『バイオハザード レクイエム』は、1998年のラクーンシティ壊滅から28年後の2026年が舞台になっている。シリーズの歴史を知るファンにとっては懐かしい場所や名前が登場し、一方でまったく新しい主人公と謎が用意されている。
物語はFBIの新人分析官グレース・アッシュクロフトと、シリーズおなじみのエージェント、レオン・S・ケネディの視点が交互に展開し、プレイヤーはふたりの視点を行き来しながら事件の真相へと迫って行く。
本記事では、その陰謀に関わる人物たちを順番に紹介していく。
主人公と主要キャラクター
グレース・アッシュクロフト

本作の主人公であり、シリーズでは珍しい一般職寄りの女性キャラクター。グレースはFBI分析官で、派手な戦闘能力よりも推理力と分析力に優れていることが特徴。
母親を失った過去から内向的で臆病な性格だが、集中力と洞察力は並外れており、事件の真相に迫るために数々の謎を解いて行く。
連続変死事件の現場であるレンウッドの廃ホテルに赴き、そこで母親が残したデータディスクを手にすることが彼女の冒険の始まり。
物語が進むにつれ、彼女が謎のウイルス「エルピス」と深く関わる存在であることや、実は養子として育てられていたことなど、衝撃的な事実が明かされる。

レオン・S・ケネディ

もう一人の主人公はお馴染みのレオン。1998年のラクーンシティ事件で生き残って以降、多数のバイオテロと戦ってきた歴戦のエージェント。今作では49歳となり、大人の渋さと経験豊富な戦闘技術が印象的。
DSO(対バイオテロ組織)のエージェントとして、アメリカ各地で起きている連続変死事件を追っており、愛車のポルシェ・カイエンを駆り、レンウッドのホテルへ向かった際にグレースの失踪事件に巻き込まれる。
彼自身もラクーンシンドロームに罹患しており、首筋や手に黒い痣が出るなど病の進行と戦いながら任務を遂行する。

合衆国関係者と支援キャラ
ネイサン・テンプシー
FBIの上司としてグレースを指揮する人物。彼はグレースの過去を気遣いながらも、連続変死事件の現場調査を命じる。彼の登場は序盤のみだが、事件のきっかけを作る重要な役割を担っている。
ネイサンは中年のFBI捜査官で、グレースの直属の上司として彼女の分析力と洞察力を高く評価している。
『レクイエム』で初めて登場する新キャラクターであり、歴代シリーズには登場していない。
母親を失ったグレースの過去を熟知しているため、彼女の精神状態を常に気遣う優しい一面も持っている。彼女を現場に送り出したのは、彼女の分析能力が他の捜査官よりも優れていると判断したためだと言われていふが、真相は不明。
シェリー・バーキン
『バイオハザード2』でレオンに救出された少女が成長し、今作ではDSOのエージェントとして登場する。
彼女はラクーン事件の原因となったG−ウィルス開発者ウィリアム・バーキンの娘であり、体内に残るG−ウィルスの影響で20歳前後の姿のまま40歳を迎えている。本作では無線でレオンをサポートし、彼と同じラクーンシンドロームに苦しみながら治療法を探す。
レクイエムではt-ウイルス遅発性致死性症候群(ラクーンシンドローム)に罹患しており、病の進行速度はレオンよりも遅いものの、二人で治療法を探していることが明かされている。
シェリーは本編では無線や端末を通じてレオンを支援する役割も担う。彼女はDSOの一員としてレオンと情報共有を行い、連続変死事件の5件目が発生した廃ホテル付近で警察官が消息を絶ったことを伝え、レンウッドへ向かうよう促した。
さらに、レオンがヴィクターの執務室でパソコンを発見した際には遠隔からハッキングを行い、死亡者がラクーンシンドロームに起因する病にかかっていることを突き止めるなど、情報面で大きな貢献をしている。
このように、彼女は自ら戦闘に参加することは少ないものの、分析と通信でレオンの行動を支え続ける影の立役者となっている。
キーパーソンたち
アネット・アッシュクロフト

グレースの母親で、ジャーナリストとしてアンブレラ社の裏の顔を追い続けた人物。
『バイオハザード アウトブレイク』に登場した主人公の一人でもあり、ラクーンプレス社の新聞記者としてラクーン事件を体験している。
事件後も行動力と使命感は衰えず、ルイジアナでの失踪事件(バイオハザード7)などを取材し続けたが、本作の8年前にレンウッドのホテルで何者かに殺害されている。彼女が残したデータディスクと遺志が、グレースを真相へ導く重要な鍵となる。
エミリー

ローデスヒル療養所に隔離されていた謎の少女で、白い髪と白内障による白く濁った瞳が特徴的。
グレースに助け出されるものの、その正体は「エルピス」を解放するために造られたグレースの複製の一人であることが判明する。
物語中盤では彼女を救おうとするグレースの姿が描かれるが、後に感染し暴走したためレオンによって制止され、グレースに大きな心の傷を残す。後の真エンディングではエルピスによって彼女が救われ、グレースの養子となる展開が描かれる。
エルピス解放ルートでは治療により白内障が回復し、グレースの養子として新しい人生を歩み始める姿が描かれ、救いの象徴となっている。
クロエ

孤児院のパートでプレイアブルキャラクターとして登場する少女。エミリーと同じく人工的に造られたグレースの複製で、1991年にラクーンシティの孤児院で生活しており、アンブレラに監視されていた。過去の実験の犠牲となった存在として、シリーズの闇を象徴するキャラクター。
クロエの存在はスペンサーが推し進めていた「記憶転移」実験に端を発している。スペンサーは血液に含まれる因子に記憶が宿ると仮定し、変異型t-ウイルスによってそれを制御することで優秀な人間の記憶や意志を新しい肉体に移す研究を行っていた。
しかし、毒性に耐え知性を保てる被験者はほとんどおらず、多くの子どもたちが犠牲となる。実験記録には、感染者115人から採取した血液を70番目の被験者に投与したところ肉体の強化こそ見られたものの精神異常を起こし処分されたといった非人道的な例が残されている。
クロエはそのような過酷な環境を生き延びた複製体の一人で、プレイヤーは彼女の視点を通じて孤児院や研究施設で行われていた残酷な実験の記憶を追体験することになる。
オズウェル・E・スペンサー

アンブレラ社の創設者の一人であり、『バイオハザード』シリーズ最大の黒幕の一人。2006年にアルバート・ウェスカーによって殺害されたが、本作では彼の遺した研究が事件の核心に直結する。
スペンサーは「エルピス」という新種ウイルスを完成させ、その研究を託したことが語られる。アリッサが残した記録を通じて、スペンサーがグレースを養子に迎えていたことや、エルピスの本当の意味が明かされる。
彼は単なるウイルス開発者ではなく、自らの思想や記憶を後世に残すために「記憶転移」研究にも手を伸ばしていた。スペンサーは優れた指導者の記憶を新しい器に移すことが人類の発展に必要だと主張し、血液中の記憶を媒介するため変異型t-ウイルスを用いる構想を練っていた。
しかし、この実験には毒性に耐えられる適合者が必要で、孤児院や研究施設では多くの子どもが被験者として犠牲になった。実験記録には、感染者115人から採取した血液を70番目の被験者に投与した結果、肉体の強化は認められたものの精神が崩壊したため処分されたという残酷な経緯が記されている。
グレースがスペンサーに養子として迎えられたのは、彼女がこうした実験に適応できる特異な資質を持っていたからであり、彼女の血がエルピスの鍵となる理由もここにある。
敵対者とコネクション
ヴィクター・ギデオン
連続不審死事件の首謀者と目される男で、ゾンビのように皺だらけの顔と特殊なゴーグルが特徴。かつてアンブレラ社でt−ウィルスの研究に従事しており、スペンサーを師と仰いでいた。
現在は犯罪組織「コネクション」と手を組み、スペンサーが完成させたエルピスの解放を目論んでグレースの身柄を狙う。物語後半でエルピスの真実を知った後も世界を混乱に陥れようとし、最終的には自らも巨大クリーチャーへと変貌する。
ヴィクターは表向きは古びた防護服に身を包んだ謎の男だが、その素顔はアンブレラ社時代からスペンサーに心酔していた科学者であり、t-ウイルス研究の第一人者だった。スペンサー亡き後は彼の思想を独自に解釈し、「記憶転移」実験の成果を悪用して世界の秩序を破壊しようとする。
ローデスヒル療養所では感染者の血液から新たなウイルス兵器を生成し、犠牲者の遺体を材料に薬剤を調合するなど残虐な実験を繰り返しており、連続変死事件の直接的な犯人であることが資料によって示されている。
彼の最終目的は人類を混乱に陥れることで自らが新たな支配者となることにある。
ゼノ

ヴィクターと共に行動する謎の男で、金髪オールバックにサングラスという姿がシリーズの宿敵アルバート・ウェスカーを彷彿とさせる。実際に高速移動や弾丸を避ける能力を持ちつ。
彼は『バイオハザード7』でエヴリンを開発した犯罪組織「コネクション」のメンバーであり、エルピスを狙ってヴィクターと手を組んでいる。後にエルピスが抗ウイルス剤であることを知らずに自分に投与し力を失うという皮肉な結末を迎える。
超人的な身体能力だけでなく、戦闘中に相手の実力を分析する知略家としての側面もある。
終盤でエルピスを自身に投与した際、それが抗ウイルス剤であったため能力を失い、最終的にはヴィクターと共倒れになるという皮肉な結末を迎える。
???(仮面の特殊部隊長)

ARK最深部の中央精製システム「PANDORA」を守る特殊部隊の隊長で、SASやアンブレラ社の私設部隊U.S.S.と同じS10ガスマスクを装着している。
その無名性とガスマスク姿からファンの間ではシリーズの謎多きキャラクター「ハンク」を連想させるものの、作中では詳細が明かされていない。
ゲーム中ではボスとして立ちはだかり、プレイヤーの考察を掻き立てる存在である。
ハウンドウルフ隊とその他のキャラクター
アンバーアイズ(ローランド・エルバ)
クリス・レッドフィールドが率いる私設部隊「ハウンドウルフ隊」のベテラン隊員で、コードネームは琥珀色の目を意味する。ARKの崩壊時にレオンとグレースを救出し、クリスからの伝言を伝える役割を担う。彼の登場によりシリーズの他作品とのつながりを感じさせるシーンとなっている。
ハウンドウルフ隊は『ヴィレッジ』で初登場した精鋭部隊で、本作でもエルピス回収作戦のために再び招集される。アンバーアイズことローランド・エルバは隊の副隊長であり、狙撃手としてSA110スナイパーライフルを携えて仲間を援護する姿が描かれている。
彼はチームの実質的なまとめ役でもあり、作中ではARKからレオンとアッシュクロフトを救出する際に指揮を執った。
任務完了後、隊はBSAA部隊に引き継いで現場を離れるが、その隙にコネクションの精鋭部隊が侵入するなど、彼らの戦いが水面下で繰り広げられていることも暗示されている。このようにアンバーアイズは単なる救援要員ではなく、作戦の要として重要な役割を担っている。
ノーマン・コール
レンウッドホテルを警備していた制服警察官。グレースを現場に通すも、ヴィクターによってt−ウィルスに感染させられゾンビ化し、プレイヤーに襲いかかる。彼の変貌は物語が本格的なサバイバルホラーへと移行するきっかけとなる。
ノーマンはレンウッド市警の誇り高き巡査で、連続変死事件を受けて廃ホテルの封鎖と調査を任されていた。事件の真相を突き止めようとするグレースに対しても協力的で、規制線の内側へ招き入れている。
しかしヴィクターに背後から襲われ、変異型t-ウイルスを投与されたことで感染が進行し、散弾銃を乱射する凶暴なゾンビへと変貌。
彼が突然敵に回る演出は、平凡な市民が一瞬にして怪物へと変わってしまうシリーズ特有の恐怖を象徴している。
ハリー・リード
ローデスヒル療養所の中庭ヘリポートにいたパイロットで、片足に古傷を負っている男性。グレースにヘリの鍵を回収してくるよう頼み、脱出の手助けをする。彼の協力によって一時は脱出の希望が見えるものの、ウイルスの拡大により状況は悪化して行く。
ハリーは本作における数少ない善意の第三者で、療養所のヘリポートを管理していた民間パイロット。片足の古傷をかばいながらも、グレースとエミリーを脱出させようと奮闘し、彼女に「ヘリの鍵を取りに行って欲しい」と頼む。
グレースが秘密研究所から鍵を持ち帰ると、ハリーは即座にヘリを起動させるが、離陸直後にゾンビが機体にしがみ付いたことでバランスを崩し、ヘリは墜落。ハリーは機体と運命を共にして命を落とす。
