予定にしており、ゲーム機市場において大きな転換点を迎えていた。

PS3は高性能な「Cell Broadband Engine」を搭載し、Blu-rayドライブも備え、従来のゲーム機とは異なる次世代志向のハードウェアだった。

ただ、PS3の発売前後には「価格が高い」「開発が難しい」「他社機(Xboxなど)への立ち遅れ」の課題が指摘されており、ソニー自身も次世代機でそれらを克服しなければという意識があったと言われている。

また、2006年にはソニー社内での経営・組織変化もあり、ハード戦略の転換やゲーム部門の見直しという文脈の中にあった。例えば、ソニーがゲームハード事業から撤退するのではという噂に対し、アナリストが「そのような決定は考えにくい」と反論している記事もある。

正確な公開情報では、「PS4の開発が2008年から始まった」とする記述があるが、2006年の時点ではソニー内部で次世代ハード・戦略を模索する段階にあったと考えられる。

また、当時ソニー内部では「PS3での問題点(開発難易度、コスト、発売タイミングの遅れ)を繰り返さない」という強い意識があり、次世代機では『開発しやすく・参入しやすく・コストを抑えた設計』を志向するという方針があったと報じられている。

2007年:構想

PS4の構想は2007年頃、開発は2008年頃から始まったとされている。

開発者向けキット『Orbis』が2012年に出回り始めたという資料があるため、逆算すると2008~2009年あたりから「仕様定義」「プロトタイプ設計」「開発環境構築」が進められていたと推定される。

また、Mark Cerny氏(PS4の生みの親)は「約30にも及ぶゲームスタジオに何を望むかを聞いた」「ハード・ソフトの協調設計を行った」と語っている。

これにより、PS3世代で批判された「ハードがゲームスタジオの創造を阻害する」構造を回避するための設計思想が固まったと言われている。

2009年:開発

2009年、PS3での反省をふまえて、「ゲームスタジオが望むハードとは何か」というヒアリングや要望整理がさらに進んだ模様。Cerny氏によれば、どのような構造なら開発しやすい機器になるかを、メーカー・開発者と協議していたという証言がある。

ハードウェア仕様の中、特に「x86ベースのアーキテクチャ採用」「ユニファイドメモリ構成」「開発環境の簡素化・参入障壁の低下」の方向性がこの時期に固まり始めたとされている。

2010年、2009年の設計フェーズから継続して、2010年には「細かいハード仕様・設計詳細」へと進展していたとされる。

Cerny氏の発言から、2010年も設計期に含まれており、「この機能をこう使えるようにしよう」「開発ツールをこう改善しよう」といった具体議論が交わされたという記録がある。

また、PS4がゲームスタジオにとって「開発しやすい」プラットフォームになるために、CPU・GPUの使い分け、メモリ帯域、開発キット(SDK・ツール)の設計において、従来機よりも効率化を図るという方向がこのあたりで決定されていた。

2011年には、設計フェーズからさらに進んで、「実装・開発環境構築」の準備が進んでいたとされる。具体的には、ハードウェアパートナーとの協議、プロトタイプ(ハード・ソフト)検証、開発機キットの準備などが少しずつ動き始めたようだ。

また2011年は、PS3世代の反省を受けて「発売遅延を起こさない」「開発者が苦労しないハードを作る」という方針が、社内でより明確になった時期でもある。Cerny氏のインタビューでも「PS4では『プログラマーが謎を解くために苦労するハード』にはしたくなかった」と述べている。

2012年:発売前・発表・発売

前述の通り2012年には、PS4 の開発キットOrbisがゲーム開発スタジオ向けに送付され始めたという報道がある。

開発キットは『PC改変型』という形態を取っており、ハードの最終量産形ではなく、試作および検証を目的としたものだったと思われる。

またこの時期、OSやソフトウェアスタックが整えられ始めており、開発者が新ハード用にゲームを作るための基盤構築が進んでいた。

2013年2月20日、米ニューヨークにて「PlayStation Meeting 2013」が開催され、そこでPS4が正式発表された。

2013年6月、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)において実機(デザイン)公開・価格予告などが行われ、マーケティング的に大きく動く。

8月21日には、北米での発売日を「2013年11月15日」、欧州・ラテンアメリカで「2013年11月29日」と発表された。日本では「2014年2月22日」。

11月15日、北米で正式に発売開始

主なローンチタイトルは『バトルフィールド4』『アサシンクリード4 ブラックフラッグ』『コール・オブ・デューティー ゴースト』など。

2013年度の売り上げは数100万台が売れたとソニーが発表。

2014年:日本での発売

2014年2月8日時点で、世界販売台数が 約530万台 を突破。

2月22日、日本で発売開始。

4月6日時点で 700万台超 の販売を達成。

8月には 1,000万台超 を突破したとされており、9ヶ月足らずでこの規模に到達している。

市場シェアでも、欧米を中心に競合機(例:Xbox One)を大きくリードしており、2014年時点でPS4が次世代コンソール市場を牽引していたことが各種レポートで示されている。

PS4は発売直後(2013年11月北米/欧州、2014年2月日本)から期待を上回る伸びを見せ、2014年を通じて「標準的な次世代機としての地位」を確立していった年である。特に「9ヶ月で1,000万台」という速度は、過去のコンソールと比べても速い部類である。

ハードが順調に普及していく中で、ソフトウェア側も多数のPS4タイトルがリリースされ、ハード・ソフト連動が効率良く働いた年である。

好調さ故に需給が追いつかない時期もあり、特に初期の数ヶ月では品薄状態が続いた市場もあった模様。

2015年以降:爆発的普及

世界累計販売台数が 3,000万台超に達したと報じられる。欧州地域では市場シェアが非常に高く、『EU諸国で70〜90%のシェア』と報道された。

中国本土での発売準備や、サービス展開(例:クラウドゲームサービスPlayStation Nowの英国展開)など、グローバルな拡大が進む。

2015年9月〜10月にかけて、価格改定を行った地域があり、価格を下げて普及を後押しした。

2016年はモデル改訂が進み、PS4 SlimPS4 Proが発売される。年末には世界累計販売台数が 5,000万台超 に達した。

2015年以降のPS4は、普及期 → モデル展開期 → 成熟・移行期という流れを描きながら、ハード・ソフト・サービスという三本柱を盤石にし、ゲーム機としてだけでなくエンターテインメントプラットフォームとして確固たる地位を築いた。

2017年以降:現役最盛期

日本での累計販売台数も700万台以上、さらには900万台以上へと成長。

ソフト販売本数(ハード1台あたりのソフト購入数)も着実に増加し、2016年以降、1台あたり8〜10本以上という数字に。

後継機となる PlayStation 5 の登場(2020年11月)前の現役最盛期を迎える。

この辺りから生産終了・移行の話も出始め、PS4世代の完成と次世代へ向けた準備が整えられて行く。

2020年以降:PS5発売

2020年11月12日、後継機種『PlayStation 5』が発売。

一方でPS4もじわじわと売れ続け、2022年3月末時点で 累計販売台数 約1億1,720万台 を突破。

ソフト・サービス面では、PS4向けサポート継続と共に、PS5との互換・マルチプラットフォーム戦略が標準化され、PS4も後継機と共存する形態となる。ハードとしての新モデル登場はなく、むしろPS4からPS5への移行を促す役割を果たして行く。

PS5登場以降の現在でもPS4向けにもソフトが継続して出るケースが多く、PS4版+PS5版が同時発売される、クロスジェンタイトルが一般化している。

また、PS5ではPS4のゲームが動く下位互換が基本仕様になっており、PS4版ユーザーを無視しない姿勢が取られている。

社会への影響

コミュニティ・繋がりの強化

現代のゲーム(PS4時代を含む)は、ただ画面の前で一人遊ぶものではなく、オンラインマルチプレイ・フレンドシステム・ゲーム内シェア・ライブ配信などを通じて『世界中の人とつながる場』を提供している。

例えば、ある報告では「ゲームはあらゆる背景・信条を持つ人々をつなぐ」プラットフォームになりうると述べられている。

その結果、ゲームを通じた「新しい友人・ネットワーク」が生まれ、リアルな地理・文化・言語の壁を越えた交流が可能になっている。

例えば、「ゲーム内チャレンジを送り合うことで、PSN上で新しい友人を作った」というスタジオの分析もある。この「つながる」力はユーザーのソーシャルメディア運用・ブランド構築にも転用可能で、ゲーム機・ゲームカルチャーが「共有・参加型」文化を促進していると言える。

文化的・教育的影響

複数の学術レビューによると、ゲームは「文化の伝達」「価値観・考え方の形成」「教育的ツールとしての活用」など、従来のメディア以上の幅広い影響力を持ちつつある。

例えば、マルチプレイヤーゲーム等を通じて「チームワーク」「コミュニケーション能力」「問題解決スキル」が育まれるという研究もある。

また、「教育向けゲーム」「社会課題を扱うゲーム」も増えており、ゲームが単なる遊びから『学び・意識喚起』の場へ拡張している実態がある。

経済・産業・技術革新

ゲーム機市場および関連産業(ソフトウェア、サービス、配信、e-スポーツ)は巨大な経済規模を持っています。ゲームが「遊び」から「産業」へ完全に移行した象徴がPS4世代である。

技術的にも、ハード・ソフト・ネットワークの融合、クラウド・配信・ライブ機能の強化によって、ゲーム機が「家庭用エンタメ+インタラクティブ体験」の基盤となった。

また、ゲーム機の設計・製造・流通・マーケティングなどで周辺産業や雇用・技術スタックが拡大し、社会全体の「産業構造の一部」になったことも影響のひとつである。

社会的・倫理的側面と課題

ただし、こうした影響の裏には課題もあります。

例えば、ゲーム機やゲームプレイが「孤立」「ゲーム依存」「過剰な消費」などと結び付けられる場合もある。

学術的には「ゲームが社会関係を強める一方で、ゲームだけの世界に閉じこもるリスク」も検討されている。

また、環境面での影響も無視できない。

例えば、PS4の製造・流通で発生するCO₂排出量が「PS4、1台あたり約89 kgのCO₂」などと試算されており、累計で数十億キログラムに及んでいる。

更に、オンラインゲームの「つながりの深さ」故に、ネットいじめ・ハラスメント・プライバシーなどの新たな社会課題も存在する。

ソフトの売り上げトップ10(世界)

※累計売り上げ数は曖昧であり、公式の発表や報道にはかなりブレがあるので参考程度に。

順位タイトル販売本数発売日
1Marvel’s Spidei-Man2,268万本2018年9月7日
2God of War2,102万本2018年4月20日
3Horizon Zero Dawn1,929万本2017年2月28日
4Uncherted 4 : A Thief’s End1,865万本2016年5月10日
5The Last of Us Remasterd1,863万本2014年7月29日
6Minecraft : PlayStation 4 Edition1,700万本2014年9月4日
7Call of Duty : Black Ops Ⅲ1,500万本2015年11月6日
8Call of Duty : WWⅡ1,340万本2017年11月3日
9Gran Turismo Srort1,272万本2017年10月17日
10The Wicher 3 : Wild Hunt1,080万本2015年5月18日

最後に

長い年月の中で、PS4は数えきれない名作と共に「ゲームの新時代」を築き上げて来た。

発売から時間が経った今でも、そのデザイン、操作性、そして豊富なタイトル群は色あせることなく、多くのプレイヤーの記憶に残り続けている。

もしこの記事でPS4の魅力を少しでも改めて感じてもらえたなら、次はぜひ対応ソフトや後継機PS5との違いなど、より深い世界にも触れてみてほしい。

あなたのゲームライフが、さらに広く、そして楽しくなるはずだ。

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